以下は小林桂子さんの文章です。
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12月23日(土)は、デモ日和だった。午後、富士見町役場に集合して、中心街を1時間半ほど練り歩いた。皆それぞれに、「灰溶融炉は、高い、危険、要らない」「きれいな水と空気は富士見町の宝だ」「ゴミは資源、分別とリサイクル」「地球規模で考えよう」などのお手製のプラカードを掲げてワイワイと・・・。参加人数は75人、家族連れを初め、8ヶ月の妊婦さん、リハビリ中で松葉杖を使って参加してくれた人、そして何より雰囲気を盛り上げてくれたのは、若手のジャンベの演奏だった。
このデモで、どれくらいの影響があったかは、わからない。だけど、何もしないよりはずっといいし、行動することは大切だということが気持ちで納得できた。
実は、灰溶融炉の建設予定地と私が住んでいる場所は10km離れている。だれだって直接の被害はないと思うだろう。だから、どうして建設に反対しているのか、理解に苦しむ人が多いようだ。住民説明会でも、茅野市長が「なんで原村の人が反対するのかわからないね」と、発言を批判する態度を見せている。そこで、私がなぜ反対しているのか、まとめてみた。
- 灰溶融炉を建設したところで、最終処分場の延命にはならない。灰溶融炉が稼動しても、スラグが売れない場合は最終処分場にもどすことになる。減容効果は期待できないので、すぐに新しい最終処分場が必要になる。(造るのに10年かかると言われているので、たぶん委託になるだろう)その上23億円の建設費は、稼動実績がなければ、国に返還しなくてはならない。(実際に、ランニングコストが高すぎたり、スラグが売れずに休炉している施設が日本に何ヶ所もある)
- 年間3億円(あくまで基本)のランニングコストがかかる。特に原村の場合は、住民1人当たり5600円の増負担になり、茅野市民1人当たり3300円に比べ、自治体間の不公平がある。まして、全体の80%が茅野市の排出するゴミである。
- 重金属を含んだ不安定なスラグを公共事業で使うことになれば、危険物質が町中全体に散らばる形となり、さらに将来への負の遺産を増やすことになる。
- 蒸気とともに大気中に有害重金属や猛毒なダイオキシン類似物質が排出され、広範囲で自然環境や人体にかなりの悪影響を及ぼす。1,300℃にもなる炉はクローズドシステムで川に排水しない代わりに、煙突から毎日60tもの蒸気を出す。
- 地球温暖化が深刻になる中、無駄な施設に石油資源を湯水のごとく使おうとしている。(年間の燃料代は数千万円を超えるかも)
- 組合側のゴミ政策がまるきりない。ここ数年間、組合はゴミ減量化対策を何もせず、周囲からかなり遅れをとっているにも拘らず、未だに本気で減量化を考えていない。灰溶融炉を造ることだけに専念している。
- 候補地は他になく、富士見の休戸に決まっていた。急斜の山あいで、すぐ隣は深い渓谷で、地質も脆弱で、活断層もそばにあるようだというのに、組合は、4000万円もかけて実に簡単な生活環境影響調査をし、200万円もかけて超簡単なボーリング調査をした。その結果、敵地だと判断した。本来なら候補地は、数ヶ所必要だろう。自分のそばにくると思えばこそ、議論もし、ゴミの減量化にもつながるものだ。現在、ほとんどの市民は灰溶融炉の言葉さえ知らない。
ここ1年間、この活動をする中で、建設予定地にも何度か通い、また、チラシを持って周辺地区をよく歩いた。いい所だなぁというのが、感想だ。山と川がすぐそばにあって、ゆったりとした空気があり、里山そのものだ。決してあきらめないでほしい。住宅街の平地には、ゴミ処理施設は作れないが、数十軒の山あいなら、文句も出ないだろうというのもおかしな話だ。始終「安全な施設ですから安心してください」と説明しているのに・・。
先日、地元の休戸区が建設に反対を表明した。富士見町長は、「そんなの無視すりゃいい」と強気だが、さて茅野市長は、どう出るだろうか?やっぱり、茅野でもデモしなきゃならないのかな?
- デモのお知らせ[2月17日(土)13時茅野駅東口集合] (問合せ090-2333-3593)
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