2007/12/30

推進してきた専門家も警鐘を鳴らしている

廃棄物政策の専門家津川啓さんは循環型社会って何!と言う自分のブログで、先日の時事通信のガス化溶融炉全国調査の結果を伝えた神戸新聞の記事について興味深い解説をしている。
神戸新聞、長野日報両方の記事にも登場する日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事も、神戸新聞の記事に登場する岡山大大学院環境学研究科の田中勝教授(廃棄物工学)も、溶融施設推進を含め、国の廃棄物処理政策の中心的な役割を果たしてきた方だと言う。
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津川さんによると、藤吉氏は「全国の清掃施設建設に係る委員会や機種選定委員になって溶融路線を推進した中心人物」であり、田中教授は「旧厚生省時代から現在に至るまで、国の廃棄物政策に積極的に関わってきた」方だそうだ。
津川さんはさらにこう書いている:
結論からいえばガス化溶融炉(灰溶融炉)はもともと欠陥技術だったのである。したがって「瑕疵担保期間が終ったから自治体のコスト負担が重くのしかかった」わけではなく、最初からメーカーと旧厚生省が組んで自治体を食い物にしたというに過ぎない。その意味で自治体側はあまりにも無防備であった。むしろ国庫補助金が欲しいため、メーカーの甘い誘いに乗って、住民の批判に一切耳を貸さなかったのが大半の自治体であった。

私たちネットワークも、事故の恐れ、環境汚染の危険性、休戸地区の地質の問題などとともに、ランニングコストについて指摘してきましたが、組合は私たちの意見にやはりまったく耳を傾けたことはない。時事通信の調査結果はコストについての私たちの主張をほぼ全面的に裏付けている。溶融炉政策を推進してきた方々が今になって「基本的な課題をクリアしないまま実機に移した技術もあり、影響が出始めている」(藤吉氏)や、「市民はもう少し税金がどのように使われているのか関心を持つ必要がある」(田中教授)と言っている以上、「反対派がまた騒いでいるだけだ」では済まない。組合は時事通信の調査結果をしっかり肝に銘じてこれからのことを考えた方がよさそう。

2007/12/25

ガス化溶融炉: かさむ補修費が自治体を圧迫 


ガス化溶融炉の話だが、時事通信がこの間全国調査したところ、導入した自治体の多くは予想外に高い補修費に苦しんでいることが判明した。時事通信の調査結果は12月25日の長野日報(上の写真)など、多くのメディアに取り上げられている。
まず時事通信:
多くの施設が2002年の規制強化を機に運転を開始。メーカーが無償修理する2~5年の保証期限が切れ、負担が表面化し始めた。一部の自治体では財政を圧迫する恐れもあるという。

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神戸新聞もかなり長い記事を掲載している。その中で日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事は
「基本的な課題をクリアしないまま実機に移した技術もあり、影響が出始めている」

としているし、岡山大大学院環境学研究科の田中勝教授(廃棄物工学)は
「小 規模施設に向く特性があるものの、大都市は新技術を厳しく評価したため、あまりガス化溶融炉を選んでいない。外国で失敗した技術が流行しているのは、日本 では新しい技術は「より良い技術だ」と評価する傾向も影響したと思う。メーカーは安く仕事を取って後から回収するので、維持管理費が高くなりがち。市民は もう少し税金がどのように使われているのか関心を持つ必要がある」

と言っている。
「諏訪南行政事務組 合が作ろうとしているのはガス化溶融炉ではなく灰溶融炉だから、そんな話は関係ない」と考える人もいるかもしれませんが、とんでもない。灰溶融炉もまった く同じような未熟な技術だし、エネルギー分がほとんど含まれていない灰を溶融するので、高騰を続けている灯油などの燃料代、むしろランニングコストはガス 化溶融炉よりも高くつく。
組合は維持費が年3億円ぐらいになると説明してきているが、溶融化のための燃料の高騰で3年間の瑕疵担保期間の間でもと てもその程度では済まないと思われる。そしてこの調査結果が示すのは、瑕疵担保の期限が切れた後、補修費が重く伸し掛かり、ランニングコストはさらに跳ね 上がるという事だ。
地元住民の大半がすでに計画の白紙撤回を求めているし、予定地の地質の問題や溶融炉による環境汚染の恐れもある。どう見ても、灰溶融炉の建設はやめるべき。

2007/12/24

生ゴミを回収するスーパー

小淵沢インターを出て左側に生ゴミを持っていくと
ポイントがもらえる「やまと」というスーパーがあります。

このスーパーには、1日150㎏の処理能力をもつ生ゴミ処理機が
置いてあり、ポイントカードを持っている会員が生ゴミを
持ち込むと1回の利用で5ポイントもらえます。
(生ゴミをはかりに乗せてから、ポイントカードを入れると
処理機のフタの鍵が解除される仕組みになっています)

このスーパーでは、200円買うと1ポイントもらえ
500ポイント貯まると500円の買い物商品券がもらえるそうです。

スーパーで処理された堆肥(半熟堆肥)は、別な場所で
完熟堆肥まで仕上げられ(委託)その後、地域の農業生産者
グループに無料で提供されます。
その有機堆肥を使って栽培した野菜の一部は、スーパーが買い入れ
店頭で販売されています。

このスーパーのように生ゴミを資源として活用する
お店が出てきたことは、ごみ問題を考える上でとても明るいニュースです。
現在焼却しているゴミの中から、いかにして資源を救い出すか。
行政と企業と住民が力を合わせて考えたいテーマです。



2007/12/04

自由法曹団長野県支部の弁護士5名が予定地視察

12月2日に自由法曹団長野支部の弁護士5名が予定地を視察し、住民と意見交換をしました。
12月3日の長野日報の記事です(とりあえず):
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とても有意義な視察だったと思います。若宮公民館での話し合いも今後の活動には大変参考になりました。弁護士の皆様、企画した皆様、本当にありがとうございました。

2007/12/02

高岡地区広域圏事務組合で灰溶融炉の建設を中止

平成19年11月2日に富山県高岡地区広域圏事務組合議会で灰溶融炉の建設を行わないことが報告された。
こ れは、10月30日の理事会での決定を受けてのものだ。高岡地区広域圏事務組合を構成する高岡市、氷見市、小矢部市は、平成19年7月2日にごみ 処理施設技術検討委員会から出された「灰溶融施設導入については、運転事故リスク等を考慮して慎重な対応を要する」との答申を十分尊重し、他の自治体での 導入実績や建設費用、管理費用等の経済性、安全性、環境問題等について慎重に検討、協議を行ってきた。

検討の結果として以下のような報告があった(議員協議会資料より)
  • 全国の先進都市での灰溶融炉について、調査や行政視察を行ってきたところ、灰溶融炉の事故の発生等や溶融スラグの有効利用が進んでいない実態が把握することができた。
  • これを裏付けるように、近年、溶融を取りやめる動きが見られる。
  • 溶融固化設備を設置しなくても、国の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の目標値を確保できる見通しである。
灰溶融炉を設置しないことのメリットとして以下があがっている(議員協議会資料より)
  1. 灰溶融に必要な運転管理費等が必要ないこと。[経済性]
  2. 灰溶融炉(24トン/日)の建設費が削減されること。[経済性]
  3. 5年毎に大幅な修繕(灰溶融炉の炉壁の改修等)は必要ないこと[経済性]
  4. 溶融スラグの有効利用が難しい(特に、公共事業に左右される等の問題が多い)ため、溶融スラグのストックヤードを確保しなければならないが、その必要がなくなり建設費が削減されること。[経済性]
  5. 灰溶融炉の事故、トラブルのリスクが生じないこと。[安全性]
  6. 灰溶融を行わないことにより、CO(一酸化炭素)の削減につながること。[環境問題]
  7. 売電量の増加が見込めること(灰溶融炉で消費される電力が不要となり売電ができる。その電力をCO2換算すると約500㎏-CO2/kwhの温室効果ガスの発生抑制となる。)[環境問題]
高岡地区広域圏事務組合は、以上の理由から灰溶融炉ではなく従来型の焼却施設(ストーカー炉)が望ましいとの結論に至っている。
諏訪南行政事務組合の理事者と組合議員にも良識ある判断を期待したいものだ。

2007/11/21

弁護士団の現地調査

「基本的人権をまもり民主主義をつよめ、平和で独立した民主日本の実現に寄与すること」を目的とした弁護士の集団である自由法曹団の長野県支部は、休戸区の灰溶融炉建設計画問題を取り上げることになりました。弁護士の皆さんが建設予定地を見たうえで、この問題に関する見解を発表していただきます。
有意義な会合になると思いますので、ぜひとも大勢のの方のご参加をお待ちしております。
(画像をクリックすれば拡大されます)

建設予定地と集会の場所:

2007/11/07

地元住民の大半が白紙撤回を求める:署名活動の途中結果発表

11月6日に灰溶融路建設計画の白紙撤回を求める署名集めの途中結果を発表しました。


記者会見の様子 (画像をクリックすると拡大表示されます)

結果の要点は次ぎのとおり:

  1. 訪問したお宅で、対応していただいた方が署名して下さった場合「署名いただいたお宅」としました。一軒のお宅で、一筆の場合もありますし、家族皆さんの名前を書いていただいたご家庭もある。
  2. 象地区(下蔦木、上蔦木、神大、平岡、机、先能、瀬沢、とちの木、横吹、花場、休戸、木ノ間、若宮) において、75.3%の家庭、つまり4軒中3軒以上が計画を白紙撤回するように署名をいただいた。
  3. 面会家庭は11月6日現在、全体の8割ぐらいと思われる。
  4. 署名否定109件でも、その多くは「立場上、署名できない」または「よく分からないから」と言った「消極型」否定だった。
  5. 近隣区以外でも、これまで928名の「賛同署名」をいただいた。
このような問題に対して署名と言う形で意思表示をすることは大変勇気の要ることで、これだけ大勢の地元の方々から署名をいただいたことはこの計画に対する皆様の気持ちの強さを物語っていると言えると思います。署名してくださった皆様、本当にありがとうございます。または建設に反対だが、立場上署名できない方も相当いましたが、それでも私たちの話に真剣に耳を傾けてくださったことは心強かったです。ありがとうございました。留守などのためにまだ署名の意向を伺っていない方もいますが、これだけ大勢の地元の方が白紙撤回を求める署名に協力してくださったおかげで、行政側はもはや「地元の大方の理解を得た」などと、とても言えないと思います。
今後とも、留守だったお宅などの署名集めを継続します。

2007/11/06

まずはゴミ減量!-灰溶融炉導入の前にー

環境会議・諏訪の2007年11月号の通信に記載されている小林桂子さんの原稿をここにも掲載させていただきます。

まずはゴミ減量!  -灰溶融炉導入の前にー    原村 コバヤシケイコ

 
諏訪南行政事務組合が、昨年の10月21日に第4回の住民説明会を行ってから、まる1年になる。前組合長(前茅野市長)は、会場で大勢の質問者が手を挙げる中、皆さんの質問は、次回の説明会で必ずお聞きしますと約束をして、定時に切り上げた。年が明けても一向に説明会の様子がなく、前組合長に何度か問い合わせてみたが、結局、秘書から「(組合長任期の終える)3月までには開催します」という返事だけだった。そして、4月、新組合長は、柳平茅野市長に代わった。当然住民説明会を続けて開催してくれると思っていた。ところが、まるでその気がないらしい。「住民に説明をした」と言う事と「住民の理解を得られた」と言う事は、まるで違う。住民の理解も得られずに、なぜ住民のために灰溶融炉を建設しようとするのか?

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説明会の会場で、住民から「ゴミ減量の努力を何もしていないじゃないか?いきなり灰溶融炉という話しはおかしい。」という疑問が多くあった。確かに、ゴミの資源化に関しては、茅野市、富士見町、原村とも、他から遅れをとっており、組合側も「ゴミは増えている」などと平気で説明していた。
 そんなこともあってか、今年の4月から、3市町村とも、「廃プラの資源化回収」を始めた。そして驚いたことに、原村では、しょっぱなの4月から可燃ゴミが20%減った。富士見町では14%、茅野市は2%減量という結果だ。原村では、その後も平均20%のゴミの減量を維持している。
 そう、誰しも使い捨て社会に罪悪感があるのかもしれない。せめてリサイクルという意識があり、行政がその仕組みを作って、ちゃんと説明すれば、まじめに分別してくれる。私も毎月1回、その回収作業を手伝っているが、汚れのあるものを持ってきた人に、「この後、手作業で何種かに分別するので、これからは汚れをボロ布で拭き取ってくださいね。」と説明すると、皆、素直に「はい」と従ってくれる。ただの決め事だけではなく、理由、意義、目的を住民に知らせることこそが大事だと思う。
原村の廃プラは、ある中間処理業者に運ばれて、そこで作業台に広げられて、手作業によって、マテリアルリサイクル用、ケミカルリサイクル用、発電所でサーマルリサイクルされるものに分別される。実際に見学に行くと、現場の苦労を知ることができる。「プラ」というマークがついていても、リサイクルには向かない物も数多い。紙やアルミが混じっていたり、臭いのある汚れ物は最悪だ。
 さて、肝心の灰溶融炉の計画だが、諏訪南行政事務組合では、急遽、活断層調査をするために、今年度の補正予算案を撤回した。また、1年計画が延びたことになる。「八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワーク」が、活断層調査の要望書を提出したが、それまでは、建設工事の入札後に、その受注した建設業者に活断層調査を依頼すると言っていた。おかしな話しだ。その業者がまじめに調査して、活断層が見つかりましたので、せっかくですが、工事は中止にします・・・なんてことあるはずないのに、平気でそんな計画を立てる。
 また、東京では、23区清掃一部事務組合の灰溶融炉が、今年5月に一斉に止まったそうだ。焼却灰スラグの溶出試験で、軒並み基準値以上の鉛が高濃度で検出されたためだ。さらに9月には、排ガス中の水銀濃度が自主基準をオーバーし、2炉が停止している(消費者リポート第1380号、わせだより)。そういえば、諏訪南の灰溶融炉の排ガス基準には、水銀の項目すらないけれど・・・それで安全だなんて言われても。
 そして、佐賀県の鳥栖三養基西部環境施設組合で、「採算ベースに乗りそうもない」という理由で、企業が、5年間の保証期間を過ぎたら撤退する意向を示したという。住友金属工業が手がけた「シャフト炉型ガス化溶融炉」が導入され、2004年4月に稼動したが、様々なトラブルに見舞われ、また、ランニングコストの思わぬ高騰などから、ついに悲鳴をあげたらしい。組合は、特殊な処理施設のため、同社派遣の技術要員に指導を頼っており、後継業者を見つけるのは難しい。つまり、企業の撤退は、運転中止になる可能性もある(津川敬氏/佐賀新聞2007.10.2参照)。
 各地で、常に様々な問題がでてきている溶融炉、未完の技術とさえ言われている。何も、今急いでそんなものに数十億円もかけるのは、あまりにも危険すぎるのではないだろうか。まずは、ごみの減量をして、より安全な最終処分場を作るということでもいいのではないだろうかと思う。

2007/10/10

溶融施設の運営業務から撤退

住友金属工業(本社・大阪)は、溶融炉の運転業務から撤退することを1日明らかにしました。
この業者に運転を委託しているのは、佐賀県の鳥栖市、みやき町、上峰町で構成する広域ごみ処理焼却施設の鳥栖三養基(とす・みやき)西部環境施設組合です。
住友金属工業は、収益性の低さを理由に、2009年4月以降、契約を継続しない意向を示しています。(10月2日佐賀新聞より)

2003 年には、サーモセレクト社(本社スイス)が委託運転していた溶融施設から、ドイツのカールスルーエの業者が撤退しています。撤退の理由は、コ ストの上昇と故障頻発により完全操業が困難となったためでした。溶融炉を開発している多くの日本メーカーは、海外のメーカーから技術導入を行っています。 談合の摘発が厳しくなったこともあり、溶融炉を開発している鉄鋼・造船業界の環境プラント部門は、どこも経営が厳しいようです。 今後、日本でも撤退のニュースが増えてきそうな感じです。


このような状況の中、溶融施設を急いで導入することは大変危険です。採算ペースに乗らないことを理由にメーカーが撤退でもすれば、建設しても運用できない施設となってしまう可能性があります。
様々な問題を抱えた溶融施設。もうしばらく様子をみた方が良さそうです。

2007/10/09

排気ガスもスラグも重金属まみれの灰溶融炉の本当の姿

灰溶融炉を建設計画中の諏訪南行政事務組合は排気ガス中の重金属について、国の基準がないと言う理由で、自主基準も設定していません。また溶融炉の成果物 であるスラグはJIS基準のものを作るので、安全だと一点張り。組合の安全神話をいまだに信じている方がいれば、ぜひ次の記事を呼んで頂きたいです:
日本消費者連盟発行 消費者リポート 1380号 (2007年9月27日発行) 「わせだより」 
(掲載許可取得済み。ありがとうございます!)


ご みの焼却処理は、ダイオキシン類の発生のほか重金属類の飛散が問題です。東京湾中央防波堤にある東京23区清掃一部事務組合の灰溶融施設が2007年5 月、一斉に止まりました。その理由は4月~5月、焼却灰スラブの溶出試験で、軒並み基準値以上の鉛が高濃度で検出されたからです。4月2日に2号炉で基準 値の2.1倍、5月21日に4号炉で最高96倍など、1週間ごとの試験で数十倍の基準値オーバーが続きました。 

1号炉と4号炉が再開した とたんの9月7日、今度は排ガス中の水銀濃度が自主基準をオーバーしたため、10日に再び2炉とも停止。翌11日に、東京都による立ち入り調査を受けてい ます。最高では、9月9日に1号炉で自主基準の9倍の450μg/m3Nという排ガス中の水銀濃度を記録しています。 

一般廃棄物の焼却灰を高温溶融するので安全ということだったスラグですが、実態は重金属まみれではないかと疑われます。今後、廃プラ焼却が本格実施されると問題です。

 ところが、廃プラも焼却している東京・稲城市のクリーンセンター多摩川では、見学した人にスラブを小袋に入れて無料で分け、鉢植えの下に入れると水はけが良くなると説明しているというから驚きです。

排気ガス中の水銀についてもっと詳しく伝えている「東京23区のごみ問題を考える」サイト:
   中防灰溶融炉 排ガスから高濃度の水銀 運転再開のめど立たず

津川啓さんの記事も大変参考になります:
   東京23区の灰溶融炉事情

この件についての東京二十三区清掃一部事務組合の発表は(PDFファイル):
中防灰溶融施設における排ガス中の水銀濃度が自主規制値を超過したことについて

重金属まみれのスラグは東京都に限ったものではありません。重大な爆発事故で知られている静岡市の灰溶融路でも、溶出試験で多量な鉛が出てきた。それも、pH5.6以上のとても弱い酸性条件で、日本に降り注ぐ酸性雨のpH5.0以下での現実に沿った溶出試験を行ったら、どんな数値が出るだろう。

諏 訪南行政事務組合の理事者も、一部の議員も灰溶融炉を「環境に優しいリサイクル施設」だと位置づけようとするが、現状はまったく違う。スラグを作る過程 で、多くの重金属を空中に吐き出すし(組合はそれを計るつもりはないのでどれだけ排出されるかは周辺住民には知る手立てがない)、出てくるスラグも重金属 まみれ。組合は、灰溶融炉を進める理由としてスラグが安全なリサイクル品として利用できると言っているが、上記の情報ではっきりしたのは、地域中の公共工 事に使うことは、鉛などの重金属をばら撒くも同然。 私たちはずっと前からこういうことを訴えてきたが、組合は「安全だ」と一点張りでちっとも耳を傾けてくれなかった。今回こそ、莫大な税金を投入する前に、 果たしてこの計画を進めるべきかをもう一度よくよく考えていただきたい。

2007/10/03

断層調査開始

今朝の長野日報は休戸の予定地での断層調査開始を報じている:
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記事には書いてないが、調査を行うのは諏訪市に本社がある中部測地研究所と言う地質調査コンサルタント会社。予定地の初期ボーリング調査をも行った会社です。

2007/09/28

長野県へ地質関連の公開質問状提出

私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは灰溶融炉の予定地が長野県指定のの土石流想定氾濫区域内に位置している可能性があることから、県の考えを問う公開質問状を9月26日に県に提出しました。
土砂災害危険箇所に指定されている場所へ公共施設を建設することに関する公開質問状
回答をいただいたら、またお知らせします。

諏訪南が補正予算案を撤回

組合は9月27日の定例議会において、いきなり補正予算案の撤回を発表した:
(画像をクリックすると、オンライン記事へ飛ぶ)

その理由は、近く開始する建設予定地の断層調査が11月末まであり、その後に議案を可決したとしても前提となる発注業者の決定は難しく、計上した予算を執行できないと言うこと。

関連記事:

2007/09/13

鉄鋼スラグも使い道無し

溶融スラグと鉄鋼スラグは違うものだが、製造プロセスや「リサイクル品」としての怪しい位置づけなど、共通点が多い。その鉄鋼スラグは最近大問題になっている。
9月8日の毎日新聞に「鉄鋼スラグ:愛知でも7万トン野積み 廃棄物として指導」と言う記事が載っていた。


鉄鋼の製造過程でできる副産物「鉄鋼スラグ」が兵庫県・淡路島などに野積みされていた問題が広がりを見せている。リサイクル製品のはずのスラグが、廃棄物同様に扱われている実態が明らかになり、行政当局も対応に苦慮する。愛知県西部でも6カ所に計約7万トンのスラグが野積み状態で放置され、市民団体の調査では、現場の溶出水から、ヒ素やホウ素、強アルカリ性の排水などが検出された。スラグをリサイクル製品と認定してきた同県だが、調査結果などを受けて姿勢を一転、廃棄物とみなして指導に乗り出す方針だ。
鉄鋼スラグ溶融スラグとではもととなる原料に大きな違いがあります。鉄鋼スラグの方は鉄を作る際の材料が限定(鉄鉱石と石灰石とコークス)されていますから、原料の組成が一定である限り鉄鋼スラグの性状も一定となります。対して溶融スラグはもととなるものがゴミの焼却灰ですから、組成は一定とはなり得ない(また、地域によって嗜好が変われば排出されるゴミの組成も変わる)。溶融スラグよりも性状の安定していると思われる鉄鋼スラグが野積みされているということは、それだけ余っていると言うことです。

記事の冒頭で触れている淡路島の野積み鉄鋼スラグの問題のこの状況の更なる裏づけになる。この問題について、次を見てください:
産経新聞:兵庫県淡路島─約9(10)万トン─山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)
毎日新聞 :山陽特殊製鋼の鉄鋼スラグ処分:兵庫県、野積み放置 昨年12月通報「製品と判断」
神戸新聞 :鉄鋼スラグ、野積みに 山特鋼が撤去開始 淡路

特に毎日新聞の記事は興味深い :

「山陽特殊製鋼」(兵庫県姫路市)が、鉄鋼スラグ約10万トンについて、販売代金の数倍を運搬費名目で引き取り業者に支払っていた逆有償取引の問題で、兵庫県が昨年12月、淡路島にスラグが野積み状態になっていることを把握しながら放置していたことが分かった。「スラグは製品として販売されたもの(有価物)で、廃棄物ではない」との判断に基づいたという。今年7月に毎日新聞の取材を受けた後、県はようやく、廃棄物ではなく有価物であることを示す契約書などの提出を山陽に要請。しかし、山陽は提出に応じず、スラグの撤去を始めていた。


有価の「リサイクル品」ではなく、 実際には逆有償取引で売られ、事実上の「廃棄物」であるスラグは、他にも全国でどのぐらいあるでしょうか?上記の例が氷山の一角のような気がするが。。。

2007/08/31

活断層調査要望書に対する組合の回答

私たちのネットワークが諏訪南行政事務組合に提出した活断層調査に関する要望書に対して、組合は次のように答えました:
(画像をクリックすると拡大される)


組合は8月3日の特別委員会で調査を行うことを発表しました。
この件に関して改めて強調したいのは:
  1. こういう調査は柏崎刈羽原発の地震被害を受けてではなく、最初から行うべきだった。行っていないのはきわめて無責任と言わざるを得ません。
  2. 組合自らの生活環境影響調査の報告書(平成17 年7 月)では、建設予定地周辺の地質について次のように記述されています。「富士見町の南西側は赤石山脈の北端で、この山脈の東側を糸魚川・静岡構造線といわれる大きな断層が走り断層崖を作っているため、山腹の傾斜は大変急で平坦地が少なくなっている。また建設予定地のある富士見町の西山方面は、地質が脆弱なうえ急傾斜地のため、ここを流れる河川は激しい洗掘により崖状の侵食谷を形成しており、山地災害を起こしやすい地形となっている。」 そもそもこう言う場所をあえて唯一の候補地として選んだことは理解し難い。
  3. 地質はこの計画が抱えている多くの問題の中の一つに過ぎない。たとえ予定地を地質がしっかりしている場所に変えたとしても、作るべき施設ではありません。

2007/08/18

特別委員会の最近の動向

8月3日の特別委員会について、すでに同意書に対する矢嶋副組合長の驚くべき見解と、活断層調査の実行について触れているが、ほかにも清水副組合長(原村村長)の発言に対する推進派議員の攻撃などもあった。エンジェル千代子議員のブログに当日の様子が詳しく書いてあるので、よかったら読んでください。
あまりにも遅い段階での活断層調査決定や、約束された住民説明会の不実行など、組合側の度重なる怠慢をまったく問題にしない一方、清水村長の発言だけを取り上げてあれだけぐるになって攻めた推進派議員たちを見て、正直言って目を覆いたくなった。これじゃ議会のチェック機能はどこへやら。上記のエンジェル議員のブログ記事を読んでコメントを投稿した読者は「何故そんなに建設をしたがるのか?」と不思議がっているが、無理もない話だ。

2007/08/16

地元住民の意見を聞く場を8月22日に

組合議会の特別委員会は8月10日の会議で、8月22日に建設予定地の地元3区(休戸、花場、大武川)の区長の意見を聞き取ることを発表しました。11日の長野日報の記事です:

(画像をクリックすると、長野日報のオンライン記事へ飛ぶ)

2007/08/13

富士見町全戸配布のチラシ

8月14日に、富士見町で全戸配布したチラシです。内容は灰溶融炉全般の問題と、柏崎刈羽原発の地震による被害を踏まえ、建設予定地周辺のきちんとした地質調査の必要性を改めて訴えてものです。一応、組合は8月3日の特別委員会で、査を行うことを発表し、10日の特別委員会でその中身について発表したが、「注文通り」の調査結果しか出さないコンサル会社や、いわゆる「御用学者」を使って済まそうとしないように目を光らせ続ける必要がある。

(画像をクリックすると拡大される)
表面

裏面

2007/08/10

同意書撤回ふたたび

8月3日の組合特別委員会の審議の中で、灰溶融炉の建設に対して休戸区と花場区から出された平成16年2月28日付の同意書と、今年に入って提出された同同意書の撤回について次のような議論が起こりました。(詳しい背景は下で説明しています):
...(つづきは下の「全文を読む」を押してください)

議員A: 休戸区と花場区は同意書を撤回しているわけだから、なぜその同意書を公開できないかを問題としている。
矢嶋副組合長: 撤回撤回と言うけれど、私どもはその撤回文書を受け取れませんという事で、それで治まっている。
議員A: 治まっていると言うのはどう言うこと?
矢嶋副組合長: 受け取れないと言って、それから反論が来ていないという事。
(中略)
議員B: その後、休戸区長は内容証明で、同意書を撤回しますという文書を送っているよね。
矢嶋副組合長: それも受け取れませんと言っている。
議員B: 内容証明を受け取れないというのは、内容証明を受取るときにお返しになった、という事?
矢嶋副組合長: 受け取ったものについて、承諾できません、という内容証明を送った。

矢嶋副組合長(南諏訪衛生施設組合長)は上記のような論理で、現在生きているのは同意書の撤回ではなく同意書であると言って
いる。地元住民の明確な意思表示をこれだけ露骨に拒否するのはその町長としてあるまじき行為だと言わざるを得ない。
幸い内容証明郵便の受け取りを拒絶したりすることでその内容が効果を持たないほど、世の中は甘くない。こういう風に書くと矢嶋町長はきっと例によって「理屈ばっかりやらんでや」と言うだろうが、ネットで検索したところ次のように言っている。

内容証明郵便は、いくら相手方が受取拒絶をしたとしても、内容を見ることができる状態にあったということになり、郵便物が到達したという効果は発生します。
こちらも: 意思表示が相手方の勢力範囲に到達すれば、意思表示としては有効ですので(民法97条)、仮に受取人が受取を拒絶しても効力に影響はありません。
民法97条は:隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
そしてしつこいようだが、念のためにこれも:
●相手方が内容証明を受け取らない場合があります(これは結構あります)。このような場合は、内容証明はそのまま、「受取りを拒否されました」(受取拒絶の紙)という付箋が付けられ、差出人に戻されます。
●受取りを拒否されても、相手方に届いたものとして扱われます。
●内容証明郵便の受領を相手方が拒絶した場合、内容証明郵便に記載された意思表示・意思の通知は到達したものとみなされる、との判断がなされています(大審院判決昭和11年2月14日)。
●受取拒絶となっても、「受取拒絶の紙が付いた内容証明郵便自体」が相手に届いた証拠(到達した証拠)となります。


考えてみれば、内容証明郵便の受け取りを拒絶したりしたことでその意思表示が効果を持たないなら、内容証明郵便という制度そのものの意義はなくなる。そもそもその郵便の内容を見たくない相手が、「そんな郵便はこちらに届いていないよ」と言い逃れないように、主に悪徳商法から消費者を守るための制度だ。この灰溶融炉の建設を推進している行政側は数多くの「不都合な真実」に目をつぶってきているが、休戸区と花場区の同意書撤回は動かぬ真実であり、内容証明郵便制度の意義を理解せずに受け取らないことでそれを無効にできると思っているなら、矢嶋町長は勉強不足だ。

<背景>
諏訪南行政事務組合の副組合長である富士見町の矢嶋民雄町長は富士見町と原村で構成されている南諏訪衛生施設組合の組合長でもある。休戸区と花場区は今年1月18日にその矢嶋南諏訪衛生施設組合長に対して、平成16年2月28日付の、灰溶融炉の建設に対する同意書を撤回する申し入れを行った。矢嶋組合長はその申し入れの受け取りを保留し、その後受け取れない旨を伝えたので、後日、両区長は同撤回の申し入れを内容証明で送った。これに対し矢嶋組合長は同意書の撤回を認めることはできない、と言う内容証明郵便を両区長に送ったと言っている。
実は休戸区と花場区は諏訪南行政組合に対しても同平成16年2月28日付で同じ内容の同意書を提出している。その同意書について、休戸区の区長は、南諏訪衛生施設組合に対して申し入れた撤回は諏訪南行政組合に提出した同意書に対しても当てはまるし、その意思が今年1月18日の当日からであることを6月15日付の文書で諏訪南行政事務組合に伝えた。
その諏訪南行政事務組合の同意書に対して、組合議員の一人であるエンジェル千代子富士見町町議は組合に対して開示請求をしているが、組合は不開示としたため、エンジェル議員はその不開示決定について不服申し立てをし、その不服申し立ては只今審査会において審査されている最中だ。

2007/08/04

最初にやるべき断層調査をやっと実行

8月2日に私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークと環境ネットワーク茅野は諏訪南行政事務組合とその議会の特別委員会に対して、灰溶 融炉建設予定地の断層調査を行うように要望書を提出しました。8月3日に開かれた特別委員会の席で、組合長の柳平千代一茅野市長は断層調査を早急に実行 すると発表しました。 そのニュースは今日、8月4日の長野日報の1面に載りました:

画像をクリックすれば、ウェブ記事へ行く


私たちの組合長に対する要望書はここ。特別委員会に対する要望書はここ
環境ネットワークの組合長と特別委員会に対する要望書はここ

私 たちは去年から、信州大学の小坂教授(副学長、地質学)のご協力を得て、予定地周辺の地質調査を行い、いくつもの断層を現場近くで発見しています。その中に活断層である可能性が高い断層が含まれています。この結果を踏まえて、私たちは組合に対して繰り返し、徹底した地質調査を行う必要性を訴えてきま した。しかし、残念ながらちっとも耳を傾けてもらえませんでした。
...(つづきは下の「全文を読む」を押してください)
そのために私たちは指導の立場にある長野県に対しても、事情を説明し、組合に地質調査を行うように要望しました。この件について、7月11日の特別委員会での議員の追及に対して、組合は、業者が決まったら、その業者に調査をさせること、この旨を近いうちに県に説明すると答えました。
上記の要望書にも書いてあるように、業者が調査を行うことには何の意味もありません。予定地選定にはきちんとした地質調査は不可欠で、その調査を行うのは当 然ながら組合の責任です。本来とっくに行っているはずなのに、それを頑として拒んできたのは、「ああ、なるほど、調査をしないのは、活断層が発見される可 能性が大きいからだ」と不審に思われても仕方がありません。
組合長は断層調査に踏み切った理由として柏崎刈羽原子力発電所の地震の被害をあげました。私 たちや環境ネットワーク茅野も要望書の中で同被害に触れて要望しましたが、それらの要望書が組合の重い腰を上げさせるのにどれだけの効果があったかは不明で す。要望書は昨日の特別委員会の前日に提出され、特別委員会当日の地元の新聞にも取り上げられましたが、もしも要望書を提出していなかったら、組合は果た して調査をすることにしたでしょうか。
いずれにせよ、組合はやっと、行って当然のことを行うことになりました。問題はどれだけきちんとした調査を行う かです。こうした地質調査にはすでに行われている予定地内の簡単なボーリング調査や、岡谷市が新病院予定地選定にあたって行った活断層 トレンチ調査から、周辺部の斜面や河川を歩き河床や護岸に露出されている地層を調べ、詳しい断層マップを作成する調査まで、色々あります。しかし、柏崎刈羽原発にあれだけのダメージを与えた活断層がボーリングやトレンチ調査だけで発見できたかは非常に疑わしいです。今回の地震で得た教訓の一つは、なるべく広範囲で詳 しい地質調査の必要性です。組合がやると言った以上、今回こそ、地元住民の立場に立った徹底的なものにしていただきたいものです。

2007/06/22

地質調査 県への要望書

ご存じのように、諏訪南行政事務組合は、自らの生活環境影響調査では灰溶融炉の建設予定地周辺は「地質が脆弱なうえ急傾斜地のため、ここを流れる河川は激しい洗掘により崖状の侵食谷を形成しており、山地災害を起こしやすい地形」としているにもかかわらず、詳しい地質調査を行っていませんし、行う予定もありません。

私たちが専門家の協力を得て行った独自の現地地質調査では、断層をいくつも確認しました。組合が詳しい調査を行わないというのは、行った場合、活断層の発見がほぼ確実だからだと思われても仕方がありません。もっとも、地元住民の安全を第一に考えて計画を進めると言いながら予定地の地質調査を行わないのは矛盾しているのではないでしょうか?

県民の生命と安全を守る立場である長野県は建設に関する補助金(循環型社会形成推進交付金)の申請や認可について関係しているので、上記のような矛盾を正すために私たちは6月22日に村井仁県知事に、諏訪南行政事務組合に対し、灰溶融施設建設予定地周辺の活断層について調査を行うよう指導を求める要望書を提出しました。

2007/06/18

地元地区のアンケート結果チラシを配布

先月下旬に行った灰溶融炉建設についてのアンケート調査の結果を伝えるチラシを作りました。これからご協力をいただいた地区で配布する予定ですが、取り急ぎここで掲載します

2007/06/07

地元地区のアンケート 途中結果

先月下旬に灰溶融炉建設予定地周辺で一番影響を被ると思われる区の住民に対して、灰溶融炉建設についてのアンケート調査を行いました。まだ途中ですが、その結果を掲示します。
アンケートの対象区は次の通りです:
休戸、花場、若宮、木ノ間、横吹、栃の木、瀬沢、先能、机、平岡、神代、上蔦木、下蔦木
配った枚数は588枚で、回答率は今のところ14%以上。(一部空家の可能性がある家屋にも配られたので、実際の回答率はもう少し高いと思われる)ご覧になれば分かっていただけると思いますが、7割以上の回答者ははっきりと建設反対を表明しています。または8割以上は建設を心配しているし、7割近くは組合の説明が不十分だとしています。多くの回答者から貴重な意見も頂きました。アンケートへのご協力、ありがとうございました。
なお最終結果をまとめた次第、また発表します。

2007/05/06

環境省:灰溶融炉建設計画は「変更も可能です」

灰溶融炉の建設費のうち、3分の1は国からの交付金で賄われます。灰溶融炉を建設する為に、その交付金をすでに使って旧焼却施設を壊しているので、もう後戻りはできない、と組合側は言っていますが、そんなことはありません。
去る2月27日に「八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワーク」の有志11名で、交付金を出す環境省に行って要望書を提出して来ました。(要望書の内容などについて、同行したエンジェル千代子富士見町町議会議員はホームページで詳しく紹介しているので、こちらで見てください。)
そこで、環境省の担当から、今回交付される循環型社会形成推進交付金について、「灰溶融炉ではない施設への変更が今からでも今からでも可能」とのお話を伺って来ましたので、肝心な部分を下記で紹介したいと思います。

住民有志 :循環型社会形成推進交付金とは…?
環境省担当:(中略) …これは補助金に比べて自治体の裁量が高まっていますので、市町村がそのようにご判断されれば、我々の制度の範囲内であれば支援していくという事でやっています…(中略)

住民有志 :交付金の変更について
環境省担当:(中略)…別に灰溶融炉を一回決めたから作ってくださいってことでもないですし、断ったから二度と循環型交付金でもう二度と支援しませんよってことでもありません。…(略)

住民有志 :灰溶融炉ではなくてもいいんですね?
環境省担当:もちろん構いません。リサイクルセンターとか分別するとか…(中略)

住民有志 :たとえば生ごみを運んでバイオガスの施設をつくる施設は可能ですか?
環境省担当:もちろん、メタン発酵させて回収して使うって言う事業はとても良い事業だと思います…

住民有志 :ここまでいったらもうダメですというようなタイムリミットはありますか?
環境省担当:そういうものは特にないですよ。

住民有志 :枠の中で変更も可能ですか?
環境省担当:はい、変更も可能です。

住民有志 :先進的なモデルだと2分の1でるらしいけど、今からでも3文の1が2分の1になる可能性はありますか?
環境省担当: あります。ただ、私たちの予算の限られていまから・・・(中略)

2007/03/29

小林峰一を応援しています


「八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワーク」の呼びかけ人の一人である小林峰一さんは県議会に挑戦することになりました。
詳しくは:http://minekazu.com/
リーフレットも掲示されています。
勝手連もできて、ブログもできました。
村井県政になってから長野県は果たしてよくなったんでしょうか?3月に発表された行財政改革プランでは、数百人の教員削減と数十人の警察官増員が打ち出されています。大きな疑問符が付く大型公共事業も再開されそうです。こんな県政に目を光らせてくれる見張り番として、小林峰一さんのような人は絶対に必要です。全面的にその挑戦を応援しています。峰一さん、頑張ってね!

灰溶融施設予算を可決

長野日報の記事です。
(画像をクリックすると、オンライン記事へ飛ぶ)


同日、ネットワークのメンバーは建設中止の要望書を矢崎組合長に提出しました。

昨年10月の説明会以来、矢崎組合長との久しぶりの対面でした。
組合は3月中にまた説明会を開くと言う約束を忘れているようです。
本議会前の全員協議会の席で組合長は一般住民のための説明会はもう開くつもりがないというようなことを言いました。私たちは説明会でダイオキシン測定法、重金属の危険性、事故の可能性、コストの問題、スラグ利用による土壌汚染などについて疑問をぶつけてきましたが、組合はそれらの疑問に答えないまま、一般向きの説明会を終了し、計画を強引に進めようとしています。この段階でさえ説明責任を果たしていない組合は、施設ができてから生じうる事柄について果たしてきちんと説明責任を果たすでしょうか。説明会を開くと言う簡単な約束さえ守れない組合は公害防止協定などで色々約束しても、信頼できるでしょうか。

2007/03/22

組合の情報公開体質

諏訪南行政事務組合が実際に灰溶融炉を建設した場合、万一の事故や故障等を含め、運転状況についての情報を入手しようとしても、果たして公開されるものだろうか?
この間、富士見町のエンジェル千代子町議の組合に対する情報開示請求の結果を見た限り、組合は都合の悪い情報を絶対公開しないと言う事がよく分かる。「非公開」と言う3文字は組合の体質を象徴していると思われる。
公害防止協定を結ぶ上でも、情報公開の徹底はもっとも肝心な課題の一つ。組合が積極的に運転状況を示す情報などを開示しないと、いかなる協定を結んでも意味がない。構成自治体の議員に対してもこれだけ情報公開を渋っている組合と公害防止協定を結ぶ事はやはり危ない。

2007/03/10

3月8日発行のチラシ (katsudo)

3月8日から10日にかけて予定地の地元区や落合地区でポースティングしたチラシです。最近木の間、若宮、横吹がいよいよ「関係区」と認められたか、公害防止協定を結ぶ動きが出てきたので、急遽その3区でもポースティングをした。今回のチラシは花場区、休戸区の建設同意書撤回と計画中止要求や大武川区のアンケート結果など最近の地元の動きを紹介するほか、溶融施設に関する全国的なニュースをも紹介する読み甲斐たっぷりのものです。ぜひとも一読!
(画像をクリックすると、pdfが開く)

木の間、若宮、横吹の3区も公害防止協定調印を見送る

先週、木の間、若宮、横吹の3区の中に組合が提示している公害防止協定の締結を検討する動きが始まったと言う情報が手に入り、急遽、以下のチラシを3月5日に3区でポースティングしました。それが功を奏したか、7日に組合の説明を受けた3区の区長や役員の方々はとりあえず調印しない事を決めたようです。
(画像をクリックすると、pdfが開く)

2007/03/03

灰溶融炉の不都合な真実:最近のニュースより

米元副大統領アル・ゴアーの「不都合な真実」と言う地球温暖化の脅威を訴えるドキュメンタリー映画がアカデミー賞も取り、話題になっている。灰を溶融するために必要な、莫大な燃料の量と、それを燃やす事で発生する多量の二酸化炭素を考えると、灰熔融炉も地球温暖化に大いに加担する施設だと言える。しかし他にも、溶融施設にまつわる数々の「不都合な真実」がある。最近のニュースから、そのいくつかを拾った。
まず、スラグの安全性を疑っているのは私たちだけではないようだ...

1月26日 毎日新聞
 宇都宮市大谷地区の採石場廃坑を、ごみ焼却灰を固めた「溶融スラグ」で埋め戻す特区申請計画について、佐藤栄一市長は25日の会見で、今後は大谷地区全6自治会の同意という申請条件を変更する意向を示した。
 特区申請は、今回を含め計9回見送られてきたが、いずれもスラグの安全性への不安などから複数の地元自治会が反対決議したため。佐藤市長は会見で「今ま でのルールでは、何度やっても申請が出来なかった。今後は、合意形成のあり方も検討したい」と述べ、来年度以降、全自治会の同意獲得とは別の方法で、同地 区の合意形成を図る可能性を示唆した。また、今月中が期限だった国への特区申請について、正式に見送ったことも明らかにした。


スラグはJIS規格ができても、その規格は酸性雨と言う現状を無視した、売り手側を最優先したもので、安全性を保障するものではない。この「不都合な事実」が多くの住民に知り渡っているため、スラグは売れない。売れないから、置く場所が必要で、宇都宮市のような自治体は商売にしようと思って特区申請をしたりするが、そこで案の定、その「不都合な真実」を知っている住民は反対する。
スラグの規格を今よりずっと安全なものにしない限り、これからも売れる可能性は薄いし、使ったところで反対運動が起こるだろう。が、今稼動している溶融炉では、重金属を取り除いた安全なスラグはできない。困ったもんだ。
それにしても、宇都宮市の佐藤市長はひょっとするとスラグよりも怖い存在かも、と思いませんか?
安全性とは別に、溶融炉がどれだけの金食い虫、そして行政が時々どれだけの判断ミスを犯すかを知りたい方は岸和田市、貝塚市の例をどうぞ:
岸和田市・貝塚市が「ごみ処理施設『勘違い』で53億円の負担増
しかし益々笑っていられないのは埼玉県寄居町にある「彩の国資源循環工場」での最近の出来事。

まず、住民との公害防止協定がきちんと守られていたらとっくに明るみに出てはずの、環境基準値の27倍の鉛検出。2月2日に明らかになったが、検出されたのはなんと去年の8月!ちなみに原因はその業者オリックス資源循環が「安心施設」と歌っているガス化溶融施設だった。(業者の言い分はここ。県の調査結果はここ
これを読めば分かるのは、溶かした焼却灰を冷やし固形化するため施設内を循環する水が、取り除かれずにその固形物(スラグ)と一緒に外部に漏れていた。同工場は我が組合でも歌っている、排水を外部に漏らさない「クローズドシステム」を採用しているが、あまりにも初歩的なミスで開いた口がふさがらない。業者オリックス資源循環に委託でプラントを操業しているのはJFE環境ソリューションズと言う、JFEグループの子会社。日本の先端技術を代表するような膨大な企業の傘下にある業者が重金属流出の可能性を事前に見破らなかったわけで、お粗末過ぎる事態だ。県は県で、調査をした結果、鉛が敷地外に流出した可能性は少ないという事で付近住民全員には特に知らせず、住民代表の環境監視員や寄居町に知らせただけだった。どうも情報公開体制こそが、なるべく「不都合な真実」を外部に漏らさない「クローズドシステム」のようだ。
この点に関して環境政策シンクタンク「環境総合研究所」の池田こみち副所長は「工場排水が工場外に出ないという『クローズドシステム』の破たんが明らかになった。先進的なモニタリングシステムでも、数値を“身内”でみて、都合よく評価していては意味がない。第三者機関が評価して、是正を求める体制が必要だ」と言っている。
オリックス資源循環の田中勝文社長は「せっかく事業機会を与えてくれた住民に申し訳なく深く反省している。今後は再発防止に努める」としている。
数日後、新たに基準の6.1倍のダイオキシンと5倍のホウ素が検出されていたことが分かった。埼玉県は1月25日までにこの事実を把握していたが、2月7日に開かれた、周辺住民で組織する監視員全体会で説明するまで、公表していなかった。ダイオキシンに関しては原因がまだ確定できていないようだ。
7日の説明会で 監視員らは「鉛の流出元が特定された昨年十月に、なぜ施設操業を停止しなかったのか。地元との協定書違反だ」と県を追及したところ、県は「(今回と同じような問題があった場合)間違いなく操業停止にする」と明言し、協定違反があったことを認めたそうだが、信用できるだろうか。
不正が何回ばれてもデータの隠蔽や改ざんを繰り返してきた原発業界と同じ体質ではないだろうか。「不都合な真実」は自らなかなか出したがらない。まず隠す事を考える。埼玉県は所沢のダイオキシン汚染の発覚から、全国で一番厳しい環境基準を設けているし、「彩の国資源循環工場」は最新の技術の集合体のはずだが、こんな有様だ。
しかも鉛やダイオキシンだけではない。同じ敷地の中の灰溶融施設では1月24四日に煙突から通常の6倍のカドミウム、六価クロムなどが流出していたことが2月22日分かった。この記事を読んで思ったことは(1)重金属を高濃度で含んだ煙が空中に放出されたのに、なんで「工場外には出ていない」と断定できるだろうか?そして(2)国は排ガス中の重金属について基準を設けていないが、この一件で分かったのは、「通常2時間で排出される成分が20分で出た」と言う事から、普段から灰熔融炉からたくさんの重金属が気化して排出されていると言う事。
私たちは前から、なんで重金属について基準を設けないかと公開質問状でも組合に問っているが、組合は「これまで4回開催しました住民説明会においてご説明させていただいております公害防止自主基準並びに国が定める各種基準を遵守してまいります。」と、全く取り合ってもらえなかった。国の基準がなくても、健康に深刻な被害をもたらす重金属は常に灰熔融炉の煙突から吐き出されていく。国の基準と言うのはその程度のものだ、と改めて思わせた記事だった。これも組合にとってもう一つの「不都合な真実」で、これからも、他の数々の不都合な真実と一緒にして隠し通そうとするに違いない。
彩の国資源循環工場は去年稼動を開始したばかりの最新施設。なのに、表に出たものだけで鉛やダイオキシン、カドミウム、六価クロムを吐き出している。きっと寄居町の住民も、私たちと同じように、計画段階の説明会などで「安全な施設を作るから心配は要らない」と言われてきたに違いない。その住民は今、約束された安全・安心、そして約束された情報公開がどれだけはかないものかを、身をもって知るようになったようだ。

2007/02/23

背筋が凍るような、地元住民無視の審議会決定

地元住民の反対を全く無視して、何が何でも休戸で灰熔融炉を作るんだ。
特に富士見町の矢嶋町長は、この姿勢は日に日に鮮明になってきている。
先日、都市計画審議会の委員の方々を前に、富士見町の職員は、委員の一人が建設計画に対する地元住民の疑問について聞いたところ、地元住民である花場・休戸の区の役員からは、
「町長の言うことを信じて協力するので安全なものを作ってくれと言われている」と説明したそうだ。
ひょっとすると灰溶融炉建設の相談を最初に受けた時、何も予備知識のないまま、そういうことを言った役員がいたかもしれないが、一ヶ月前の1月19日に、花場区と休戸区の役員は南諏衛生組合の組合長で、諏訪南行政事務組合の副組合長でもある矢嶋町長に対して、建設同意書の撤回と建設の中止を正式に要求したばかり。なのに、職員はその件に付いて全く触れなかったそうだ。
委員の方々も同意書撤回の新聞記事を読んでいるはずなのに、上記の職員の説明を受けて、さらに追及する委員はいなかったそうだ。なんだか背筋が凍るような話。わが町の行政は一体どういう方向に向かっているだろうか。
私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークのメンバーの一人は審議会を傍聴したが、以下はそのリポートだ...

2月22日に富士見町都市計画審議会が開催され、審議事項はごみ処理場の変更、汚物処理場の変更についてでした。

この審議会は、昨年の5月から延期されていたもので、延期理由は、灰溶融炉建設の説明会が継続となったため説明会の終了を待って開催するとの説明を、建設課都市計画係に当時受けていました。

説明会終了を待つ理由は、説明会などをすべて終わらせてから県に同意を求めるように県から指導されているためとのことです。

審議事項であるごみ処理場の決定については、灰溶融路建設の説明会が今後継続されると考えていたため、説明会はまだ終わっていないのではないかと事前に質問したところ、
「町役場としての説明会は終了したと判断している。」
「南諏訪清掃センターの説明会継続の有無については別の話」
以上の回答がありました。(2007/2/16 電話にて)

なお、今回の開催決定は町長の指示であり、開催起案の決裁には町長が判を押しているとのことでした。

以上のことから、町長は住民の理解を得たことにして県に同意を求める準備を開始したのではないかと感じました。
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2月22日

本日の都市計画審議会の傍聴をしてきました。

9時30分の開始予定でしたが、当日に現地を見に行くことに事務局が変更したらしく、戻ってからの審議となったため、傍聴は10:20~11:27まででした。

審議委員 10名
当日決定した審議会長 〇〇委員
事務局 3名
傍聴人 2名

今回の審議会の結果は、答申書として会議後すぐに町長に提出することとなることの説明が事務局からありました。

委員からは、この都市計画は灰溶融炉の建設が前提になるようだが住民の反対については解決していないのではないかという質問がありましたが、事務局(〇〇氏)の回答として、ゴミ焼却と汚物処理の施設を一体とする変更についての審議なので、住民の反対は関係しないという説明がありました。

別の意見として、灰溶融炉の建設に対して問題をもつ住民への説明会をしているが、なぜこの時期に審議会を開くのか、また、灰溶融炉の立地そのものに住民の理解や専門家の意見反映などの要望が意見書として出されているが、その見通しが立ったので、今回開催したのかという質問がありました。

事務局(〇〇氏)の回答は以下のとおりです。

地元住民である花場・休戸の区の役員からは、「町長の言うことを信じて協力するので安全なものを作ってくれと言われている。」との説明がありました。

町長が受け取らなかったという、休戸、花場地区の同意書撤回についての説明はされませんでした。

(画像をクリックするとオンライン記事が表示される)


また、事務局(〇〇氏)から「認めていただくようお願いします」という採決への誘導が数度ありました。

その後、各委員の発言があるもののほとんどが全面的に賛成意見であり「最高にいい都市計画だと思います」という表現の賛成意見もありました。

最終的に、挙手による採決があり全員一致での承認決定となりました。

その3分後には、議案が適当であるとの答申書が事務局から配布され、読み上げた上で答申書の決定となりました。

その1分後に、町長が会議室に現れ、答申書をすぐに受け取り「次の段階に進みたいと考えます」と言って会議室を出て行きました。(滞在時間3分)

その他の審議として、北通り線道路工事の計画が事務局から説明されました。図書館の入り口にあたる道路のようです。用地買収が完了したようですが、起債事業なので起債が認められなければ実施できない事業とのことでした。

以上が、本日の審議会の傍聴結果です。
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傍聴したメンバーに改めて傍聴の感想を求めたところ、次のように答えました:

行政職員が、個人としての良心を捨ててまで組織の意向を完璧に押し通して仕事をする姿を見ると同時に、住民のために働いているはずの行政職員が自分を守るためにどれだけ無責任な行動をしているかがよくわかりました。

また、田中県知事が県の行政を立て直したように、富士見町も町長になる人間の資質の影響は絶大だと思いました。

御代田町で溶融施設の見直しを訴えた候補が当選

任期満了に伴う北佐久郡御代田町長選が18日投開票され、新人の茂木祐司氏(50)無所属が3選を目指した現職の土屋清氏 (63)無所属を破り、初当選した。
茂木氏は、塩野地区に計画されているごみ処理施設計画や学校給食の共同調理化計画の見直しをアピールして選挙戦を展開。当選後には、軽井沢町、小諸市と共同で進めている可燃ごみ処理施設建設計画について「水源地であり、駄目だ」と白紙に戻す考えを表明した。

開票結果は次の通り。

茂木 祐司 (50)無新 4,333
土屋  清 (63)無現 3,215

投票率68.61%

2007/02/21

大武川の区民アンケート結果:区民の生の声

北杜市の大武川区が最近行った灰熔融炉建設についてのアンケートの結果をこの間掲載したが、今回はアンケートの「ご意見」欄に書いた意見を紹介したいと思います。

建設に賛成の意見(この二つしかなかった):

  • 現代化学の進歩により、建設側に於いては想像以上の研究を重ねた上の設置方針だと想います。 永遠に絶対安全とは言いがたいが、自然環境と住民の安全第一を考慮した上の設置だと考えます。
  • 行政側はこのことについて作業は60%位の進展はしていると思います。 建設地を釜無川でなくて、諏訪地方の山中に建設してもらって下さい。場所はたくさんあると思い ます。
建設に反対の意見(一部):
  • 大武川が一番最初に公害に遭う。(2件)
  • 絶対反対です。(6件)
  • 日時の経過とともに、安全性や矛盾点への疑念が強まり組合の不誠実な対応と相まって、建設すべ きではないとの確信が持てた。
  • 周辺の反対集落との結束を強め、無関心地城への浸透を図ると共に、粘り強く白紙撤回に向けて意 思表示をしていくべきだと思います。
  • 協定書は結ぶべきではありません。絶対に作ることに反対です。(2件)
  • 将来に禍根を残さない為にもべタベタと安易にハンコを押さない事。
  • 次世代の事を考えると(損害賠償など)以前の間題だと思います。この地域には住めません。
  • 危険な上に私達には全くメリットの無い施設なのに、その建設に安易に賛成するのはおかしい。また、大武川の住民に対する事務組合の対応にも誠意が感じられない。
  • 危険だと判っている物を造るコトにわざわざ賛成する理由が無い。効力の無い協定を結んで妥協するより、少しでも造らせない方向に考えるべきだと思う。
  • 公害防止協定は信用出来ない。絶対に締結しないようして下さい。(2件)
  • 公害の根本的解決の第一は汚染源をなくすことである。ダイオキシンも核の放射能も、みんな人間が造ったものだから、造るのをやめることが一番の解決策である。水俣病の二の舞になってしまうので、絶対に反対です。
  • ダイオキシンは非常に怖い物質です。絶対に公害防止協定に締結しないようにして下さい。この灰溶融炉ができてしまえば、大武川には住めなくなってしまう。
  • ダイオキシンは非常に心配がある。ダイオキシンの恐ろしさは、煤煙や焼却灰の中だけではなくて、それが土壌や地下水に浸みこんだり、川に入りこんで、野菜や米を汚染して、徐々に人間を侵してゆく、その連鎖の恐ろしさにある。白紙撤回を求めます。
  • 空気中に拡散したダイオキシンが、雨で地表に落ちて周辺を汚染する。大武川の水道の取水池は無防備のままだし、農業用水や生活用水は4ケ所を、釜無川から取水している。大変に心配であり、反対します。

灰溶融炉建設は、いったい何のため?(その3)(kaisetsu)

小林桂子さんは環境会議・諏訪の「月間環境会議通信」(2007年3月初め発行)に掲載される「灰溶融炉建設は、いったい何のため?」の3回目の原稿をいち早くここで掲載します。
小林さん3回目を次のように締めくくっています:
「それにしても、私たち「ごみ問題を考えるネットワーク」だけではなく、建設予定の地元、休戸区、花場区、大武川区が建設の反対を示しているというのに、もうすぐ、4月に任期の切れる組合長や組合議員が、住民の反対を無視して、強行的に建設決定を下すなんてことが、もし、あるとしたら、今の時代、許されるのだろうか?
この際、住民の健康、財政、環境を考えて、灰溶融炉は中止にして、対立をやめ、仲良く、公民協働で真剣にゴミのことを考えていけたら、さぞ理想的な地域になることだろう」
全く同感です。なお1回目2回目もぜひ読んでください。
ついでに、地元地区の反対について、富士見町町議のエンジェル千代子さんも書いていますので、これもぜひ読んでください。


以下は小林桂子さんの文章です。
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(その3)  コバヤシケイコ

 2月17日のデモは、参加者50名、前回より小軍団になったが、若手のジャンベ隊の活躍は、すごかった。人気のない静かな茅野駅前通りをかなり盛り上げてくれた。今回撒いたチラシは120枚、でも誰ひとり「灰溶融炉」という言葉すら知らなかった。そして、「ゴミ問題のことです。」と手渡そうとしても、拒否されるケースも多々あった。多くの市民は、自分の出すゴミのことなど、関心がないのだろう。

また、灰溶融炉の話しをすると、少なからずの人から、「だって自分たちでもゴミは出しているからねえ」という返事が返ってくる。自分の出したゴミが、どこでどのように処理されて、環境にどのような影響を与えて、最終的にどこに行ったのか?そして税金がいくら使われたのか?などということは、だれも考えないのかもしれない。そういえば、食べ物だって、そうだ。自分の食べている物が、どこでどのように作られてなんて、興味がないのが普通かもしれない。でもいくら普通とはいえ、見えないものが怖いことだと気づき始めているのではないだろうか?
 私は、普通ではないので、生きるうえで一番大事な食べ物には、すごく興味があるし、自分の生活から出るゴミにも、いつも疑問が残っていた。だから、今回は、この問題でいろいろなことを知ることが出来て、感謝すべきなのかもしれない。
 例えば、各家庭で45リットルのゴミ袋を1袋、ゴミステーションに出した場合、回収、中間処理、最終処分場などの施設費まで含めると240円かかっているという。いや、管理型最終処分場などは、たった十数年分のゴミの灰なのに、毎年5000万円かけて今後700年は管理していかなくてはならないというから、実際はそれどころの額ではないだろう。なのに、多くの人は、ゴミ袋代1枚30円ほどの意識しかないのではないだろうか?
でも、それは、当然のことなのだ、知らされていないのだから・・・。行政や組合はそういったゴミに関する情報を殆ど住民に説明してこなかった。ゴミ減量の啓発をすることもなく、一番安易な選択肢の灰溶融炉を選んだ。もしかしたら、今頃、莫大なお金がかかり、危険性のある不完成の技術だと気がついているかもしれない。或いは、灰溶融炉導入は、最終処分場の延命にはならないかもしれないと、かなり不安を持っているかもしれない。
最近のニュースでも、「岸和田市では、灰溶融炉の稼動を前に、年間維持費が10億円に訂正されて、財政難の折、運転はかなり厳しい」とか・・不安をあおる。でも、実際は、殆どの事故、故障は、ニュースにはならない。市や施設側は、通報も公表もしたがらないのだ。現に静岡市の灰溶融炉爆発事故では、消防に通報したのは、爆発30分後、近くの住民だったという。なんと、市は稼動3ヶ月で炉内耐火物が9割もすり減っていたと、想定外の事故を強調している。
先日、ゴミ問題に詳しい岩佐恵美氏の講演会が富士見町であった。その講演の中で、「あちこち見学に行ったが、行く先々で、休炉していた。炉中に、大きなマリモや大蛇みたいな物体ができていたり、巨大な撹拌棒が折れたりで、原因は驚くことばかりです。」と言われた。やはり、想定外のことは未完の技術なのだから、あって当たり前なのだろう。
4月から、廃プラの分別回収が始まれば、3市町村のリサイクル率は、ますます開きが出てくるだろう。小さい自治体と大きな自治体と、どっちが有利だろうか?(それにしても合併しなくて本当にヨカッタ。)
 富士見の端っこに建設されようとしている「灰溶融炉」は、ハッキリ言えば、全体の76%のゴミを排出している茅野市のために造るようなものだ。その肝心の茅野市が、ゴミ減量化政策を真剣に考えていないことは、大きな問題だ。これから原村のゴミは劇的に減るかもしれない。だけど原村のゴミ排出量は、全体のたったの7%でしかない。
岩佐氏は「行政と住民の信頼関係が一番大切だ。住民が主体となって協力しない限り、ゴミ問題は解決しない。トップダウンは最悪だ。拡大生産者責任(製造者責任)も不可欠だ。」と締めくくられた。これから始まるゴミ減量化競争、原村で、私たちも大いに協力をしたいと思う。
それにしても、私たち「ごみ問題を考えるネットワーク」だけではなく、建設予定の地元、休戸区、花場区、大武川区が建設の反対を示しているというのに、もうすぐ、4月に任期の切れる組合長や組合議員が、住民の反対を無視して、強行的に建設決定を下すなんてことが、もし、あるとしたら、今の時代、許されるのだろうか?
この際、住民の健康、財政、環境を考えて、灰溶融炉は中止にして、対立をやめ、仲良く、公民協働で真剣にゴミのことを考えていけたら、さぞ理想的な地域になることだろう。

2007/02/14

17日に茅野市でデモを行います!

2月17日に茅野市内でデモ行進をすることになりました。
地元区である休戸、花場、大武川が建設に反対する中、組合はこのまま灰溶融炉の建設を強引に進めるのでしょうか?
安全性や経済性など様々な問題をかかえたままの灰溶融炉建設をいったん白紙に戻すよう訴え皆で歩きたいと思います。


午後1:00茅野市民会館イベントスペース(駅東口)に集合
プラカードや楽器など各自自由にご用意ください。
お子さんの参加も歓迎します。

2007/02/10

岩佐恵美 講演会

「灰熔融炉の中止を求める会」は2月18日、午後1.30 時から富士見の町民センターで、前国会議員でゴミ行政の専門家、岩佐恵美さんの講演会を開催する。岩佐さんは国会でも熔融炉推進政策に疑問をかけた方で、非常に有意義な話をすると思う。行政側、推進派を含め、多くの方がこの貴重な機会を活用し、灰熔融炉問題について理解を深める事を期待したい。


岩佐 恵美(いわさ えみ))
1939年、上海生まれ。
日本生活協同組合連合会消費者活動課長、全国消費者団体連
絡会幹事を歴任。
1979年から日本共産党衆議院議員四期。 1998年から参議院
議員一期。 日本共産党中央委員会 市民・住民運動局長。
著書『立ち上がる消費者』(汐分社)、『今日を力いっぱい
生きる』(あゆみ出版)、『これ食べていいの』(新日本出
版社)、『ゴミ問題こうして解決』(合同出版)、『スツキ
リわかるごみ問題』(新日本出版社)

2007/02/06

大武川区、アンケート結果の衝撃(組合にとって)

北杜市大武川区は灰溶融炉建設計画に関して区民の成人106名を対象にアンケートを行ったが、その結果は組合にとって大変厳しいものだ。「危険度が高く全く反対である」と答えた区民はなんと97名、全体の91.5%。
このアンケート結果に基づき、大武川区は諏訪南行政事務組合に対し、建設の白紙撤回を求めたそうだ。これで、組合が言う「地元4区」にうち、花場区、休戸区と大武川区と言う3区が、事実上建設反対を表明している。
このようなアンケートで住民の意識をきちんと把握した大武川区に敬意を表したい。川路地区でも同じようなアンケート調査を行った場合、どんな結果が出るだろうか。
大武川区のアンケートの「ご意見」欄にも、大勢の区民は意見を書いた。バランスよく賛成と反対の意見をここでも紹介しようと思ったが、賛成意見は2つしかなく、反対意見は37つもあった。そこでとりあえず数字的な結果を紹介することにした。
こうした結果を受け、組合の地元住民に対する誠意ある態度を切望する。

画像をクリックすれば拡大表示されます。

2007/02/02

灰溶融炉建設は、いったい何のため?(その2)(kaisetsu)

2回目か3回目の住民説明会だったと思う、矢崎組合長は「「なんで原村の人が反対するのかわからないね」と言いました。本来なら、説明しなくてもそのぐらいのことは分かるはずだが、小林桂子さんは環境会議・諏訪の「月間環境会議通信」(2007年2月初め発行)に、前回に続いて、今回は原村の村民としても休戸の灰熔融炉建設計画に反対する理由がたくさんある事を分かりやすく説明しています。八ヶ岳周辺のごみ問題を考える会のメンバーでもある小林さんの了承を得て、下記に同文章を掲載します。

以下は小林桂子さんの文章です。
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 12月23日(土)は、デモ日和だった。午後、富士見町役場に集合して、中心街を1時間半ほど練り歩いた。皆それぞれに、「灰溶融炉は、高い、危険、要らない」「きれいな水と空気は富士見町の宝だ」「ゴミは資源、分別とリサイクル」「地球規模で考えよう」などのお手製のプラカードを掲げてワイワイと・・・。参加人数は75人、家族連れを初め、8ヶ月の妊婦さん、リハビリ中で松葉杖を使って参加してくれた人、そして何より雰囲気を盛り上げてくれたのは、若手のジャンベの演奏だった。

このデモで、どれくらいの影響があったかは、わからない。だけど、何もしないよりはずっといいし、行動することは大切だということが気持ちで納得できた。

実は、灰溶融炉の建設予定地と私が住んでいる場所は10km離れている。だれだって直接の被害はないと思うだろう。だから、どうして建設に反対しているのか、理解に苦しむ人が多いようだ。住民説明会でも、茅野市長が「なんで原村の人が反対するのかわからないね」と、発言を批判する態度を見せている。そこで、私がなぜ反対しているのか、まとめてみた。
  • 灰溶融炉を建設したところで、最終処分場の延命にはならない。灰溶融炉が稼動しても、スラグが売れない場合は最終処分場にもどすことになる。減容効果は期待できないので、すぐに新しい最終処分場が必要になる。(造るのに10年かかると言われているので、たぶん委託になるだろう)その上23億円の建設費は、稼動実績がなければ、国に返還しなくてはならない。(実際に、ランニングコストが高すぎたり、スラグが売れずに休炉している施設が日本に何ヶ所もある)
  • 年間3億円(あくまで基本)のランニングコストがかかる。特に原村の場合は、住民1人当たり5600円の増負担になり、茅野市民1人当たり3300円に比べ、自治体間の不公平がある。まして、全体の80%が茅野市の排出するゴミである。
  • 重金属を含んだ不安定なスラグを公共事業で使うことになれば、危険物質が町中全体に散らばる形となり、さらに将来への負の遺産を増やすことになる。
  • 蒸気とともに大気中に有害重金属や猛毒なダイオキシン類似物質が排出され、広範囲で自然環境や人体にかなりの悪影響を及ぼす。1,300℃にもなる炉はクローズドシステムで川に排水しない代わりに、煙突から毎日60tもの蒸気を出す。
  • 地球温暖化が深刻になる中、無駄な施設に石油資源を湯水のごとく使おうとしている。(年間の燃料代は数千万円を超えるかも)
  • 組合側のゴミ政策がまるきりない。ここ数年間、組合はゴミ減量化対策を何もせず、周囲からかなり遅れをとっているにも拘らず、未だに本気で減量化を考えていない。灰溶融炉を造ることだけに専念している。
  • 候補地は他になく、富士見の休戸に決まっていた。急斜の山あいで、すぐ隣は深い渓谷で、地質も脆弱で、活断層もそばにあるようだというのに、組合は、4000万円もかけて実に簡単な生活環境影響調査をし、200万円もかけて超簡単なボーリング調査をした。その結果、敵地だと判断した。本来なら候補地は、数ヶ所必要だろう。自分のそばにくると思えばこそ、議論もし、ゴミの減量化にもつながるものだ。現在、ほとんどの市民は灰溶融炉の言葉さえ知らない。
私は、以上のようなことが納得できない。そうは言っても世の中、納得いかないことが多く、どんどん悪化の傾向にある。だからこそ、今、日本中で、それぞれが、身近な問題を解決すれば、きっと日本の将来は明るくなるだろうと思う。そしてそれは、責任でもあるはずだ。

ここ1年間、この活動をする中で、建設予定地にも何度か通い、また、チラシを持って周辺地区をよく歩いた。いい所だなぁというのが、感想だ。山と川がすぐそばにあって、ゆったりとした空気があり、里山そのものだ。決してあきらめないでほしい。住宅街の平地には、ゴミ処理施設は作れないが、数十軒の山あいなら、文句も出ないだろうというのもおかしな話だ。始終「安全な施設ですから安心してください」と説明しているのに・・。

先日、地元の休戸区が建設に反対を表明した。富士見町長は、「そんなの無視すりゃいい」と強気だが、さて茅野市長は、どう出るだろうか?やっぱり、茅野でもデモしなきゃならないのかな?
  • デモのお知らせ[2月17日(土)13時茅野駅東口集合]   (問合せ090-2333-3593)

真澄も休戸区と歩調をあわせるそうだ

宮坂醸造(株)の担当者に灰溶融炉の建設に対してどう考えているか質問したところ以下の返答がありました。

当社としても業種柄出来れば建設されないほうが有り難いと思います。現在は状況がはっきりせずにおりますので、基本的には休戸区と歩調を合わせて行くことにしております。

2007/01/27

公害防止協定書の調印 またも頓挫?

2月4日の調印を組合が申し入れたが...

昨年12月24日に公害防止協定の調印に失敗した諏訪南行政事務組合は関係区に対し、2月4日に改めて調印を行いたいと申し入れをした。

この件について現時点での確かな情報として、北杜市の大武川区は調印しない。また、1月21日に富士見町落合地区の区長会があり協定について協議したそうだが、先能と烏帽子は調印に賛成したものの他区は反対。落合地区としては、歩調をあわせる申し合わせがあることから2月4日の調印は行わないようだ。

組合の公害防止協定は事実上の建設同意書だ

考えてみれば、調印しない事は当然の成り行きだ。(つづく)

第一に、組合が提示している協定書は法的に住民の安全を保障するものになっていない。むしろ住民の安全保障をあたかも避けるかのような極めて不十分で曖昧な内容で、ゴミ弁連会長の梶山正三弁護士や前衆院議員の木島日出男弁護士という二人の権威が点検し、「万一の時には全く役に立たない」とそれぞれ同意見に達した。こんな協定を結んでも住民にとって良いことは何もない。

しかし、組合は「調印=地元の理解を得た」と言う解釈の元、締結と同時に一気に建設計画の実行に移りたいから、喉から手が出るほど協定書の締結を望んでいる。組合は「公害防止協定は住民の要望で、それに応えようとしているだけ」と言うだろうが、協定書の中身の無さと欠点の多さを見ると、むしろ住民のその要望を逆手にとって、建設計画の推進に利用しているとしか思えない。つまり協定書は一種の建設同意書だ。調印してしまうと、後は組合は建設を強引に進めてくるだろう。

深まってきた住民の認識

少なくとも機種が決まり、細目が提示されるまで締結する必要は全くないし、協議もせずに一方的に協定書を作成し、「調印しろ」と押し付けているのは許される事ではない。そもそも「協定書」なるものは組合と住民の双方の協議を繰り返しながら内容を決めていくべきだ。こう言う当たり前なプロセスを踏まずに中身のない協定を締結させようとしている組合はやはり信用できない。

梶山先生の講演会など、この問題に関して知識を深めるのに有意義な会合に落合地区からの出席者が少なかった。その背景に、組合からの戒厳令が敷かれたと言う話も聞いている。組合はそれだけ、都合の悪い情報が地域住民の耳に入ることを恐れ、締め付けに躍起になっている。

それでも、時間の経過とともに、地域住民の認識が深まり、組合が提示した公害防止協定だけではなく、建設計画そのものに対する疑問も確実に広がってきた。

同意書を撤回した地元2区の気持ちを尊重

そしてこの間、休戸区と花場区は2004年に調印させられた同意書の撤回を正式に申し入れ、灰溶融炉建設計画の中止を求めた。この事も周囲の関係区の調印への態度に影響を及ばしたはずだ。実際に「地元区が反対しているのに、我々が建設を前提とした協定を結ぶわけには行かない」と言う声を聞く。

組合の反発を考えると、休戸区と花場区の同意書撤回は大変勇気の要る決断だった。常識では、その地元中の地元住民の気持ちを無視し、協定書に調印することは考えられないし、落合地区などの関係区の住民がそんな人の道に反することができるはずがない。地元両区の同意書撤回にも係らず、組合は「同意書と協定書は違う」と言って、関係区にそんな理不尽なことを迫っている。

繰り返しになるが、組合が提示している協定書は事実上の建設同意書だ。地元中の地元が反対しているのに、そんな書類に判を押す方がおかしい。つまり、関係区が調印を渋っているのは人情上の観点からも、筋が通っている。その姿勢をぜひとも最後まで貫いていただきたい。

2007/01/19

漫画チラシ第6弾!

新年初めての漫画チラシ、運動を開始してから6号目をお届けします。
例によって爽快なペースで鋭い指摘満載です。ぜひ一読を!
画像をクリックすると拡大される。
(1)


(2)

(3)

(4)




ビッグニュース!地元区は建設同意書を撤回!

今日1月19日の長野日報の3面に「建設同意書 撤回を」と言う大きな見出しの記事が掲載されました:
(画像をクリックするとオンライン記事が表示される)


記事の中にも説明されているように、花場区と休戸区がこの同意書に判を押したのは、あくまでも「デスクワークとして準備作業まで反対するものではない」と言う意味で、施設建設の『白紙委任』ではなかった。しかし同意書の文面は実際に「旧焼却施設を解体し、同地に灰溶融施設を建設する事を同意する」となっている。この同意書の位置付けについて地元住民と組合の理解にはかねてから隔たりがあった。そう言う意味で、地元住民が同意書の撤回を求める事は当然だ。理解しがたいのは矢嶋副組合長のその要求に対する受け取りの保留だ。住民が自ら判を押した同意書だから、「撤回申し入れ」は事実上「撤回」と同じことだ。その受け取りを保留しても関係ない。しかも、同意書に調印した当時に比べて、灰溶融炉の危険性、環境への影響について理解を深めてきた休戸区と花場区は併せて建設計画の中止をも求めた。これは事実上の「建設反対」表明だ。組合は、地元中の地元の建設反対を真摯に受け止め、灰溶融炉建設以外の解決策を真剣に考えていただきたい。

2007/01/17

灰溶融炉の中止を求める会が協定書の問題点を指摘

去年の12月にもう一つ、休戸での灰溶融施設建設計画に疑問を抱く「灰溶融炉の中止を求める会」と言う新しい住民グループができました。このグループの誕生を、私たちは大変心強く思っており、協力できるところがあれば、これから協力していきたいと思います。

さて、灰溶融炉の中止を求める会は年開け早々の1月5日に若宮区の公民館で、前国会議員で弁護士の木島日出男先生を呼んでの大変有意義な会を開きました。木島先生は岡谷市のご出身、数十年前の休戸でのし尿施設建設の時も地元住民の相談に乗った経験をお持ちで、驚くほど地元の事情に詳しいく、分析も大変に鋭いのもでした。(つづく)

もう一つ鋭かったのは、「灰溶融炉を求める会」が作成し、5日の会で配ってくれた「協定案の問題点」と言う資料です。なるほど、契約書や協定書なるものはこう言う風に読み取らないといけない、とつくづく思いました。例えば、協定書の冒頭は「○○区(以下「甲」という。)と諏訪南行政事務組合(以下「乙」という。)とは、乙が長野県諏訪群富士見町富士見5240番地外に設置する諏訪南灰溶融施設(以下「灰溶融施設」という。)に関して、富士見町長及び原村長を立会人として次のとおり公害防止協定を締結する。」としています。私たちはこれをさりげなく読み流して本文へ進んでしまったのですが、「灰溶融炉を求める会」は「富士見町長と原村長が「立会人」となっているが、第三者(弁護士など)が「立会人」としてふさわしいはずですが、建設する側が「立会人」というのは如何でしょうか?」と言うご尤もな指摘をしています。

また「(住民の安全及び生活環境保全のための措置)
第5条 地元委員会は、灰溶融施設を原因とする地域住民の安全上又は生活環境の保全上の支障が発生するおそれがあると認められるときは、乙に対し、その支障発生の防止のために必要な措置を求めることが出来るものとする。
2 乙は、前項の規定による請求があったときは、直ちに必要な措置を講ずるものとする。」
に対しても、灰溶融炉の中止を求める会は次のように指摘しています。
  • 灰溶融施設を「原因とする」「認められる」とありますが、これまでの裁判の例では、この因果関係を認めさせるのが一番の困難となっています。組合側が「原因と特定できない」といえば、結局住民側が立証する責任を負わされることになります。
  • 必要な措置を講ずる」となっていますが、「必要な措置」の中身があいまいです。

  • 先月、梶山先生の協定書に対する分析を紹介しましたが、「灰溶融炉の中止を求める会」はその分析に肉付けをして、組合が住民に突きつけた協定書がいかに不十分で、住民を不利な立場に立たせるかを明確に示してくれました。「協定案の問題点」をぜひ一読下さい:
    http://fujimi.mond.jp/files/kyoteishomondaiten.pdf

    2007/01/12

    住民説明会はいつ開かれるのか?

    昨年の10月21日に第4回住民説明会が開催されてからもうすぐ3ヶ月になります。
    前回の説明会において矢崎組合長は、再度住民説明会を行うと約束しています。
    本日、説明会の予定について諏訪南清掃センターの西澤所長に電話で聞いたところ「今のところ未定です。」と返答がありました。
    未定とはどういうことですか?遅れている理由を教えてくださいと聞いたところ「未定は未定です。」と答え一方的に電話を切ってしまいました。
    私たちの税金を使い住民のために働く立場にある行政職員がこのような態度で良いのでしょうか?職員に対する教育が不十分であると感じました。
    住民説明会は、住民からの疑問に答え組合が説明責任を果たす場所です。住民はまだ多くの疑問を持っています。延期の理由を明確にし、早期に説明会が開催されるよう要求したいと思います。

    2007/01/09

    花場区も公害防止協定には調印しない

    花場区は、8日に開かれた初区総会において公害防止協定の取り扱いについて協議し、休戸区にならう方針を決めた。休戸区は既に公害防止協定に調印しない意向を明確にしているので花場区も協定書への調印を拒否することになる。

    2007/01/07

    休戸区が公害防止協定を拒否

    1月5日に「灰溶融中止を求める会」主催による灰溶融炉問題懇談会が若宮区公民館で開催されました。
    花場区や大武川区からも多くの参加者がありました。その席上、休戸区長の大橋利彦さんより、「休戸区は公害防止協定に判をつくことはしない」との発言がありました。
    休戸区が多くの参加者の前で協定書の調印を拒否する意向を明確にしたことは、今後の運動にとって大きな励みとなることでしょう。今こそ、灰溶融炉の中止に向けて力をあわせましょう。

    2007/01/06

    灰溶融炉建設は、いったい何のため?(kaisetsu)

    環境会議・諏訪の「月間環境会議通信」(2007年1月初め発行)に小林桂子さんが灰溶融施設の意義に疑問を投げかけています。八ヶ岳周辺のごみ問題を考える会のメンバーでもある小林さんの了承を得て、下記に同文章を掲載します。
    灰を溶融化によってその容積を減らす事が灰溶融施設の一番の目的なので、その効果のほどはもっとも大事なテーマだが、それと別に、小林さんが指摘する笹原の最終処分場の覆土問題にも注目したいです。もしも諏訪南行政事務組合が法律で義務付けられている覆土を行っていなければ、灰溶融施設の運営をさせることは益々不安です。
    これを含めて、組合に聞きたい事、説明してもらいたい事はまだたくさんあります。前回の説明会からそろそろ3ヶ月になりますが、組合から次の説明会の予定は未だに発表されていません。矢崎組合長は「説明責任をきちんと果たす」と繰り返し言ってきましたので、次の説明会をなるべく早く開いてもらいたいです。

    以下は小林さんの文章です。
    =======================================

    灰溶融炉建設は、いったい何のため?      コバヤシケイコ

     諏訪南行政事務組合が計画している灰溶融炉に関する勉強会、活動を始めて、ちょうど1年になる。いろいろと知れば知るほど、危険で、無駄なもので、環境には最悪で、莫大な財政負担を強いられるという救いようのない施設だということがわかる。それなのに、建設中止に持っていくことが難しい。つまり、この問題は、日本社会の悪しき仕組み(国庫補助依存体質、製造者責任の欠落、次世代や他地域、地球規模への配慮の欠落、新技術の過信、談合問題、使い捨て社会、市民不在のゴミ政策)にしっかりと、はまり込んでいるからだ。

     組合が示す灰溶融炉建設の目的は、もうすぐ最終処分場が満杯になるので、それを掘り返して、溶融することにより減容化を図るということだ。当初の計算では、溶融すれば体積が10分の1になるというメーカーの触れ込みだったらしい。だから、溶融して再び埋め戻しても、数十年分は延命できる計算だった。しかし、実際に稼動を始めた施設を見てみると、あまり減っていない。ゴミ弁連の梶山弁護士の講演会の中にも「今の焼却炉は、それなりに性能がいいので、燃え残しがあまり出ないため、溶融しても減容効果はあまりない」ということだった。
     そして今、組合側は、溶融して出来たスラグを最終処分場に戻さずに、公共事業で路盤材などに使うので、最終処分場の延命はできると言っている。だが実際は、製品スラグにならないものがかなりある。溶融不適物と溶融飛灰は、最終処分場に戻すことになっていて、あるメーカーの資料では、埋め戻しの割合は全体の4割以上になる。そして出来損ないスラグなども、結局は埋め戻すことになるだろうから、仮に、製品スラグが全部販売できたとしても、結局は、よくて10年位の延命にしかならないのではないだろうか?つまり、10年後には、また、最終処分場の問題が、どこかで持ち上がるのだ。新しい最終処分場ができるまでには、10年かかると言われているのに・・。
    また、逆に心配なのは、強アルカリ性の不安定なスラグが、路盤材に使われたとき、近年ますます深刻化する酸性雨に耐えられるのだろうか?また、車の往来により、道路は少しずつ削られ、スラグに含まれる猛毒の重金属が空気中にばら撒かれることになる。
    そんなに、危険性が疑わしいのなら、「やっぱり、無理して使わないで、最終処分場に戻そう」ということに、普通はなるはずだ。しかし、そうすると目的の最終処分場の延命は、まるきり果たさないことになる。それどころか、溶融炉安定稼動のために、石灰などの薬剤をかなり投入するので、逆に増えてしまう結果になりかねない。そんなバカな・・・。
    そんなバカな話しが、まだある。溶融炉の建設費がベラボウに高い。日本での相場が1t当たり5000万円だそうだが、海外で同じメーカーが同じ施設を造ったときには、その半値(2500万円)が相場になるという。そして、我組合の見積もりはというと、1t当たり1億~1億5000万円だから、一体どうゆうこと?梶山弁護士が、何人かのメーカーの人にこの値段を聞いたら、信じられないと言っていたそうだ。(もしかしたら、ヨダレがでていたかも・・)
    また、梶山弁護士によると、ここの最終処分場は、とてもお粗末で、今時めずらしいそうだ。茅野市笹原にある最終処分場は、平成16年に満杯一歩手前になり、残余年数を残したまま、平成17年からは、焼却灰は全て富士見町休戸に運んでいる。本来は、満杯になると、最終覆土が義務付けられ、土を1m以上被せなくてはならない。それを逃れるために、満杯にせず、数年間は雨ざらし覚悟という感じだ。さらにひどいのは、即日覆土は一切実施していない。危険な灰は風に飛ばされ、汚水は川に落とされ、諏訪湖へと流れている。それもこれも、灰溶融炉を見込んで、土と混ぜない方が、作業上、スムースに運ぶからなのか?とにかく、住民の安全を無視している違法行為だ。
    そんな組合が、近日中に、建設予定地周辺の地元関係区と公害防止協定を結ぼうとしている。機種も決まっていないし、第一、住民説明会もまだ終わっていないのに・・・。ひどい話しだ。協定内容もお粗末だが、周辺地元の区民で構成する「地元委員会」を設置して、そこで話しを聞くという。つまり、我々のような反対意見を言う一般住民を蚊帳の外に追いやろうとしている。

    2007/01/01

    迎春



    あけましておめでとうございます。
    皆様にとってよき一年となりますよう祈ります。

    危険で高く、しかも灰が減らない無駄な施設。
    そんな住民を苦しめるだけの灰溶融炉をみんなの力で止めましょう。
    本年もよろしくお願いします。