2006/12/30

灰溶融炉問題で思うこと:一人の富士見町の町民の声 (kaisetsu)

富士見町に住むカラマツさん(HN)が灰溶融炉問題について書いた文章を紹介したいと思います。カラマツさんは、研究者としての10年間を含め、民間の大手企業で生産技術に長年携わった方です。技術の専門家であるだけに、カラマツさんの言葉には無視できない説得力があると思います。組合の方も、真剣に住民の安全を考えているなら、ぜひ一読して噛み締めていただきたいです。

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 「灰溶融炉」 そんな聞き慣れない名を知ったのは、1年ほど前、住民達が作成した1枚のチラシでした。その導入は私の住む八ヶ岳山麓の3市町村(茅野市、富士見町、原村)において、多くの住民に知らされないまま、4年ほど前から検討されていました。導入地の生活環境影響調査に4,200万円ほどの調査費を使い、非公開の委員会によって導入機種を決める入札寸前の状況でした。その情報を知った住民達が、具体化している計画の存在を町民に知らせるチラシだったのです。その後住民達が、1回目説明会の質疑応答の録音テープから起こした、58ページに及ぶ資料を読んで、これは無関心ではいけないと感じました。
 早速インターネットで検索して調べてみました。それによると、焼却した灰や埋立地から掘り起こした灰を、1,200℃以上の高温で燃やし、出来た溶融スラグを埋め戻しや路盤材等として再利用する、高温焼却炉でした。鉄鋼メーカーが開発して以来あまり導入されていなかったのですが、1997年、国のゴミ広域処理化通達で補助金が出るようになったことから、埋め立て処分場の延命に困っていた多くの自治体が飛びついた経緯があるようです。しかし検索を進めていくと、幾つもの問題を抱える設備ということがわかりました。

 導入自治体から公開された情報では、頻繁に起きるトラブル、焼却炉に比べて3倍近い処理コスト、用途の見つからない溶融スラグ等の事例が紹介されていました。そして肝心の焼却灰の減量効果は、処理に先立つ溶融不適物の除去、溶融スラグの他に発生する溶融飛灰、溶融メタル等によって、十数%程度しか期待出来ないとわかりました。疑問や不安を感じた住民達が、灰溶融炉問題に詳しい大学講師や弁護士を招いて開いた勉強会に参加してみました。驚いたことは、安全、安心に対する国の規制や基準が不十分のまま実用化されているという事実でした。たとえば有毒物質のダイオキシンについては、常時発生しているにもかかわらず、 「年1回、燃焼が安定した1時間以上経過後、連続4時間以上計測した濃度が基準値以下」 という排出基準になっています。またダイオキシン以上に毒性が強く、より高濃度で排出されているダイオキシン類似性毒性物質や、フィルターでは除去出来ない鉛、水銀、カドミウム等の有害重金属ガスについては、排出基準が全くないということでした。

 以後3回の灰溶融炉説明会に参加していますが、住民側の意見とは平行線のままで一向に溝が埋まりません。一番問題な安全性について、自費で専門家を招き勉強している住民側に対して、行政側は国の基準に沿って進めていると云うだけです。かってJIS規格を決める委員会に使用者側委員として参加した経験では、そこで決まるJIS規格などというものは、多くのメーカーがパス出来る低い基準値でした。使用者はJIS規格などあっても、自社に導入する際は独自の厳しい評価試験を実施して、いちばんコストや品質が良くて安心安全なものを選びます。水俣病や薬害エイズ裁判でも明らかなように、国の云うことは絶対に安心、安全ではありませんでした。
 
 ゴミ問題は 「循環型社会」 実現のためだけではなく、歳出削減への効果もあります。住民1人1日当たり家庭系(可燃+不燃)ゴミ量は、最近のデータによれば、鎌倉市412g、東京日野市465g、横浜市483g、2020年迄にゴミゼロを宣言した徳島県上勝町では何と106gでした。それに比べここ3市町村は649g、まだまだ減らせる余地があります。
 町に灰溶融炉が導入されれば、償却費用も含めると3市町村合計で年間5億円ほどの費用がかかります。富士見町は既に233億円ほどの借金を抱えていますが、導入によって町の借金は減るどころか確実に増えていくことになります。最近のニュースで、今後5年間で61億円の財政赤字を公開した「熱海市財政危機宣言」を知りました。また財政破綻した夕張市で、血相変えた住民達が責任を追及していたニュースを見ましたが、熱海市が早めに住民の危機意識と自覚を促したのは、賢明だと思いました。

 この地で、このような反対運動が起きるとは思いもよりませんでした。その多くは、この地が気に入って他所から移り住んだ人達です。お金を出し合って先生を呼んだり、街頭でのビラ配りや各戸への配付、地道な説明活動や建設反対の立て看板設置など、何とかしたいという思いは純粋そのものです。また、説明会で聞いた、建設予定地域に長く暮している地元住民の発言も忘れられません。国の基準で作られ国の政策で2006年2月に撤去された、焼却炉が稼動していた間、雨水貯水槽にボウフラは一匹も発生しなかったと。灰溶融炉は、焼却炉よりもはるかに危険と考えられるものです。

 ある政党の住民アンケートでは、延期または中止を求める意見は約75%と多数でしたが、回収は10%に満たない数でした。そんな折り行政側は、関連4地域の区長に突然、公害防止協定の調印を申し入れて来ました。

 十分な安全の確認や保障がなされないまま、補助金を交付する国に怒りを覚えますが、行政は、それを知った時点で止めるのが正しい判断だと考えます。国やメーカーの言い分とデータを信用するのみで、行政自らが安全、安心を検証して住民に説明したことはありませんでした。町にも住民にとっても、何の利点もない灰溶融炉設備などを導入することなく、先ずは何よりも、総ての住民が行政と一丸なって、ゴミの削減を実施すべきではないかと思っています。

(2006年12月)

住民の安全に対する配慮はやはりゼロ:3回目の公開質問状の回答 (katsudo)

八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは12月の上旬に組合に3回目の公開質問状を提出しました。その回答をこの間いただきましたので、掲載します。
画像をクリックすると、pdfファイルが表示される。



4つの質問のうち、1つはコスト、残り3つは(1)予定地の地質、(2)排気ガスの基準値、そして(3)スラグに含まれている重金属の溶出と言う安全性についての質問でしたが、そのいずれの回答を見ると、組合がいかに住民の安全を真剣に考えていない事がよく分かります。(つづく)


地質に関して、予定地が活断層を含めた断層地帯である可能性が高いのに、組合は詳しい地質調査を行っていないし、回答では「通常の建築物よりも郷土のある設計をいたしますので、厳談かでは、ご質問をいただきました調査に付きまして、実施しなければならないと判断するに至っておりません」としている。組合自らの生活環境影響調査では、休戸の予定地周辺は「脆弱」で「災害を起こしやすい」。いくら耐震設計を行っても、その地盤が脆弱だったり活断層の真上だったりしたら、大地震が起こった時、耐えられるかは非常に疑問です。調査をした場合、予定地がこう言う施設を建設するのに不適地だと言う結論になるから調査しないと言う事が目に見えています。

排気ガスの基準値について、今までの回答が私たちの疑問に答えていないからこそ繰り返し聞いているのに、組合は頑としてそれらの疑問に耳を傾けてくれません。組合の自主基準や国の基準には重金属やダイオキシン類似物が入っていないことに対して、組合は何一つ答えていません。

スラグにしても、JIS規格は酸性雨の影響を完全に無視した、大変非現実的なものです。仲間には利用者側からJIS規格設定に参加した方がおり、その方は「そこで決まるJIS規格などというものは、多くのメーカーがパス出来る低い基準値でした。。。水俣病や害エイズ裁判でも明らかなように、国の云うことは絶対に安心、安全ではありませんでした」とここで書いています。現に組合が販売するスラグから鉛などの重金属が溶出して土壌汚染、地下水汚染を起こす可能性があるのに、ここでも国の基準を盾にこう言う疑問に答えようとしません。
総じて言うと、今回の質問の回答ではっきりしているのは、組合は「安全第一」を掲げながら、安全とはとても思えない基準の後ろに隠れ、言っている事と、実際にやっている事は全く違います。口先だけの「安全」では、安全は全く保障されません。たとえばダイオキシン類測定のための長期連続採取システムの導入など、住民側に立った安全対策を約束しない限り、いくら「安全第一」を叫んでも信頼を得る事は無理でしょう。住民がぶつける疑問に真剣に答えているかどうか、これが組合の誠意を示す尺度ではないでしょうか?

2006/12/29

12月23日のデモ (katsudo)

12月23日のデモは、地元の警察のご協力もあって(ありがとうございました!)、天気にも恵まれ、無事に行うことができました。組合が12月24日に予定していた公害防止協定の調印式は不人気のためにすでにキャンセルとなっていましたが、それでも多くの親子を含め、70人ほどの住民が集まり、鳴り物を先頭に、灰溶融炉建設がいかに問題が多いかをアピールできたと思います。こうしたデモは富士見町では初めてらしい。

写真を少し載せます:
画像をクリックすると拡大表示されます。












2006/12/22

灰溶融炉の建設と、公害防止協定を無理やり迫る組合に抗議するためデモを行います。

実施日:12月23日(土)
時間:午後1:00~
集合場所:富士見町役場駐車場

参加自由、子供さんの参加も歓迎します。
プラカードを用意できる方はお持ちください。
町内を約1時間ほど歩きます。

たくさんの方の参加をお待ちしています。(^^)

常識の勝利:調印式延期のお知らせ

諏訪南行政事務組合が設定した12月24日の公害防止協定の調印式は延期されたようです。
組合は年末の区長や区役員の忙しさを延期の理由としているようですが、それ以外にも落合地区を中心に各区から次のような反対意見が出たようです:
  • 住民説明会も終了していないのに調印はできない。
  • 協定を急ぐ必要はない。
  • 協議もしないで協定は結べない。
どれを取ってもごくごく当たり前なことで、調印式の延期は区長たちが示した常識の勝利だと言えます。

組合がこう言った事情を無視し、無理やり24日に調印を迫ったのは、時間が経てば経つほど自分たちにとって都合の悪い情報が出てくるからに違いないです。たとえば私たちが発行したチラシも協定を結ぼうとしている関係区に配布されたので、大体すべての区民は公害防止協定の中身(その無意味さ)に気付いているはずです。今回、組合が取った姿勢から判断して、本当に住民の安全を考えているのか疑問に思えます。私たちは、このような組合を信用していて良いのでしょうか?

なお、24日の調印式が流れたとしても、組合はおそらく同じ具体性の無い協定書を、今度は1月中に締結させようとすると思われます。改めて強調したいのは:
  • 締結を急ぐ必要は全くありません。
  • 住民の安全を守るための協定のはずです。住民が主役で、組合が提示した協定書を鵜呑みする必要は全くありません。組合が提示した協定書は締結しても、住民の安全は絶対に守られません。
  • 住民は自らの安全を守るための厳しい条件をどんどん提示すべきです。それがどう受け止められるかは、組合の誠意を計る尺度になります。
  • 細部がすべて提示されて、初めて検討に値する協定になります。
  • 機種が決まってからでなければ細部については協議できません。
  • 専門家を交えて細かく協議しないと、効力のある協定はできません。

私たちは、公害を防止し、住民の安全を守るためには、公害防止協定を結ぶより、建設を止めた方が確実で楽だと思っています。

2006/12/20

公害防止協定と、なんと12月24日にも調印式!


 組合は12月12日付で「公害防止協定書」を、各関係区の区長に送り、そして驚いた事に、12月24日にも、調印式を設定し、強引に「区長公印」持参での区長たちの出席を要求しました。その案内の中、「先般よりご協議をさせていただいております『諏訪南灰溶融施設に係る公害防止協定』の締結につきまして」と書いてあるが、区長たちのお話では、協定の内容について、具体的な協議は何もしていません。
 どういう訳か、調印式開催の案内も区によって二通りがあって、それだけでも腑に落ちないが、協定を見たら、何だこりゃ、と言わずにはいられませんでした。なにしろ、中身が何もないです。A4が2枚半で、「具体的な施設計画及び運転管理等の計画」はすべて後回しにしています。こう言った細部が一番肝心で、これが提示されて始めて検討に値する協定になる。細部が明記されていない協定に調印する事は極めて危険です。協議もせずに具体性の無い協定を突きつけて「調印しろ」とはトンでもない非常識です。関係区の住民が、提示された協定書の中身の無さ、欠点の多さに気付く前に急いで調印させて、「地元住民の理解を得た」として一気に実行に移る事が組合の狙いと思われるが、住民を完全にバカにしています。区長たちが組合のこのような非常識に対して、常識を示して印を押さないことをひたすら祈っています。
 私たちは手に入った協定をゴミ弁連会長の梶山正三弁護士に送り、意見を伺いました。すると、やはり、梶山先生も「総じて、案が簡単すぎて、大切なことはすべて『細目協定』に委任されている。これは一種の『白紙委任』で、協定案としての体をなしていない」と言う感想をいただきました。「白紙委任」とは「条件をつけずに、すべてを任せること」と言う意味です。要するに一旦この協定書を締結すれば、あとは組合がたとえ地元委員会の形で住民の意見を聴くとしても、基本的に好きにできる。
 梶山先生は各々の条項に対してもその欠点を指摘しています。先生の意見をそっくりそのまま、協定書と調印式案内とともにチラシにまとめ、19日から関係区の住民に配り始めました。ここでもそのチラシを公開します:
http://fujimi.mond.jp/files/kyoteian_chirashi5.pdf
協定書はファックスからスキャンしたもので、細かくチェックしたつもりですが、誤字を見つけたら教えてください。
チラシにも上記にも似たような事を書いていますが、私たちの意見は次の通り:
  • 協定を急ぐ必要性は全くありません。
  • 調印は住民説明会が終了してからにすべきです。
  • 機種が決まっていないのに協定の話を進める組合は非常識です。
  • 協議もせずに大切な細部も提示せずに一方的に協定書を押し付けてくる組合は信用できません。
  • 公害を防止し、住民の安全を守るためには、協定を結ぶよりも建設を止めた方が確実で楽です。

2006/12/14

原村の清水村長の認識

諏訪南行政事務組合の矢崎組合長(茅野市長)や矢嶋副組合長(富士見町長)はどんな疑問をぶつけても、(1)施設が100%安全で、(2)計画に全く問題がなく、(3)反対する理由は全然分からないと言う認識のようだが、少なくとも清水副組合長(原村長)はしっかりした予備知識とあらゆる意見に耳を傾ける姿勢に基づいて、この計画を客観的に見て、問題点も十分に把握しているようだ。原村の2006年12月に載った村長自筆のコラムの内容を紹介します。

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清水村長のほっとコラム Vol.11 (広報はら Vol.331 2006年12月)

 諏訪南行政事務組合の焼却灰の熔融施設を建設するにつき、住民の方々のご理解をいただくための説明会が大変難行しています。このままでは建設も危ぶまれる勢いです。
 そもそも灰熔融とはどういうものかですが、灰を高温で焼成することによって、これが溶けてガラス質の固体となり、体積が1/3以下となります。この物質を溶融スラグと呼びますが、JIS規格によって品質が管理され、コンクリート骨材や路盤材として利用が可能となります。溶融には2つの方法があり、焼却後に出た灰を1300℃住に熱して行う方法と、焼却ゴミを高温化してガスを発生させ、残りを更に熱し続けることによって溶かす、ガス化溶融という方法があります。ガス化溶融は焼却物の熱を利用できますが、灰を熱する方法は外部熱源に頼ります。いずれも大変な高温を作り出さなければならず、限界点の技術を使うことになります。現在ガス化溶融でなく、灰から溶融固化する方法は把握しているところで、全国に135施設あります。諏訪南は灰溶融固化方式です。
 ところで一旦灰にしたものを更に大変な費用をかけて、何故溶融しなければならないかということですが、①灰を捨てる処分地が満杯となり新たな処分地が望めないこと、②灰を埋めても浸出水などの無害化を行なわなければならず環境への負荷が続くこと、③スラグ化することにより有害物質を殆ど封じ込めると共に再利用により循環型社会に寄与できること、などです。
 では何故反対が起きるのでしょうか。①高温焼成により重金属等がガス化拡散する。②スラグが利用されない。③JIS規格は信用できない。④建設にも運転にも莫大な費用を要す。⑤全国の施設にトラブルが多い。⑥ゴミ減量が先だ。⑦建設場所(富士見町休戸)は断層地帯。⑧同じく水源地帯。他にも多数の反対理由があります。
 環境意識の高いことは望ましく、喜ばしいことです。しかしゴミ処理は止めることの出来ない行政事務です。諏訪南行政事務組合は、問題解決のため最大限の努力が求められます。

原村長 清水 澄

2006/12/12

看板でアピール (katsudo)


地元住民の本心を伝える看板を休戸で12月10日に建てた。

八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークの有志で、12月3日に5枚の看板を休戸、若宮、富里、小手沢、と南原山の有志の土地に建てた。そして12月10日にもう1枚、休戸でやはり計画に反対している住民の土地に建てた。休戸区は3軒しかないが、予定地の地元中の地元で、私たちが知っている限り、富士見町の町議で、休戸区の区長でもある日本共産党の富士見町委員会の大橋利彦委員長を含め、現時点で灰溶融炉建設に賛成の区民はいません。


上と下の画像は若宮で建てた「両面」看板です。


(下)背景に真澄の醸造所が見える休戸のもう一つの看板





2006/12/10

ちょっと待てやい!その公害防止協定で本当に大丈夫?(shiryo)

ゴミ弁連会長の梶山正三弁護士の話に基づいて、「協定を検討に当たってこれだけ気をつけましょう」と言う内容でビラーを作り、当該集落に配っています。またそれぞれの区長にも、梶山先生が11月18日に富士見で行った講演のDVDも渡してあります。

画像をクリックすると、PDFファイルが開く。


ここにもビラーの内容を載せます:
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ちょっと待てやい!その公害防止協定で本当に大丈夫?

私たち「八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワーク」は富士見町休戸で計画中の灰溶融施設が多くの危険と無駄をもたらし、灰の減量効果も薄く、成果物であるスラグも環境を汚染する恐れがあるという事から、できたら施設を作らない方がよいと思っています。どんなに強力な公害防止協定を結んでも、安全性が保障される可能性は、ほとんどありません。しかし公害防止協定さえ結べば安心だと考えている方のために、これだけ気をつけないと、協定を結んでも全く役に立たないと言う注意点をここにまとめて見ました。この内容は11月18日に富士見町で講演を行った梶山正三弁護士のお話に基づいたものです。梶山先生は「たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす100人の弁護士の連絡会』(通称「ゴミ弁連」)の会長であり、理学博士でもある。廃棄物処理をめぐる訴訟を数多く手がけてきた、公害防止協定についての第一人者です。 (つづく)
これだけ気を付けて見て下さい:
• 協定当事者は誰?
協定当事者は「町」や「区」ではなく、住民自身でないと、協定違反の事実に対して住民は何もできない。「住民と事業者だけで結ぶのが本則だ」(梶山弁護士)
• 組合は住民の立入調査権に条件を付けている?
「担当者と一緒」や「事業者の業務に差し支えないように」、「事業者が認める者」などの条件が付くと、事業者にとって都合の悪い人は立ち入りできない。立入調査権に条件が付くと、効力を失う。
• 協定違反事実の認定方法は明記されている?
「例えば風速5メートル以上の風が10分以上続いた時には、その日は搬入を停止すると、(東京日の出町の協定に)こう書いてあります。それで台風が何回来ても、彼らは風速5メートルを超えてないと言い張るんですね。そこで水掛論になっちゃって、違反しているのかどうかという入り口でつまづいてしまう。事業者と住民の意見が一致しない場合に備え、(それぞれの項目)の認定方法を入れなければならない。あるいは仲裁規定と言うが、認定できる第3者機関を必ず作る。第3者機関の認定には必ず従う、という事を入れなければならない」(梶山弁護士)
• 協定違反判断の基準は「基準値」となっていますか?
重金属やダイオキシン類似物質など、ほとんどの有害物質について基準値がないので基準値を守っていても意味がない。また現行のダイオキシン測定法は極めて不十分で、基準値を守るのにいくらでも操作できる。そう言う意味で、協定違反判断の基準を「基準値」に求めないことが大事だ。
• 違反に対する措置には強制力はある?
2002年3月に福井県敦賀市の産業廃棄物処理場の公害が発生した際に、住民は「廃棄物の撤去」と「損害賠償」を敦賀市長に求めましたが、市長の答えは「公害防止協定は、紳士協定であり、法的強制力はない」。公害防止協定は紳士協定(=相手を信用してする口約束)であっては意味がない。後で裁判所に行っても、紳士協定だとは言われないように、「協定を作った時に違反事実を第三者機関に認定させて、それに対して強制執行認諾という条項を入れる」(梶山弁護士)
• どう言う報告義務、データ開示義務になっていますか?
「水質・大気等の検査報告では役に立たない。大気と言うのはその日の気象条件によって違う。大気はそのときの気象条件、風向き、煙の上がり方で常に変動する。月に一度測ってそのときよかったでは話にならない。単純に測った結果を報告させても意味がない。」(梶山弁護士)
• 業務日誌備置と随時閲覧は明記されている?
「業務日誌を備えおいていつでも誰でも見れるようにする。これも絶対に必要だ」(梶山弁護士)
• 定期協議、随時協議の規定は入っている?
定期協議、随時協議の規定を入れる。業者と少なくとも二週間に一度、顔をつき合わせて管理運営の方法、住民の被害を少なくても2時間ぐらいは話し合いの機会を設ける。随時協議とは必要に応じてどちらかが求めた場合、もう一方は必ずそれに応じなければならない。(梶山弁護士)
• 協定締結前に必ず専門家のチェックを
協定を作って後で泣くのは、法律家に見てもらっていないため、協定に実効性がないからだ。「実効性があるだけの案を持っていくと、相手が嫌がります。
相手が嫌がるくらいものもではないと意味がない」(梶山弁護者)

これも条件としましょう:
• ダイオキシン測定のための長期連続採取システム*
組合は施設の排気ガスについて「国よりも大変厳しい自主基準」を設定したとしながらも、排出される危険性が大である重金属類や、ダイオキシンよりも毒性が強いダイオキシン類似物質は基準に含めていない。肝心のダイオキシン測定法に関しても、「国の基準に従って実施する予定です」と言う。国の定める方法だと、(1)届出はわずかに年1回だけ、(2)測定は燃焼が安定した1時間以上経ってから4時間以上測定すれば足りる、(3)最も低い値を届け出ればよい。この基準だと、事業者が測定業者を選定して委託するので低い値が出るまで何度も測る危険もあり、検査用の灰を溶かすことによって低い数値を出すことも可能となる、などの重大な問題があり、誰が見ても不十分だ。
ところが、ガスを最長1ヶ月の間に連続的に採取し、その平均値を年十数回割り出す技術が確立されており、ベルギーやドイツでは採用が義務化されている。日本でもすでに4台が導入されている。組合は国の現行法より遥かに精度も高く、結果をごまかしにくいこの長期連続採取システムの導入を、住民から言われなくても検討するはずだが、説明会で問いただしたところ、その存在すら知らなかった。
長期連続採取システムは導入コストは安くないが、灰溶融炉の耐用年数で割れば、大したお金ではありません。人の命に値を付ける事はできないし、「高くて導入できない」ということは絶対にありません。
地元住民の安全と安心を本気に考えているなら、公害防止協定に長期連続採取システムの導入を条件とした場合、それを受け入れるはずです。逆に受け入れない場合、信頼できる相手ではないということがはっきりする。

* 例えば「アメサ」。国内代理店のHP: http://www.greenblue.co.jp/services/ex_amesa_01.html
資料をご覧になりたい方は連絡ください。


• スラグの最終利用の詳しい記録と、汚染に対する損害賠償責任の明記
灰溶融施設の「成果物」であるスラグも多くの危険性を含んでいる。灰を溶融することでできるガラス状のスラグは、道路工事の路盤材や埋め戻し材などに使い、「リサイクル時代」に貢献すると言う。これこそが灰溶融施設の存在理由だが、下手するとアスベストの二の舞になりかねない。なぜならスラグは鉛やヒ素など、多くの有毒な重金属を含んでおり、それが日本各地に現在も降っている酸性雨によって溶出する可能性が大いにあるからだ。今年の7月にはJIS規格も決まり安全だと言うが、その規格は酸性雨を全く考慮していない。広島県保健環境センターが行った実験では、酸性雨の条件下では多くの鉛が溶出している。中国の経済発展で、西からの大気汚染が増し、日本に降り注ぐ雨はどんどん酸性になっていくはずだ。公共工事などで地域中にばら撒かれたスラグによる土壌汚染、地下水汚染は地域住民の健康を蝕み、財産である土地をも台無しにする可能性がある。しかし、ここでも組合は住民より事業者の都合が優先され、本質的な汚染防止策とは程遠いまやかしの基準を盾に公共工事でのスラグ利用をもくろんでいる。
そこで、住民として公害防止協定の条件として求めるべきものは基本的に二つあります:
(1)万一のスラグによる土壌汚染・地下水汚染に備え、組合が生産したスラグが最終的にいつ、どこで、どれだけの量、どういう風に使われたかと言った記録を取ること。
(2)万一のスラグによる土壌汚染・地下水汚染が確認された時、汚染除去と被害を受けた住民に対する損害賠償の責任を明記すること。

これだけ覚えておきましょう:
• 協定を結んで施設を作らせるより、建設を反対して作らせない事が一番安心。
そもそも不要で危ない施設です。地元の住民が結束して建設を反対すれば、絶対に止めることはできる。
• 信頼できない相手は必ず協定破りをする。
この計画は、平成14年ごろから検討が行われていたにも関わらず、私たち住民に計画の説明がなされたのは、今年の5月、6月で、工事着工が予定されていた平成18年8月のほんの数ヶ月前だった。組合から出された資料も都合の良いものばっかりで、公開質問状に対する回答は極めて不十分だ。予定地も「第一候補地」と位置付けながら、「第二」「第三」はなく、最初から休戸で作ることが決まっていた。こんな組合を、公害防止協定を結ぶ相手として信頼できるか、よくよく考えてください。
• 協定締結前に必ず専門家(法律家)のチェックを。
それも、組合お奨めの弁護士ではなく、ゴミ弁連に相談しましょう。
TEL: 0246-24-2340 HP: http://gomibenren.jp/

* 組合の案は何枚?「実際に私が頼まれて作ったものはかなり膨大。A4で40ページほどになる」(梶山弁護士)

組合が嫌がるぐらいの内容でないと、協定を結ぶ意味がない
「八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワーク」発行 TEL: 0266-79-6977 小林峰一 http://yoyuro.blogspot.com/

2006/12/09

焼却溶融施設計画に疑問:長野日報への投稿掲載



メンバーである富士見町境地区のジェルミ・エンジェルさんが長野日報に送った投稿は今日の新聞に掲載された。本人の了承を得て、原文をここに載せます。

焼却溶融施設計画に疑問
 茅野、富士見、原の三市町村でつくる諏訪南行政事務組合が富士見町の休戸を予定地として進めている焼却灰溶融施設の建設計画に多くの疑問を感じる。(つづく)

 まず予定地の地質だ。組合自らの生活環境影響調査では、その地質が「脆弱」で「山地災害を起こしやすい地形」だとされているにもかかわらず、組合は詳しい地質調査もせずに「安全だ」と一点張りだ。地質の第一人者である信州大学の小坂共栄教授と共に有志で行った調査では、数多くの断層が見つかり、活断層である可能性も高いことが分かった。大地震が起きた場合、灰溶融施設は周囲地域に大きな被害を起こしかねない。候補地の選定からして住民の安全を無視した、極めて無責任な計画だと言わざるを得ない。
 さらに心配なのはダイオキシンや重金属などの有害物質による環境汚染だ。組合は施設の排ガスについて「国よりも大変厳しい自主基準を設定した」としながらも、排出される危険性が大である重金属類や、ダイオキシンよりも毒性が強いダイオキシン類似物質は基準に含めていない。肝心のダイオキシン測定法に関しても、年一回、わずか四時間という国の極めて不十分な測定法に従うという。はるかに信頼性の高い測定技術がドイツやベルギーで義務化され、日本にもすでに導入例があるが、採用意向を聞いたところ、祖合はその存在すら知らなかった。
 灰溶融施設の「成果物」であるスラクも、道路工事の路盤材や埋め戻し材などに使い、「リサイクル時代」に貢献するというが、アスベストの二の舞いになりかねない危険性がある。なぜならスラクは鉛やヒ素など、多くの有毒な重金属を含んでおり、それが現在も日本に降り注ぐ酸性雨によって溶出することは公共機関の試験で証明済みだ。スラクによる土壌汚染、地下水汚染は地域住民の健康をむしばみ、財産である土地をも台無しにする可能性がある。しかし、ここでも組合は国の基準を盾に公共工事でのスラク利用をもくろんでいる。
 「それでも必要だ」と言う声を聞くが、四年間でわずか亘二十六日間しか稼働していない山梨県大月市の灰溶融炉に似た例が全国にたくさんあり、灰の減量効果もあまり期待できない。事故や故障も頻繁に起こり、財政面でも多くの問題を有している。
 今、最も必要なのは製造者責任制度の導入によるごみの発生抑制と、生ごみ分別・堆肥(たいひ)化など、ごみを「資源」とする徹底した有効利用の確立だ。これが次世代への私たちの義務である。灰溶融炉はその義務を果たすのではなく、多くの危険と無駄をも含めた、時代に逆行する施設だ。組合が「何か何でも休戸に作るんだ」という強行な姿勢を改め、私たちの子どもや子孫のための本質的な解決策に取り組むなら、住民は協力を惜しまないだろう。

やはり疑問に思っている住民が多い:共産党アンケート結果 (shiryo)


長野日報2006/11/6の記事

11月6日の長野日報に出た記事によると、共産党富士見町委員会が11月に行ったアンケートに対して282通の回答があって、灰溶融施設建設に関しては、実に74.1%(166人)が延期または中止を求めた。この結果を踏まえ、どう委員会は富士見町の矢嶋町長に「環境、安全、コストの問題が山積みしている」として、溶融施設に頼らない解決策の検討を要望したそうだ。矢嶋町長が、組合の副組合長ではなく、町民の健康と財産を守る事が責務である町長と言う立場に立ってこの結果を受け止める事を期待したいが。。。

2006/12/07

公害防止協定:梶山弁護士が警鐘を鳴らす (kaisetsu)

11月18日、富士見町で行った講演会の最後に、ゴミ弁連会長の梶山正三弁護士は公害防止協定を容易に結ぶ事の危険性について話してくれた。貴重な助言がたくさんありましたので、この部分を文字起しして、そのまま載せます。協定締結を望んでいる皆さんにぜひ読んでいただきたいです。
特に最後の締めくくりの「実効性があるだけの案を持っていくと、相手が嫌がります。相手が嫌がるくらいものもではないと意味がない」と言うコメントを心していただきたいと思います。
なお、富士見町のエンジェル千代子議員もこの部分について書いています。また講演の質疑応答の時間にも公害防止協定について質問があって、先生の回答を含め、ここに載せています。あわせて読んでください。

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 協定の話を少ししたいと思います。
 まず一つ感じるのは、この今の溶融炉計画にしても、それから、コンサルが持ってくる計画にしても、そもそも発端は97年5月の国の広域化計画なんですね。私はこの国というのは完全中央集計的な国だと思いますが、その中央集計的なごみ行政に踊らされてプラントメーカーのために自治体が大変な無駄遣いをずっと積み重ねてきたっていうのか今までの経緯なんです。そうすると、そういう意味で言うと役にも立たない施設を、あるいは危険性の大きい施設を作らされてそのために住民が税金という形でその多額の負担を背負うと、まずそれがそもそもおかしいと言う問題意識が必要ではないかと。(つづく)

 そもそも憲法は、まあ実はこれは私お話したいことがいっぱいあるんですが、時間の都合で省略します。一般的な話だけお話しますが、まずそれは自分たちの手でやはり、自分たちでごみ処理計画をもう一度見直して、将来こういう形で自分の地域のごみ処理をこうやっていく、という計画を本当は市民の手で作らなきゃいけない。そういうことが大事だと思います。
 それから公害防止協定という話があって、公害防止協定とすれば、これはやってもしようがないんじゃないかと、あるいはやってもいいんじゃないかという声があるという風に伺っております。公害防止協定については私、あっちこっちでいろんな経験をしていますが、大変危険なものであると。なぜ危険かというのをこれからお話したいと思います。まあ実効性のある協定ができるのかどうかということですね。そのために、私は協定を結んでやれるとは決して考えません。
 協定は今回の場合、逃げ道。むしろ作らないほうがいい。当分作らないのがベスト。残された時間がどのくらいあるのか。その前に地域の皆さんでごみ処理計画をみなさんで見直して、ある程度長期的なビジョンなり計画的を作る時間があるのか。で、そのために当面の計画を一時停止させるという事が可能なのかどうか、というのが正に地域のみなさん方の課題だろうと思います。これは3セク、いわゆる第三セクターが事業団方式で各地で処分場を作っていますが、そのときに決まりきって言ってくるのがこういうことなんですね。いわゆる3セク、事業者側から出される協定案のごくおおざっぱなスケッチです。事業団、責務としてこういうことを書きますよと。


事業者側が良く提示する協定案の大雑把なスケッチ

モデル的なものを整備しますよと。まあ、これは口だけですね。
 それから県の責務、事業団の指導監督及び施設に対する連帯責任取りますよと。まあこれも、こういうこというわけですね。
 それから生活環境等の保全。市、事業団の役割をきちっと規定します。
 それから施設の運営管理、施設運営管理検討委員会を作ります。地域住民の代表、関係自治体、事業団等を入れます。まあこれは、いかにもいい制度に見えますけれど現実はぜんぜん違います。
 それから事故発生時の措置。即時停止します。調査、応急措置をとります。報告します。住民に周知させます。
 報告。水質、大気等の検査結果を報告します。
 それから立ち入り調査。市・市が認めるものによる立ち入り調査をします。
 それから損害賠償。事業団は、将来にわたって損害を賠償し県はこれを保証します。
 そして協議・改訂。協議事項への疑義、改正の必要が生じたときの措置。
 まあ、これだけやってくれりゃあいいんじゃないの?と考える人が結構いると思いますが、これは詳しくお話している時間がないですが、こんな協定を結んでも、大体役に立たないと思ってください。


協定を結ぶに当たって気を付けなければならない主なポイント

 まずこれ、私の経験的なことでお話したいですが、まず市町村だけを協定当事者としないということですね。これはたいへんよく見るタイプなんですが、例えば今回の場合は一部事務組合が事業者で、その組合とどこが協定を結んだかということがひとつのポイントですね。よくあるのは、その地元の自治体だけが協定当事者となる。これは民間事業者の場合もそうですよ。そうすると、これも大変よくあるトラブルなんですが、協定違反の事実に対して、協定当事者に住民が入っていないと、市町村がその協定違反の事実を突いて、事業者に対して的確な対応をしない限り、住民自身は協定の当事者じゃないので何も物が言えない。これが非常によくあるタイプです。ですから私は、基本的に市町村だけを協定当事者とする協定はやるべきではない、むしろ市町村なんていらないよと。住民と事業者だけでやるのが本則だとお話しています。
 それから信頼できない相手は必ず協定破りをするという前提をしなくちゃいけない。皆さんが今回の一部事務組合を協定破りをする相手かどうかと言う事をよく考える必要がある。私は、東京都日の出町で、26市1町を構成団体とする一部事務組合を相手に12年間裁判をやっています。もう彼らの言うことは嘘だらけです。それで協定破りをしても、協定破りをしていないと常に言い張っています。また、公共だから嘘をつかない、悪いことをしないと思うのは大変な間違いで、ある面では民間事業者よりもたちが悪いと言うものはたくさんあるわけですね。そうすると協定破りをした場合に打つ手があるんだろうか というのが次の問題です。
 それから住民の立ち入り調査権に条件を付けない。つまり住民が立ち入り調査をしようとした時によくあるのは、地元の市町村の担当者と一緒じゃないとダメだよとかね。それから事業者の業務に差支えがないように、前もって必ず言ってからでなきゃ立ち入りさせないよ、と言うのが大変多いわけですが、それだと立ち入り調査としての効力がまったくないですね。ちょっと先ほどのを見ていただきますが、立ち入り調査、市・市が認める者による立ち入り調査。そうすると市と仲良くやってない人、市の方針が気に食わない人に対しては市がいやだよって言うとその人は立ち入りができないと、こういうことになります。
 それから、協定違反事実の認定方法を必ず入れる。これも私、経験的にお話したいんですが、例えば東京都日の出町の協定は、協定の部分だけ見ると大変精密に、かつ細かく出来ています。例えば風速5メートル以上の風が10分以上続いた時には、その日は搬入を停止すると、こう書いてありますね。それで台風が何回来ても、彼らは風速5メートルを超えないと言い張るんですね。超えてないと言い張るんですね。つまりそうするとそこで水掛論になっちゃって、違反しているのかどうかという入り口で躓いてしまう。ですからそういう場合、おれは協定違反していない、いやお前は協定違反していると言う水掛論にならないように、そういう場合には両方の意見が一致すればかまわないのですが、意見が一致しない場合に、認定方法を必ず入れなければならない、あるいはこれを仲裁規定といいますが、認定できる第3者機関を必ず作る。そして第3者機関の認定には必ず従う、という事を入れなければならない。
 それから協定違反判断の基準を「基準値」に求めないこと。これはどういうことかと言うと、先ほどからお話していますが、基準さえ守ってりゃあいいだろうと例えば悪臭の問題がありますね。ところが悪臭って言うのは人間がものすごく臭いと思う物でも、やはり臭気測定あるいは臭気判定するとこれは全部クリアになっちゃうんです。人間のほうがずっと敏感なんです。だから基準値というのはそのぐらいいい加減なんですね。先ほど大気汚染の問題でも言いましたけどほとんどの有害物質について基準値がないんですから、基準値を守っていたって言うだけではやっぱり意味がないので、そう意味で言うと、違反に、協定違反基準値の基準を基準値にしてはいけないと。じゃあどうすればいいのかっていうのは、お話しする時間が、まあご質問があればしたいと思います。
 違反に対する措置に強制力を持たせる。紳士協定というのはでたらめで、協定の作り方が悪いだけです。協定を作った時に違反事実を第三者機関に認定させて、それに対して強制執行認諾という条項を入れる。後で裁判所に持って行っても、紳士協定だとは言わせないことができる。
 それから報告義務、データー開示義務は必須事項。水質・大気等の検査報告では役に立たない。大気と言うのはその日の気象条件によって違う。アメリカ軍の代理人で産廃業者と裁判をやったときの話。アメリカ軍は数十億円をかけて2ヶ月間、毎日連続してダイオキシンを測った。60日間で、一番高いときと一番低いときで、600倍の変動があった。大気はそのときの気象条件、風向き、煙の上がり方で常に変動する。月に一度測ってそのときよかったでは話にならない。単純に測った結果を報告させても意味がない。
 それから業務日誌を備えおいていつ誰でも見れるようにする。これも絶対に必要だ。
 それから定期協議、随時協議の規定を入れる。業者と少なくとも二週間に一度、顔をつき合わせて管理運営の方法、住民の被害を少なくても2時間ぐらいは話し合いの機会を設ける。随時協議とは必要に応じてどちらかが求めた場合、もう一方は必ずそれに応じなければならない。
 それから協定締結の前に必ず専門家のチェックを入れる。協定を作って後で泣くのは、協定に実効性、実際に効力がないもんで、法律家に見てもらっていないからだ。その気で作れば実効性のある協定は出来ます。実効性があるだけの案を持っていくと、相手が嫌がります。相手が嫌がるくらいものもではないと意味がない。

灰溶融炉は要らない!富士見町・原村・茅野市の住民運動について (kaisetsu)

環境会議諏訪の「月間環境会議通信」にこの間、灰溶融炉を考える会の呼びかけ人の一人である原村の小林峰一さんが書いた記事が載っていた。大分時間が経ちましたが、こちらでも、私たちの声を代表する意見として載せたいと思います。

灰溶融炉は要らない!富士見町・原村・茅野市の住民運動について   小林峰一

 「住民運動は民主主義の学校のようなもの。理念を掲げ、話し合いを繰り返してコンセンサスをつくる。腐った行政が一番怖がっていること。そして、良心的な行政マンが心待ちにしていること。議会が変わり、人々が自信を持ったとき、地方自治が変わると信じている。地方が変わることが、ごみマフィアや官僚にとっては一番怖い。だから、彼らはNPO法人登録制度をつくり、広域連合や道州制をつくろうとしているのだと思う。民主主義の芽を摘む、それが権力者の性(さが)かもしれない。」
 これは、私たちがお世話になっている関口鉄夫さんから教わった言葉です。富士見町・原村・茅野市の有志による灰溶融炉を作らせないための住民運動は、もうじき1年を迎えます。現地に足を運び自分の目で確かめることや地域の住民と直接会って話しをすることは、運動にとって大切なことだと思います。
 私たちは、最近、地質と水に関する調査を行いました。9月30日と10月8日の2日に渡り建設予定地周辺の地質について信大副学長、小坂共栄教授(地質構造学)の全面的なご協力を得て踏査を行いました。また、10月15日には、住民有志により休戸と花場の集落内で聞き取り調査を行い建設予定地の近くにある水源を見てきました。

小坂共栄教授との1回目の地質調査、程久保川にて


2回目の地質調査後、結果を説明する小坂先生

 地質に関する調査では、建設予定地の横を流れる程久保川と少しはなれた武智川に沿って調査を行い、加えて釜無川沿いの道路に面した露頭についても調べました。河床や護岸部分に露出した地層から、地層の向きや傾斜、地質の状況などを知ることができました。一帯は火砕流と土石流による堆積物が重なったような地質であり、その中に断層が何本も走っていることが確認できました。さらに、この断層は、糸魚川―静岡構造線(活断層)と同じ方向であることから活断層の可能性が高く、建設予定地は、このような断層帯の上に位置していることがわかりました。このような場所を唯一の候補地としている灰溶融炉の計画は、住民の安全を無視した計画であると言わざるを得ません。
 水に関する調査では、富士見町内の約3分の1に給水されている第1水源を見ました。この水源は、白谷川と程久保川から取水しており、予定地から1.6㎞しか離れていないため施設が稼動した場合には、施設から大気中に排出されるダイオキシンや重金属の影響を受ける可能性があります。また、花場地区と休戸地区に給水している花場水源(湧水)は予定地から650mしか離れておらずさらに深刻です。聞き取り調査の際に花場集落の人が、花場ではガンで亡くなる人がとても多いと言っていたことが気になります。建設予定地では、以前焼却施設が稼動しており、今後、健康調査などを行い確かめる必要がありそうです。

白谷程久保遂導

富士見町の水源を探る
 灰溶融炉は、焼却灰の減量化を目的として計画されました。しかし、メーカーから示されている設計書を見ても減量効果が殆どないことが明らかです。溶かした灰を冷却して作るスラグは、路盤材や埋め戻し材としてリサイクルする計画ですが、酸性雨などにさらされた場合、スラグからは、鉛や砒素など有害な重金属類が溶け出すこともわかっています。建設費23億円、年間の運営費3億円を掛けて行うこの計画は、健康被害や税負担の面で住民を苦しめるだけで全く意味のない事業です。私たちはこのような計画を容認するわけには行きません。最近、地元の方たちが運動に参加し始めました。チラシを配りながら話しをすると、多くの人がこの施設は要らないと答えます。地域の自然は私たちだけのものではありません。ご先祖様から一時的に預かっているだけです。子や孫の世代に安心して暮らせる環境を残すことは、現代を生きる私たちの責任ではないでしょうか。この機会に、身近な問題として考えていただければ幸いです。

2006/11/29

梶山正三弁護士講演会:アンケートによる出席者コメント (katsudo)



遅ればせながら11月18日の梶山先生の講演を聞いて、アンケートに答えてくださった方たちのコメントをまとめました。ご覧になれば、梶山先生がどれだけ具体的で説得力のある話をしたかが分かると思います。講演会に来れなかった方も、ぜひ読んでください。

梶山先生の講演には高度で有り断定的な物言いが出来る、確たる知識に裏打ちに有って説得力を感じます。
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実体がよく分った。阻止してみせる!!!
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専門用語等、少し難しい事が多かったけれど灰溶融炉の無意味さと危険性がよく分りました。また、ちの市、富士見町、原村の行政がいかにお粗末で、いかに頭の悪い人たちの集まりであるか。無責任さに腹が立つより、あきれてしまいました。本日は、このような場を設けていただき、どうもありがとうございました。
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施設必要なし。 現施設の不備が心配だ。個人の出来ること ゴミの分別、減量の仕方を皆で学習する場がほしいです。
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非常に具体的でよく判りました。このお話を矢崎組合長、矢島町長などに聞いてもらうのが第1だと思います。何とか第1歩して機会を設けてください。
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今後、住民、特に、予定地周辺の住民の反対運動をどう高めていくか、ご検討願えればと思います。
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重大な問題点を広く、知る事ができました。やるべき事を具体化していく必要があります。とても参考になりました。
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住民が主体となる、行政をどうしたら作り上げれるのか、ぜひ一緒に考えていけたらいいなと思っています。
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私は、杉並のほうに現在住んでいますが、地球環境、ゴミ問題に対し将来を非常に危惧しており、今回参加させていただきました。どこに住んでも、これからは危ない時代ですね・祖母や妻の祖母がこちらの出なので、気になります。協定を結ぶよりも計画を無くす方向で支援できたらと思います。又情報をください。
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とても内容の濃いお話を伺い有意義な会合でした。岡谷市でも湖周ゴミ処理施設(岡谷市、諏訪市、下諏訪町)を今のをこわして今の場所に新たに建設しようとの計画です。ガス化溶融炉か、今のストーカー炉+灰溶融になるかは未定だと行政ではいっていますが、ガス化との話ももれ聞いています。ゴミ量、人口等今日の先生のお話と全く同じ再検討が必要だと思っています。生活クラブ生協では、生ゴミ堆肥化をして今の炉を直しながら大切に使うとの要望書を出しており、これが正解だと思います。がこれが市民に広がっているとはいえません。
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お話ありがとうございました。資料をよく読んでないとか現状はよくわからないというのは必迫している私たちに対してどうでしょうか?運動方法で宣伝車が走ってますが知ってる人にしか解りません。短い言葉でゆっくり走ればどうでしょうか?現場近くの学校のPTAから茅野、原村、富士見に広がらない(問題意識が)のが信じられない。風評被害でカゴメのトマトジュースや農作物、観光への影響も心配です。
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膨大なデータ、事実を元にした論理的なご講演で、極めて有益でした。(感情論だけでは住民運動絶対うまく行かず、理論式装が必項だと思いますので)
質問が1点あります。「協定は次善策」とのご意見には賛成ですが、対策は検討しておくべきと思います。協定交渉の際、事業者側が有利に利用できてしまう可能性(①時間切れに持ち込めてしまう。 ②「検討した」アリバイ作りなど)のある法的根拠として、何か有るのでしょうか?
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・説明がとてもわかり易く、具体的で理解できた。
・何があっても建設を阻止しなければいけないと強く思った。
・組合の資料ももう少し詳しく分析して理解したい、ゴミの原単
・ゴミ処理の現状で茅野、富士見、原で同条件のごみ収集をしているのかも知らなくていけない。
・この講演会を持ってくれた事は非常に良かった。
・この講演会を無駄にしない様に
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今までの説明会ではほとんど本質的な意見交換ができていなかった。専門家の視点から今日の灰溶融施設の件には多くの疑問点があることが分かった。
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参加者が少ない→周知方法・活動方法を考えなければならないのでは。
設置反対運動とごみ減量化 同時進行
ごみ減量・分別に対する住民の意識を変化させる。
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何人か話をした地元の方達について感じたことです。
・行政のやることなのでそんなに大きな間違いはないのではないか?
・よそからきた人ばかりが中心になり行政とやりあい、疎外感がある(合併の時にもそう感じた。かやの外)
・説明会等、興味はあるが周りの目が気なる。推進派の人たちとの付き合いもあり、思うように動けない。
この3点は非常に大きな壁だと感じます。どうすれば地元の人主体で行動をしてもらえるか、考えていきたいと思います。
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紙ばこが多いのはダンボールの値が下がるときにリサイクルでなくゴミで出しているからだろうか ― 推測(野菜や花などの梱包等かな)
ここまできっちり必要性が無いことを説明していただくと納得できる。今までは80%ぐらい不必要と思っていたが今日100%いらないと思えた。
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今まであいまいだった知識が非常にクリアになりました。ありがとうございます。
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メーカーと行政
基本計画の弱さ、無責任さ、
廃案にもっていけるのか?
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毎度お世話様です。募金の箱が廻ってきましたが持ち合わせがなかったので僅少ですが同封致します。
大変良いお話でまたお聞きしたいと思いますがお話の主力が建設に対する策が主だったような気がしましたが、ゴミは燃やさない埋め立てないというシステムが確立されている現在の情勢等の話を聞きたいと思いました。
先生の講演の謝礼はおいくらくらいですか 参考のためにおききしたいのですが。
NHKでも最近新しいシステムの処分場の放映等を時々耳にしますのでそうした専門家のお話を聞きたいと思います
何卒よろしく

2006/11/27

灰溶融炉施設整備計画の何が問題なのか:ゴミ弁連の梶山正三会長による講演会 (katsudo)


11月18日には環境会議・諏訪の後援をいただき、ごみ問題に関する講演会を開催しました。講演者は、弁護士で理学博士でもあるゴミ弁連会長の梶山正三さんでした。

梶山先生の依頼で、諏訪南行政事務組合から出されているごみ処理計画書や灰溶融施設の計画に関する詳しいデーターを前もって送りました。講演では、先生はそれらのデーターを基に、灰溶融施設全般の問題に留まらず、今後3市町村のごみ問題を考える上で大変参考になる講演をして下さいました。(つづく)

私たち八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワークは組合の理事者と議員の方々を初め、茅野市、富士見町、原村のそれぞれの議員や、ごみ減量推進会議、または公害防止協定の締結を模索している地元の集落にも講演会の案内状を送りましたが、70人ぐらいの出席者の中には残念ながらその方々の姿は少なかったです。
いずれにせよこの問題にどちら側に立っても大変有意義な話だったので、これからその内容を有効利用して、広く伝えたいと思います。
まず、梶山先生が提供してくれた講演のレジュメを載せます:

灰溶融炉施設整備計画の何が問題なのか

1 灰溶融炉ってなんだろう~歴史的経緯・構造・機能
 (1) 溶融炉の種類と歴史~見捨てられた技術が、なぜ?
 (2) ガス化溶融炉と灰溶融炉~一般的なフローと特徴
 (3) スラグとメタルの再資源化?

2 灰溶融炉導入がもたらすもの~危険性と財政負担
 (1) 灰溶融炉の不経済性
  ・原理的な不経済性
  ・ガス化溶融炉と比べてみると
  ・イニシャルコストとランニングコスト
  ・耐用年数から見ると

 (2) 灰溶融炉のもたらす危険
  ・灰溶融は、何のため?
  ・「減容と有害物質封じ込め」はほんとうか?
  ・メーカーは「危険性」を知らない?
  ・排出される有害物質とバグフィルター神話の嘘
  ・掘り起こし物と焼却灰、飛灰を「混合処理」することの危険

3 これからのゴミ行政における灰溶融の意味~灰溶融なんて要らない。
 (1) ゴミ排出量と将来推計
  ・家庭系の原単位が大きすぎる
  ・事業系と家庭系の将来推計
  ・まず、事業系をオミットしよう
(2) 既存の処理システムと処理施設は?
  ・最終処分場と埋立物~中間覆土・即日覆土は?
  ・最終処分場と焼却施設はいつまで使えるの?

(3) 広域化計画に未来はあるか?
  ・そもそも「広域化」とは
  ・広域化の持つ2つの意味
  ・本件の「広域化計画」は適切か?
  
(4) 灰溶融の「位置づけ」の誤り
  ・財政的な誤り
  ・耐用年数からみた誤り
  ・将来推計から見た誤り
  ・広域化計画から見た誤り

4 地域住民は何をなすべきか~公害防止協定の危険性と欺瞞性
 (1) まず、問題意識の共有から
  ・住民自治と団体自治~地域の生活環境の保全は憲法で保障
  ・廃棄物処理基本計画を「住民の目」で見てみよう
  ・初心に帰って計画を見直す
  ・原単位が「大きすぎる」原因は何か?
  ・広域化を当然の前提にしない

 (2) 公害防止協定の危険性と欺瞞性
  ・公害防止協定の法的意味
  ・当事者は誰か?
  ・公害防止協定に実効性はあるか?
  ・具体的な事例から考える 
     当事者を誤った協定~個々の住民に「権限」がない
     無内容な協定
     違反事実の認定とその方法が決められていない
     施設の維持管理データ、財務データの開示、住民の常時立入権
     臭気測定、大気測定、土壌測定などに関連した誤り
     施設の停止その他の措置と「決定権」
  ・運営協議会方式について

 (3) 実効性のある協定は、可能か?
  ・締結するのを相手が嫌がるような内容にする

 (4) これからの住民運動の課題
  ・残された時間は?
  ・いくつかの事例から
   長野連合の場合、東御市の場合、東京都23区の清掃工場の場合、エコループの場合、長崎県琴海町の場合、千葉市三角町の場合、日の出町の場合、豊科・阿智の場合、明野の場合・・・

2006/11/04

梶山正三ゴミ弁連会長 講演会 チラシ (shiryo)

11月18日に行う梶山正三弁護士の講演会のお知らせです。
画像をクリックすると拡大される。
(1)

(つづく)
(2)

漫画チラシ第5弾 (shiryo)

お待たせしました!第5弾の漫画チラシです。
画像をクリックすると拡大される。
(1)


(2)
href="http://photos1.blogger.com/x/blogger/6543/2522/1600/880311/manga5-2.jpg">
(3)

(4)

2006/10/31

予定地の地質調査 (katsudo)


灰溶融炉を考える会などで作る八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワークは地質的に問題があるはずの休戸がどうして第一候候補地に選ばれたかは納得できなかったので、信州大学の小坂共栄教授に相談したところ、ご好意で2回に渡り現地調査して下さいました。
小坂先生は地質学者で、フォッサマグナなど、この地方の地質を数十年間地面を這って調査しています。副学長でもあり、多忙の身でありながら、9月30日、10月8日の2回も調査に時間を割いて下さいました。
地質調査と水源調査の結果を地図で示す記事を載せたが、
調査の様子については、両方の調査に付き合ってくれた富士見町のエンジェル千代子町議の地質調査リポート1地質調査リポート2をご覧になってください。

調査結果は、予定地の周辺は断層が多く、新たに作る施設をあえてあの場所に建てることは慎重であるべきで、少なくとも、小坂先生のような、自分の足で歩いて地道に調査をする権威ある専門家による詳しい調査が必要だと痛感しました。そう言う調査を行わず、なぜ「100%安全」と断言できるか、理解できません。何回も繰り返すが、組合は住民の安全と健康を果たして考えているでしょうか?

10月21日の説明会で配った「気になるニュース」 (shiryo)

ぜひ読んでください。
内容は:
* 大月都留の灰溶融施設の悲惨な利用状況
* 酸性雨の条件化では多量の鉛がスラグから溶出するという広島県保健環境センターの試験結果
* 小坂先生との地質調査についての新聞記事
画像をクリックすると、PDFファイルが開く。(Adobe Reader が必要

2006/10/27

組合がちゃんと答えないから再質問状を出したのに... (katsudo)

10月21日に再質問状に対する組合の回答をいただきましたので、アップしました。同時に提出した要望書に対する回答もアップしました。両方とも紙ベースのものをスキャンして、OCRソフトで文字化しました。入念に結果をチェックしたが、読み取りミスはまだ入っているかも知れません。気付きの点がありましたら、お知らせください。尚、色づけは見やすくするためにこちらで行いました。

再質問状の回答:
http://fujimi.mond.jp/files/061021_saishitsumonjo%20kaito.pdf
要望書の回答:
http://fujimi.mond.jp/files/061021_yobosho.pdf

10月21日の説明会に出席した方ならすでにご存知のように、組合はこちらの要望を全く受け入れませんでした。その結果、説明会は今まで通り、矢崎組合長のペースで進められ、都合の悪い質問が出ると、はぐらかしてさっさと次の質問者を指す。(つづく)

あれだけ大きなニュースになった大月都留の灰溶融炉を取り上げたNHK山梨の報道も、灰溶融炉の建設を考える上で大切な参考資料になるはずなのに、こちらからの試写の要求を組合長は繰り返し拒み、その報道についての事務局の調査だけで終わらせようとしました。組合長も、その映像をまだ自分の目でみていなかったそうです。報告を受けながらもあれだけ衝撃的な映像を見たがらないとは、さすが組合長だ。幸い、そのままでは話が先に進まないと悟った組合長は最終的に渋々と試写を許しましたが、その抵抗には「何が何でも休戸で作るんだ」と言う姿勢を大勢の前で披露して下さったので、逆に良かったと思ったりもする。それにしても、住民のための説明会と言うのに、2-3分間の映像を見せるのになんでこれだけ戦わなければならないだろうか。
再質問状に対する組合の回答を見ても、住民が投げかけた疑問に誠意を持って答えるという姿勢はどこにも見当たらない。皆さんはどのように感じられるでしょうか?

2006/10/25

地質調査と水源調査の結果を地図で (katsudo)

ネットワークは9月30日と10月8日に、信州大学の小坂共栄教授の好意で予定地の地質調査を行い、また10月15日に花場などの水源調査も行った。遅ればせながら、その結果を地図と写真で見せるサイトができたので、披露したいと思います。

下の画像をクリックしてください:

2006/10/16

灰溶融炉の悲惨な現状を伝えたNHKニュース (shiryo)

NHK山梨が10月13日、NHK全国放送が14日と15日に放送したニュースで、山梨県の大月市と都留市で作る広域事務組合の灰溶融炉の悲惨な現状を伝えた
4年前に46億円もの建設費をかけて焼却施設と一緒に建設された灰溶融炉施設の稼働状況は予想外で、去年1年で稼働したのは21日間だけ。予定では4700トンの焼却灰をスラグ化するはずが、たったの238トンしかできず、今年にいたっても、わずか13日のみ稼働しただけという。
原因はJIS規格に適合したはずのスラグの需要がまったくないためだそうです。
ニュースでは、大月の灰溶融炉の中にカメラが入っていて、貴重な映像も幾多あります。
諏訪南行政事務組合は二十数億円の皆様の税金をかけて富士見町の休戸で同じような灰溶融施設を作ろうとしている。この映像を見れば、どれだけ無責任な計画かは一目瞭然だと思います:
http://fujimi.mond.jp/files/061013_Otsuki%20haiyoyuro.wmv

2006/10/09

遅ればせながら、漫画チラシ第4弾 (shiryo)

お待たせしました!第4弾な漫画チラシです。
ついでにお知らせ:
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次の説明会は10月21日(土)、夜7時から。
場所は富士見町のコミュニティ・プラザの大会議室。
必ず来てください。できたら友人知人などにも声をかけて、一人10名を引っ張ってきてください。

画像をクリックすると拡大される。
(1)


(2)

(3)

(4)

2006/10/03

再質問状の提出 (katsudo)

前回の質問状に対する諏訪南行政組合側の回答があまりにも不完全だったため、仕方なく再質問状を提出する事にしました。ダイオキシン発生やこの間落合地区が要望した「公害防止協定」と言うものの有効性、環境省の手引きに照り合わせた入札の透明性などについての新しい質問も加えました。組合側の前回の回答に疑問を感じた方はぜひとも一読してください。今回こそ誠意ある回答を切望します。
再質問状:http://fujimi.mond.jp/files/060925saishitsumon.pdf
また3回目の説明会で一目瞭然となったが、組合長が説明会の司会を行うのでは、公平な進行は望めませんし、質問しても誠意ある適切な返答も得られていませんので、再質問状と一緒に改善を求める要望書も提出しました。
要望書:http://fujimi.mond.jp/files/060926yobosho.pdf

次の住民説明会の日程は次の通り:
日時:10月21日(土)午後7時~
会場:コミュニティ・プラザ2階 大会議室
(問合せ:富士見町建設課生活環境係 電話0266-62-9114 有線 9114)

計画中の灰溶融炉というものは安全性に多大な疑問があり、富士見町の澄んだ空気と美味しい水を確実に汚染する施設です。しかも本格的にごみ減量に取り掛かれば、不要な施設でもある。建設と運営に莫大な税金も使われるこの施設に疑問を抱く方がいらっしゃったら、ぜひとも地元の議員にも疑問をぶつけて、そして10月21日の説明会に足を運んで、組合の理事者たちにもその疑問をぶつけてください。

2006/09/13

ごみ問題に関するアンケートの結果発表 (katsudo)

お待たせしました!8月26日の住民説明会で、説明会の内容や、灰溶融施設の建設、ごみ減量などについての簡単なアンケートを配布し、合計30人ほどの参加者から回答をいただきました。皆様、ご協力をありがとうございました。遅くなって申し訳ありませんが、その結果とコメントの全文を発表します。

ご覧になればすぐに分かる事ですが、参加者の間には建設計画そのものに対する疑問も非常に多いが、説明会の運営の仕方や、組合側の態度やマンナーに対しても大いに不満があるようだ。組合にもぜひともこの中に書かれている住民の意見を真摯に受け止めて改善を図っていただきたいと思います。


Q1.今回の住民説明会での組合の説明に納得されましたか?

ア. 充分納得した。0人
イ. おおむね納得した。0人
ウ. やや納得できず不満。1人
エ. まったく納得できない。28人
オ. その他。1人
《理由》
○ 説明会の内容もさながら、態度の悪さに、まるきり納得できない。公僕ということを忘れている。
○ 相変わらずはぐらかしている。無理もないけど。
○ 肝心な部分がはぐらかされてます。
○ 住民が最も心配している安全性に関する正確な答えがない。それは当然のことで発生源への考慮がない故。
○ 先に施設ありで枝葉の質問をしても納得できる回答が出ない。
○ 公開質問の答えが、漠然としているものが多い。
○ 質問に対して、答えがずれている。行政のモラルが低すぎる。住民は「人間として」不安を持って質問しているのに、行政の答えは国の基準さえ守ればokという「役人気質」から一歩も出ていない。人の身になって考えるというモラルの基本が欠けている。
○ 行政側は説明をすりかえている。
○ 行政側の返答が、きちんと答えになっていない。
○ ほとんどが業者が決まっていないということで直接的回答がさけられている。
○ 質問状や会場での質問に対し、回答が中途半端。特に安全問題は不充分。
○ 初めて出席したが、建設を前提とする人が多いのに驚いた。
○ 質問に対して、答えがちぐはぐ。答えになっていない。
○ 住民の質問にきちんと答えていない。
○ そもそも必要かどうか(他の施設も含めて)の検討がなされていない。

Q2.説明の内容は理解できましたか?
ア. よく理解できた。2人
イ. おおむね理解できた。2人
ウ. あまり理解できなかった。8人
エ. ほとんど理解できなかった。14人
オ. その他。4人
《理由》
○ 説明会なのに、説明する立場の人が内容をわかっていないのではないだろうか。だから、答えらしい答えがでないのではないか。
○ 何が何でも作るんだという立場からの説明だから、その範囲内で理解できた。
○ はじめに計画ありきという行政の説明であれば説明されても理解できない。
○ 理解に足る説明を得られなかった。
○ メーカーが決まっていないから説明できない?
○ 基準値以内ならそれでいいという考えの気がする。具体的な安全に対する取り組みを考えてないようだ。
○ ごみ減量化問題への「スリ替え」の意図を感じた。
○ 質問の意味をわからないまま答えているため、ピントがずれていてほとんど答えになっていないです。特に清掃センター西澤さん。彼は自分の答えが答えになっていないことすら自覚されていないようです。知識がなく能力の無い方が答弁をするのは止めて、他の方に変えていただきたい。
○ 根拠が示されない。
○ 根本のところで逃げている。質問状に答えてない。
○ 行政側の返答がきちんと答えになっていない。住民の問に対し、きちんと答えてないので理解できる以前の話。
○ ほとんどが業者が決まっていないということで、直接的回答がさけられている。
○ 内容以上に「どっちにしろ作る」という考えが見え見えで、こっちの意見をまったくrespectしていない。
○ 質問に対する答えになっていないので、説明内容は理解できても納得がいかない。
○ 質問に対して十分に答えていない。
○ 行政の意図は残念ながらよくわかる。

Q3.灰溶融炉の建設についてどのように思われますか?
ア. 大いに賛成。0人
イ. どちらかと言うと賛成。0人
ウ. どちらかと言えば反対。4人
エ. 絶対に反対。26人
オ. その他。0人
《理由》
○ 一旦は必ず白紙にし、そこから再検討をするべき。
○ ごみ問題の本質的な解決にならないだけでなく、更に深刻な環境問題発生の原因になる。
○ 多くの税金を使って問題のある施設を作るべきでない。
○ 今の行政組合に不安を感じる。
○ 環境・健康・経済的、色々な面からひとつも良い事がないと考えます。
○ 施設を作ればごみは減らない。次の世代につけを先送りするだけ。
○ 経済性・安全性・環境面、どれをとっても納得できない。国の基準も信用できない。
○ 必要ない施設だから。

Q4.Q3で反対と答えられた方にお訊ねします。
(1)反対する理由は(複数回答可能)
ア. 事故・安全性。25人
イ. 健康。24人
ウ. コスト。24人
エ. 環境への影響。27人
オ. その他。5人
《理由》
○ まず第一に建設ありき、ごみ減量の努力を何もしていない。70%のごみを出す茅野の住民が知らんぷりをしている。
○ 行政側の姿勢にも多々疑問あり。
○ 安全という言葉への抵抗。万に一つの事故で人が責任をとることは不可能。
○ これ以上の環境(水、空気、土)汚染を減らしていく行政の努力なしに、この星に住む人々の、そしてもうすでに不の影響が出ている子供たちに未来がないという不安。
○ ごみの減量の取り組みをすることが、まず第一に重要である。
○ 組合の人たちが信用できない。
○ 質問に対する回答を聞いていると、よくわかってない気がする。矢崎さんは頑張ってるのはわかるが、他の人の姿勢に不安を感じる。
○ ごみ問題への解決にならないどころか、ごみ増量につながる。
○ 灰溶融炉メーカーに勤める叔父からも、事故が多くメーカー側でも予測しないトラブルが多発しており未完成の技術だと聞いています。また、高温にしてもダイオキシンは消滅せず、冷却されるとフィルターで新生されます。高温化により重金属が気化し煙突から出るという害あり。灰溶融はデメリットだらけです。
○ ごみの減量化が先のはず。みんなでごみを減らして、どうしても残ったものを焼却するというのなら少しはわかる。
○ 建設するメリットがない。
○ ダイオキシンは直接空気が肺に悪影響をおよぼす。次の世代まで、影響を残す。
○ パートナーシップを進めてきた矢崎さんなら、住民の意見に真摯に耳を傾け、進むべき方向をさぐって欲しい。
○ すでにコンサルタントにあんなに無駄遣いしてるし(しかもなんだか信用できなそうな調査)、パノラマの例もあるし、これ以上金問題をこれからの世代のためにも増やさないで欲しい。
○ (住まいが)予定地に近く小さな子どももいるので不安です。
○ 必要が無い。もしくは、他の選択肢に比べて必要性が劣る。

(2)灰溶融炉建設以外の代替案として、どのようにするべきだとお考えですか?(複数回答可)
ア. ごみを減量する。30人
イ. 埋立地を拡大する(新設を含む)。8人
ウ. 焼却灰の処理を外部に民間委託する。6人
エ. その他。0人
《理由》
○ 従来型の最終処分場ではなく、風雨も避ける完全に管理型のものを作る。
○ 現状の再調査。焼却灰の徹底した管理。
○ 30億近くの予算があれば、大いに減量化できる事があると思います。
○ まだまだごみは減量できるということは、ほとんどの人々が考えている。不必要なごみの素が多すぎる。
○ まず、焼却するごみを大幅に減量すること。徳島県上勝町では1年間で8割減したそうで、やればできるはず。それで埋立地の寿命を2年から10年に延ばし、その間に次の対策を考える。もし間に合わなければそのあいだだけ灰を民間に委託するのがベストだと思います。
○ もし埋立地が一杯になるのなら、そのあいだのみ焼却灰の処理を外部に民間委託する。
○ 同じ予算で他のリサイクル施設をつくった方がいい。
○ 有害物質を焼却しない技術を探究する。リサイクル、堆肥、メタンガス化。。。
○ ごみの減量を計りながら、施設に頼らずに済む方法あるいはもっと安全で環境に配慮した施設を研究する。
○ ごみの減量がどれだけ灰溶融炉より長い目で良いかっていうのを、数字とか真実味を出して、こっちから説明すればいいと思う。あんまりダラダラ言うと、向こうも嫌がるので、弁護士っぽくキツく「これしかない」ってかんじで…。
○ 生ごみ、紙のごみ、プラスチック類を徹底的に分別すれば大幅に減量することが可能と思われます。
○ どうせ作るのなら、もう少し茅野の焼却炉の寿命を待って、ガス化溶融炉を作った方がまだしもマシでは? 灰溶融炉単体ではもう補助金が出なくなると聞いた。政府の方針としてやめるということではないのか。

Q5.今回「八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワーク」より、公開質問状を提出し、文書で回答をお願いしてみました。このように公開質問状を住民説明会に活用することをどう思われますか?
ア. 大変良い事だ。24人
イ. まあ、良いのではないか。5人
ウ. あまり良くないと思う。0人
エ. 良くないので止めるべきだ。0人
オ. その他。1人
《理由》
○ 会場での質問内容がバラけないのでよいと思うが、一つひとつ組合側から回答してもらい、その場でさらに質疑する方がよいのではないか?
○ 住民と行政の意見交換、問題について考えること、情報公開に関することなど有意義です。
○ 手段の一つとして良い事ではあるが、今回の回答結果をみると……
○ 問題点が整理できる。
○ 住民個人がもっている問題意識を明確にして、わかりやすくなった。
○ 問題点を考える資料となる。
○ 行政側が文書で回答できたと思われても……。でも次回も作って欲しい。
○ それにしても、やはり建設を前提としているので、何となくしっくりこない。
○ 文書になると、口答で答えるよりわかりやすい。わからない(説明不足)部分がよくわかる。
○ 文章にして持ち帰れるので、うちに帰ってからゆっくり読める。
○ でも相手の答えがどうしようもない物なので、今度はYES/NOで答えてもらって、ごまかされないようにした方が良いと思う。
○ 質問状は良い事だと思うが、その回答が不十分すぎる。

Q6.ごみ減量化の計画は思うように進んでいません。ごみを減量するためにどうすればよいと思いますか?
○ 本当に難しいですね。
○ 行政関係者が、今までの延長で考えても何の進展もないのはわかっているはず。住民主体の組織が必要。
○ 排出規制。
○ 排出割にする。生ごみリサイクル。
○ 意識改革。
○ メーカーやスーパーなどに回収を義務付ける。
○ 最終処分場がいっぱいになるという危機に対する対策が巨大施設で解決するという事ではなく、減量化で解決していこうという意識を行政と企業と住民が同時に持つ。
○ 個人が心がけることには限界があるので、基本は口のこの問題への姿勢が重要。行政が経済を優先するあまり環境問題を二の次にしている。個人が便利を優先しているのも問題です。
○ ごみが出ないような販売(簡易包装等)を店・企業が行う。分別・リサイクルの種類を増やす。リユースする仕組みを作る。
○ 生ごみの堆肥化など先進地の取り組みを学び、前例が無い事でも取り組む。
○ 減量化した数値を明示し住民意識を高める。
○ 生ごみは農家は畑に帰すのは容易。プラスチック等は分別。
○ ごみ問題は構造的問題でしょう。その構造を分析し、構造を変えていくこと。
○ 住民がごみ減量推進会議に沢山参加し、住民協働(あるいは主導)でごみ減量に取り組むことが必要だと思います。
○ ごみを買わされている現状はおかしい。企業に対する発生抑制が不可欠。
○ まずは施設建設を1年間位先送りし、ごみ減量化についてみんなで考え実行に移すこと以外ないでしょう。
○ 企業者・製造業等に猛省を促す。消費者住民は家庭での徹底的なごみの減量を明日から始める。
○ 生ごみの処理。リサイクル。
○ 生ごみは土に帰しているので、プラスチック、ビニールなどを発生源(販売者)で減らすよう町と協定を結ぶ。
○ 住民が行政にしつこく働きかける以外に方法はない。勿論、住民自身も活動に参加しなくてはダメ。
○ 事業所におけるごみの減量が第一。ごみの有料化。
○ 一人ひとりの努力も大切だが、つまるところ企業や業者の協力がなければ進まない。
○ 町長が町民に「私もがんばるのでみんなで必死にやりましょう!」と言って、やる気を出させる。町長が「ついてこい」ぐらい厳しい気持ちで呼びかければ、町民の関心も強まると思う。
○ ごみ減量推進委員会をもっとオープンなものにし、3市町村に広く告知して行政と住民が一体となって減量に取り組めるような体制を作るべき。
○ 取り合えず、各市町村で一人担当職員を固定し、エキスパートになってもらう。ごみ減量化会議をオープンにする。
○ 発生抑制。住民(市民)のごみ減量意識の向上のため、行政が率先して学習会を行う。

Q7.今回質問したかったが、指名されずに聞けなかった事や、今後是非聞いてみたい質問があればお書き下さい。
○ 町長はくず屋だったと言ったが、灰溶融炉とどう関係あるのか?
○ 組合の議会のこと「議員はどうせ何もわかっていないから説明会にきても仕方がない」と言われて恐くなった。組合を誰がチェックする? 議員は勉強する気は無い?(説明会はいい勉強になると思われます)
○ 生活環境調査の内容を公開して欲しい。何をもって影響がないと言ったのか根拠がわからない。
○ 検討委員会では一体何を考えどういった経緯でどういう結論が出たのかは、まるで情報公開されていないので、公開してもらいたい。6方式13社をどうして選んだのか、それぞれの安全面等に関しては答えられる筈なのに答えていない。
○ 今回説明会資料NO3の県下4地区ダイオキシン類の推移の測定地点、4つの合同庁舎のダイオキシン量の推移という(ダイオキシンは減っているという)資料のおざなりで一方的な内容の意味がわからない。このことに関して説明を求めたかった。
○ 書ききれません。今回、コンサルト会社を呼ばなかったのは何故か?
○ 事故や故障した施設の割合と、その数値が安全といえる根拠。
○ 私は最後の方で質問しましたが、意図は灰溶融炉での現場労働者がその実情(当人の健康を含め)を良く知っているのでは、と思ったからです。原発やアスベスト製造現場と共通項があり、その安全性に関してもっと考えてと思いましたので。
○ スラグがJIS化されたとしても行政の方は自分の庭に使うことができますか? 他人の家の前の道路なら使えるのですか?
○ とにかく「安全」という言葉で通りすぎず、その根拠を示して欲しい。ごみ減量推進委員会が富士見から住民枠が2名で原・茅野が公募枠がないのはなぜか? これで公平な委員会といえるのか?
○ 自分の質問(スラグは本当に売れるのか)については何の根拠も示されなかった。
○ この問題の情報公開。メディアの活用、地元新聞等にもっとどんどん記事を書いて貰う。住民があまりにも知らなすぎる。
○ 質問状できちんと答えていないこと全部。
○ 質問1-②の回答について、11件しかないことに不安を感じます。判定委員会について安全工学にくわしい先生の参加を。
○ 建設に関する問答を一旦中断して、代わりにどうやってごみ減量化を推進するかについて議論したい。
○ スラグのJIS規格が決まりましたが、他諸国に比べてどの程度の位置にあるか? 欧州諸国に比べて特に知りたい。
○ 聞きたい事は山ほどあるが、今日のような説明会では何度やっても同じだ。住民の知りたい事に、行政はきちんと答えて欲しい。だから何回も何回も同じような質問をくり返す事になる。
○ 何度この説明会をやってもなにも解決しなそう。こっちが何を言っても、どっちにしろ作るんだったら早くそう言ってほしい。そして、どうしたら今の状況がマシになるのか一緒に考えるくらいもっと積極的になって欲しい。それにしても、矢崎市長はずいぶん自分に都合の良い記憶力をお持ちのようで…。
○ 水道水が60t必要だと言われたが、それを確保すると、住民の水が不足しないのか。水は汚染されないと言うが、それは本当なのか。(多分聞いても「大丈夫」と言われると思うが…)
○ 灰溶融炉単体で政府の補助金がもう出なくなることについて。灰溶融炉を選択した理由・過程を詳しく知りたい。

Q8.住民説明会についての意見・ご要望なんでも自由にお書き下さい。(今回の説明で納得できなかったこと、不安に思っていること、灰溶融炉についてのみならず、ごみの減量についてでもなんでも結構です。)
○ 矢崎市長がしゃべりすぎる。もっと内容に適したことを答えてほしい。こちらが質問中なのにさえぎって自分がしゃべり出すマナーの悪さを注意して欲しい。組合担当者も何を言っているのかよくわからないので、簡潔に回答するべきだ。
○ 大型事業を推進する場合、費用対効果の面でどうなのかってことも考えるはずだけど、その辺りの観点が追求されていないことも不思議。
○ 公開質問状にちゃんと答えていないね。
○ 回を重ねるごとに参加人数が増えて欲しい。その為にはどうするべきか?(危機感を煽るしかない?)
○ 事務方さんも本当はわかっていないように思う。みんながやっているから大丈夫とは言えないよね。
○ 環境汚染のことについていえば、農薬の空中散布がとても気になり、今回のような計画との複合汚染が更に心配です。このことも質問したかったので残念でした。
○ 灰溶融炉の建設計画はいったん延期して、幅広い住民参加のもとでごみ減量の取組を検討し、実施していくことが重要。
○ 組合長以下の不誠実さが不安で不安でしょうがない。
○ スラグを敷き詰めて、10年、20年、50年…。水雨や氷や風化等で何が溶け出すのか不安だ。
○ 原村民茅野市民に周知されていなかったとは驚き。私は北杜市民だが、北杜市民全員にも知らせること。
○ 行政の方には、行政だけに通じる常識にとらわれず、ひとりの住民としてまた人間として本当はどうなのか? 振り返って欲しい。自分の子ども、孫に残したいのはどんな環境か?数年先だけでなく20~30年先、100年先を考えた方針を出して欲しい。
○ 例えば、ダイオキシンを常時モニターする装置の導入など、安全面では手放しでよいことだと思うのだが、なぜ行政は検討しないのか。ごみ減量は“発生抑制”しかありえない。その検討を。
○ 説明会の進行を茅野市長のみがやるのはおかしい。説明会の運営方法に住民も加わるべきです。
○ 他県の灰溶融炉の稼動している場所の付近における、住民の健康状況、健康被害、地質・大気調査結果。
○ 住民との協働と言うが、行政が広報やまとめ役をやらなければごみ減量は進まない。住民に責任を押し付けている様に感じるのは私だけではないはず。
○ 町長と市長はこっちがみんなの安全や健康にかかわる事、そして真剣に話しているのにヘラヘラといつも笑っていてすごく失礼。質問してる方があきらかに組合より勉強している! なんだかもう組合と張り合うのもバカバカしくなる程、向こうの答えはお粗末。納得いかないまま作る事になったら、座り込みでもすればいいと思う。若者の関心が町の問題に向かないのは、自分たちが何をしても変わらないと最初から思っているから。今回のことをもっとメディアを通して広めて、何かを町民の手でも変えられると言うのを今の大人たちに見せて欲しい。もし止める事ができなかったとしても色々できる事やるべき事があるという事を若者に知らせる良い機会だと思う。
○ 重金属が放出されると聞いているが、それは測定できないのか? もっと地元住民をはじめ周辺の人たちに危機感を持ってもらえるように何とかしなければと思っているのだが、なかなかうまくできないでいます。
○ 一人ひとりの質問が、組合長の口先で言い負かされ、ごまかされるのを何とかしたい。虚しくなる。
○ 進行が一方的。考える会の側と組合側が討論する会があったらと思います。

アンケートに協力くださった方々
茅野市:2名  富士見町:18名  原村:8名 北杜市:2名

男性:16名  女性:13名  性別不明:1名

20歳未満:0名  20代:1名  30代:7名  40代:7名
50代:8名  60代:6名  70代:1名

2006/09/07

8月26日説明会の録音ファイル (shiryo)

8月26日の3回目の住民説明会の録音を5つのファイルに分けてアップしましたので、興味ある方はダウンロードしてください。今回の会場は町民センターと言う事で、音質は問題ない。ただしリコーダーはソニーのもので、録音を聞くのにソニーのDigital Voice Player Ver.2.1が必要。Windows環境なら、ここからダウンロードできる:(4.5MBぐらいのファイルです)
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/download/dvp204_01.html

説明会の録音ファイルは次の通り。それぞれ2.5-4.0MBぐらいです。
http://fujimi.mond.jp/files/060826_setsumeikai_01.dvf
http://fujimi.mond.jp/files/060826_setsumeikai_02.dvf
http://fujimi.mond.jp/files/060826_setsumeikai_03.dvf
http://fujimi.mond.jp/files/060826_setsumeikai_04.dvf
http://fujimi.mond.jp/files/060826_setsumeikai_05.dvf

2006/09/06

灰溶融施設はいらない施設 (kaisetsu)

富士見町休戸に計画されている焼却灰を再び溶かす施設は、必要のない施設です。現在、富士見町、原村、茅野市のごみは、茅野市にある施設で焼却処理しています。この施設は、あと10年ほど使えます。老朽化が進み建て直しが必要になった場合は、ごみを高温で処理するガス化溶融炉を入れる計画です。

私たちが毎日出しているごみの処理は、現在ある施設で処理が可能ですから、ごみの減量化に取り組めば新たな施設はいりません。仮に、焼却灰の置き場がいっぱいになったとしても、次に計画しているガス化溶融施設が出来るまでの数年間、民間業者に灰の処理を委託することが可能です。まだ未熟な技術で、現在も多くの爆発事故が起こっているような施設を急いで建設する必要はありません。

2020年までにごみをゼロにしようと取り組んでいる徳島県の上勝町でも焼却灰の処理は民間に委託しています。灰溶融施設には22億円あまりの建設費が必要です。しかも、年間の維持管理費は3億円以上にもなります。安全性に疑問が残る危険な施設をわざわざ導入しなくてもごみ問題を解決させる方法はあるのです。

2006/09/01

灰溶融施設の建設予定地を視察 (katsudo)

9月2日から5日にかけて、東京国際大学の学生さん達が
長野県廃棄物問題をテーマに県内5箇所を視察見学します。

<視察場所とそのテーマ>
■御代田町塩野地区 ガス化溶融炉建設予定地と浅間山系の地下水
■富士見町 灰溶融炉建設予定地
■豊科町 長野県廃棄物事業団処分場計画のその後
■伊那市 西部地区焼却施設建設反対の運動のその後
■阿智村事業団のその後について

富士見町に建設が予定されている灰溶融施設の視察は2日に行います。

<視察スケジュール>
2日
午後3:30富士見町休戸地区の建設予定地集合
午後7:00から地元の人たちとの懇談会

3日
午後7:00~9:30
勉強会
講師:関口鉄夫先生
会場:富士見町境 楽の家

テーマ
・ごみマフィアとガス化炉と溶融固化炉
・リサイクルの破綻と健康被害
・住民の環境権と運動、住民の化学運動

参加は無料です。
詳細についてはお問い合わせください。

2006/08/31

公開質問状に対する組合の回答 (shiryo)

8月26日の説明会で、ネットワークが提出した公開質問状に対する回答を、要望通りに参加者に配布して頂けました。皆様はこの回答を読んでどう思われるでしょうか?開いた口がふさがらないのは私だけでしょうか?
その一例:
質問3-
ダイオキシンについては、「検査結果が出るまでに1ケ月~数ケ月掛かり、技術的に難しい」との説明でした。しかし、検査結果が出てから炉を停止しても全く間に合いません。国の基準どおり、年1回では不十分です。すでに連続監視できる技術は確立されており、この地域の特性を生かし先進的事例として導入する考えはありますか。
<回答>
国の基準に従って実施する予定ですので、ご理解いただきますようお願いいたします。

国の基準では年1回、たった4時間の、しかもダイオキシンが発生しにくい温度を見計らってのサンプル採集。これでとても安心できないので、1週間から1ヶ月間の間に連続的にサンプルを採取し、年数十回の平均値測定を可能にする技術の導入を検討するようにお願いしているのに。。。

2006/08/28

長野日報記事: 組合が公害防止協定締結に前向きの考え示す (shiryo)

諏訪南行政事務組合の組合長である矢崎茅野市長が8月26日の住民説明会で公害防止協定締結に前向きの姿勢を見せたと言うニュースは8月28日付の長野日報の表紙のトップを飾っている:
公害防止協定の締結は北杜市白州町大武川区の住民が要望。「明野の最終処分場建設で山梨県と北杜市が締結した」とし、諏訪南行政事務組合と大武川区との協定を「釜無川流域の富士見町内集落と一緒に締結してほしい」と求めた。
(リンクはウェブ版へ)

2006/08/27

闇の中の計画決定: 水の使用量 (kaisetsu)

8月26日の第3回住民説明会にて、灰溶融施設で使用する
水について質問したところ、一日の使用量は約60tで上水から
取り入れると返答がありました。

機種が決まらないとわからないはずの水使用量をなぜ60tと
断定できたのか疑問です。

検討委員会で絞り込まれたメーカ13社の
対象物1トン当たりに使用する用水量と
[一日に使用する水の量]のデータを以下に記します。
(このデーターは、第3回検討委員会 資料2技術比較表からのものです)


一日の使用量が60tに近いメーカーは
クボタ
タクマ
川崎技研
富士電機システムズ
です。

すでにメーカーが決まっている可能性があります。
総合評価入札方式は、本当に信用できるのでしょうか?

2006/08/26

灰溶融炉・ごみ減量 最近の関連ブログ記事 (shiryo)

原村のbさんから、今日8月26日の説明会に当たって:
灰溶融炉建設問題で、明日の19時より、富士見町町民センターで第3回目の行政による、住民説明会があります。ゴミ問題は、日本中に住むひとにとって、もはや人ごとではありません。どうか、このメッセージを読んだひとりでも多くの人が、明日の住民説明会に足を運んでくれることを願っています。まずは、自分の眼で、現実を確かめるところから始めてもらえたらと思っています。R創造舎で配布したチラシに書いた文章を以下に載せておきます。

そして下諏訪町の生ごみリサイクルについて、富士見町のエンジェル千代子議員:
8月23日 諏訪湖岸の赤砂崎にある生ごみ処理施設を見学に行きました。
下諏訪は最終処分場が無く岡谷市で処分を頼んでいるそうですが、H27年くらいまで余裕があるそうです。
今からごみ減量に真剣に、そして具体的に進めている下諏訪町。大変勉強になりました。
暑い日でしたが、私たちのために2時間近く炎天下で説明してくださった担当の職員さんに、事業に対する熱意を感じました。

同エンジェル議員は原村で行われた子ども議会をも視察し、そのリポートの中で、ごみ減量について原村の村議会議員に質問した子どもが登場:
10人目「生ごみ処理の状況と堆肥化事業の推進について」
   現在行っている事業を、村がさらに援助して施設を増やしたり堆肥化について積極的にPRして推進する事ができないか、と言う内容です。   
   私も富士見町の担当に自分の意見を提案してみたのですが・・・

2006/08/22

8月20日 富士見町全戸配布のチラシ (katsudo)

今度8月26日の説明会に向けて、20日(日)に富士見町全戸にチラシを配布しました。8月10日に組合に提出した公開質問状がそのベースになっています。
なお実際のチラシは表面の見出し部分は手書きとなっています。
本当は原村にも茅野市にも配布したかったが、金銭的に富士見町だけで精一杯です。
原村、茅野の皆様、どうぞこちらで読んでください。

2006/08/16

ごみ減量化のカギは発生抑制 (kaisetsu)

我が「灰溶融炉を考える会」のメンバーである「のれさん」が、自分のHPでゴミの減量化について色々と参考になる記事を書いているので紹介します:
ゴミ減量化への取り組み提案
このメッセージが大事:
まず第一歩としては、“比較的”環境負荷の少ないリサイクル製品や、さらに “比較的”環境負荷の少ないリユーズ製品を利用する習慣を身につけ、さらにもう一歩進めて『ゴミを買わされている』という現実を認識し、それを『ゴミを売っている』側に突き返すような活動を試み、実行することが望まれる
しかし残念ながら、
「容器包装リサイクル法」では事業者負担を極端に軽くしており、それゆえに本法におけるEPRの実現度もわずかでしかない。その結果容器包装リサイクル法は、廃棄物の発生抑制や再利用の促進にはあまり役立たず、他方では大量廃棄にかえて、大量リサイクルをもたらしてきただけである。
上記のリンクは慶應義塾大学の経済学部の学生の卒論だが、その論文はドイツのDSD方式の導入を謳っている:
ドイツの制度の特徴は分別収集から再資源化まで事業者の責任で行われており、全ての静脈コストが事業者負担になっている点である。それが価格に転嫁されるため、生産・流通・消費の各段階で「発生抑制の動機付け」が働いている。
羨ましい限り。ドイツでは「経済活動の妨げになるから」と変な理屈を言わずに、業者に責任を負わせている。環境を無視した経済活動を法律で肯定する日本政府に見習って欲しい。収集を強いられている全国の地方自治体が、声を大にしてゴミの発生抑制を中央に迫ったら、無視できないはずだ。ごみ減量推進会議も、茅野市、富士見町、原村の理事者に意見書を環境省など関係官庁に提出するように働きかけるような活動も大事だと思う。

2006/08/11

公開質問状提出 (katsudo)

昨日、我が「灰溶融炉を考える会」と「八ヶ岳なんでも気にする若者の会」で構成されている「八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワーク」は、諏訪南行政事務組合に計画中の灰溶融施設についての公開質問状を提出しました。35項目と言うかなり内容の濃いもので、組合側の回答はこれから計画を考える上で非常にためになると思います。

同公開質問状は ここ をクリックすれば、PDFファイルとして表示されるが、その趣旨を書いた序文は次の通り:


 茅野市、富士見町、原村では、ゴミの焼却灰を1200℃以上の高熱で溶融する灰溶融施設の建設が、富士見町の休戸地区で計画されています。
 この計画は、平成14年ごろから検討が行われていたにも関わらず、私たち住民に計画の説明がなされたのは、今年の5月、6月で、工事着工が予定されていた平成18年8月のほんの数ヶ月前でした。
 
 “ごみ”は、茅野市、富士見町、原村に住むすべての住民及び企業などが排出するものであり、灰溶融炉の建設に要する費用を負担するのも私たち住民たちです。この“ごみ”をどのように減らして、再使用、再利用するのか、どうしても減らせないものをどのように処理していくのかというのは、行政だけで決定し、取り組むべきものではなく、この地域の住民、企業が行政と一緒になって検討し、取り組んでいくべきものです。また、私たち大人の判断による行動は、将来この地域、国の経済社会活動を担う子供たちを取り巻く環境にも影響を与えるものであります。
 
 灰溶融施設の建設・運用には約50億円以上もの費用がかかります。灰溶融施設は、まだ試行段階の施設で技術が確立しているとはいえません。またダイオキシンなど有害な大気汚染物質を排出するものでもあります。灰溶融炉の建設は、このようなデメリットだけでなく、“ゴミを減量する”取り組みへの意欲をそぐものでもあります。
 
 私たちは、生活に身近なごみの問題について、自らの問題として真剣に取り組みたいと考えています。
 しかし、これまでの、説明会での行政側からの説明においては、ごみの減量化へのこれまでの官民の努力、灰溶融炉の必要性、安全性等について納得のいく説明がなされていません。また、これまで、行政、市民、企業が一緒のテーブルでごみ問題について真剣に議論し、解決策を導き出し、実行するということは行われてきませんでした。
 そこで、今回の灰溶融炉建設計画をきっかけに、この地域のごみ問題を広く住民の間で共有し、住民、市民、企業が協働でごみを減量していくために、オープンな場で議論、検討をし、具体的な減量の取り組みを実践していく必要があると考えます。そのためのごみ問題について真剣に考える住民同士のつなぎ、ともに行動するため“八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワーク”を立ち上げました。
 八ヶ岳周辺のゴミ問題を考えるネットワークは、灰溶融炉建設を含むこの地域のゴミ問題について、オープンな形で行政と住民との間での議論、検討を始めていくため、これまでの説明会において説明が不十分であった点を中心に、公開質問状を作成しました。
論点はこれだけに尽きるものではないですが、私たちは、第3回目の行政による説明会(8月26日)において、最低限これらの点について行政と住民による建設的な意見交換を行いたいと考えています。
 なお、この質問に対しては、8月26日の住民説明会の席で、文章として回答していただき、出席者に配布していただきますようお願いいたします。

2006/08/09

6月28日説明会の議事録 その4 質疑応答 (setsumeikai)

お待たせしました!文字起こしが残っていた説明会中盤をお届けします。まだ、後10分間が抜けていますが、後で足すと言うことで掲載します。

富士見男性─センターの付近の風向きは、いったい南風が多いのか北風か東風が吹いているのか、そういう調査をしたことが御座いますか。昔、菅原道真は九州大宰府で『東風吹かば 匂い寄こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ』という名句を詠まれました。あなたに、こういう名句を詠めとはいいませんが、東風吹かば花場の方へ今日は煙いっちゃいないだろうか、南風の吹く日は横吹方面にご迷惑をかけているかどうだか、北風が吹いちょるときには北杜市へまともに吹き付けてはいないだろうか、西風が吹いたときには先能から落合、境方面に何か影響はないだろうか、そういうふうな思いやりの心がおありになるかどうだかまず一応お聞きしておきまして、それからまったく公害がないという調査報告をいたしておりますけど、私が現在受けた公害の実情をじっくりとお話を申し上げますのでどうかお聞き取りを願いたいと思います。えー、報道関係の皆様がもしこの場におありでございましたならば、是非、真実の報道をしていただきたい。このようにお願いを申し上げます。

昭和52年ごろのことでございましたが、鳥取県のある町へ空から大量のウンコが降ってまいりまして、日本中が大騒ぎをしたことがございました。そしてそういう時に、全国からマスコミが殺到いたしまして、そこの副組合長はエライ副組合長さんでした。なにしろ町のイメージがダウンするからどうか町の名前だけは公表しないでくれとマスコミに懇願いたしまして、鳥取県のある町ということで週刊誌に大々的に報道されました。そうしたら、週刊誌が真面目に報道することですから、テレビが負けてはおりません。テレビが今度は番組でこれを放送いたしました。日本の航空学の最高権威だという東京の某有名大学の名誉教授という方がゲストで出演をされました。その方がいうには、それこそ考えにも及ばないような突発事故がない限り飛行機が空中でウンコを振りちらすようなことは有り得ない。そういう説明でございましたので、その問題がわかりませんでした。
丁度その頃、私の農場に空からウンコが降ってまいりました。私は、何しろ梅雨明けの頃ですからみんな今日のように白いシャツを着て作業をしているわけですけども、それがひどく汚れてどうしようもない。それで考えて、コウモリを背中に縛り付けてそれで作業をしたわけですけども、私は菊の栽培ですから、菊が大きくなってコウモリを背負っていたのでは仕事ができない。それで考えたら、原村で、原村が一番耕地面積が広くて、原村の人はよく働くということで、原村の女性の方が縁の広い帽子(?)をかぶっていると聞きましたので、早速原村の農協へ帽子を買いにまいりまして、いってかぶったところ格段に調子がいい。
肩に着くかなくなった、よかったわけですが、何しろ、(司会がさえぎる)
西澤所長─他の方も発言したいと思いますので、もうちょっと短く、
富士見男性―お堅い頭の方々だから、詳しく説明しないとわからないと思ってやってます。しばらくお願いいたします。(拍手)
矢崎組合長―皆さんよければ、いいですよ。どうぞ。
富士見男性―そういうわけで、やっておったわけですけども、たまたま、花の組合の富士見町の委員長をやり、副委員長もやりましたが、この時期に氷が大量に降り、菊が大損害を受けたわけですよ。その時は、特別災害ですから、お願いして見に来ていただいたわけですよ。税務所長が直接おいでになりましたので、町もできるだけのことをしてまいりますと言っていただきました。
そこで、今日は、氷害対策に来ていただきましたが、空からうんこが降ってきて菊にくっついてだめになる、その原因を調査して、税金をたっぷり取られないようお願いしたら、・・・(聞き取れず)・・そんなことをしているうちに、空からのうんこはごみの焼却場が原因であるとわかったわけですよ。その時私は、そら見たか、富士見町はうんこが降る町だと言いたかったが、町のため・・・(聞き取れず)・・・横吹という地区が南風を受けて一番被害を受けているわけですよ。・・(聞き取れず)・・横吹に来てみてください、なぜ、健康調査をしないのですか?・・・命の問題ですよ・・・一番被害の大きい横吹を無視してこういうことを平気でやろうとしている。それがお役所仕事ですかね?いかがですかね?(拍手)
役場建設課三井―今のお話については、先日の出前講座でもお伺いしました。これほど詳しくはありませんでしたが、私どもは現状を把握しているわけではございませんので、その時点では、聞きおきましたということで、今日、詳しい説明をしましょうということで、この間はお別れをしたということです。
会場―健康調査をなぜしないのか、と質問してましたよ。(無視される)
矢崎組合長―(次)どうぞ。
富士見町男性―私も余命わずかですが、30年間耐えてきた心の叫びを歌にして、冥土の土産にしたいと思っています。・・・富士見町は空からうんこが降る町だ、空からうんこが降ってきて悲しい暮らしがはじまった・・・以上大変申し訳ありませんでした。(拍手)
矢崎組合長―今のお話は富士見町さんの方で対応していただくということで、副組合長さんにお話しをさせていただきました。(次ぎ)どうぞ。
富士見男性─排出抑制が難しいということ、ゴミが減らないということを、説明をしていただいていますが、前回の説明会で矢島副組合長から、お恥ずかしい話だけどいくらがんばっても富士見町のゴミが減っていないんです、ということでした。また、分別収集をして捨て場に行くのを減らしてもまだゴミが増えています。こうすれば、ゴミが減るということを言っていながら、分別収集をしても、ゴミは減らないということはもうわかっているんです。そういうふうにおっしゃっていました。これは、虚偽ではないでしょうか。
 今年の2月にゴミの処理場に関する都市計画の変更について意見書の募集があり、公聴会で公述意見を述べさせていただきました。その前に、都市計画の縦覧を見せていただいたのですが、最終処分場が平成20年にいっぱいになるという(平成15年の資料ですが)、その直後から富士見町のゴミは減少しています。広域全体でも平成13年から減り続けています、増えてはいません。このような事実を、組合の長である矢嶋副組合長が知っているうえで、ゴミは増えているとおっしゃったのか、或いは増えていると報告を受けていたので増えていると信じておっしゃったのか、つまり、知っていたか、知らなかったか、これをまずお答えいただきたいと思います。
矢嶋副組合長―お答えします。正確に増えているか減っているかということについては、私・・・があれば訂正します。あの、どうような・・(聞き取れず)
富士見町男性―矢嶋副組合長は増えているとおっしゃったんです。
矢嶋副組合長―増えていると言った?
会場―言った、言った。
矢嶋副組合長―いくらか、増えています。
富士見町男性―こちらの資料では減っています。
矢嶋副組合長―諏訪南清掃センターの受け入れ集計では増えています。いずれにしても、増えているものを・・・に増えている・・・に減っているというものではないです。私は、諏訪南の・・・で増えていますということで申し上げました。
会場―増えているの、減っているの、どっちが正しいのですか?
矢嶋副組合長―増えているのが正しいです。
矢崎組合長―全体のゴミの推移と富士見町さんのゴミの推移・・
会場―じゃあ、富士見町の都市計画の数値がまちがっていたんですかね?
矢崎組合長―都市計画とおっしゃったのは、諏訪南の溶融化炉の都市計画ということですよね?富士見町さんのお作りになった資料ではないですよね。私どもの組合で作った資料ですね?
富士見町男性―富士見町役場にあった資料です。
矢崎組合長―富士見町にあった資料。
富士見町男性―その時の計画予測ではゴミは・・・人口は減っているんですよ。
(ごたごた資料を探す・・・)
西澤所長―諏訪清掃センターは私どものセンターでございます。受け入れをするときに、大きな秤がありまして、そこへそのまま乗ってもらって、ゴミをあけてもらって、その差額が受け入れた分としてカウンターしています。富士見町さんのゴミにつきましては、平成15年2775t、16年2800t、17年度が2818t、若干ですけれど、ゴミは増えているという状況です。
矢崎組合長―今課長が申し上げたのは、富士見町の一般家庭のゴミです。事業系のゴミをいれましと数値が違ってきますので、副組合長がおっしゃられたのは、おそらく一般家庭からのゴミのことでそのことについては、微増ってありますが、まちがっていないです。
西澤所長―事業系も含めた数字を申し上げますと、平成15年3874t、16年3912t、17年3910t、以上でございます。
矢崎組合長―えーと、今減量の問題が出ましたので、ちょっと私どもが、3市町村のゴミ減量化推進、諏訪南ゴミ減量化委員会の結論ではありません。茅野市が一番最初にゴミ収集やらせていただいて、ずうっと一緒にやってきて、いくつかの課題がありましたけれども、それについては、部分的に修正してきたわけですが、抜本的な・・・ます。茅野市の場合は、美サイクル茅野という市民団体がパートナーとしてやっていただいていますので、政策、立案、提案については、美サイクル茅野の方がしていただいて、私たちとキャッチボールして、組合長がいけると思ったら予算をつけて、実行にあたっては、市民と職員が一緒に汗をかく、そういう町作りにしています。今日、美サイクル茅野の方がいらしていますが、どのようなことをやってらっしゃるか、おっしゃってください。はずかしかったら、私が言いますが。そんなこと言わないで、副会長さんが直接お話ししてくだされば。この間、ご提言をいただいた内容について、お話いただければと思います。
茅野市女性―えっと、美サイクル茅野でゴミ減量化して11年になるわけですけれども、生ゴミと資源物の回収以外にもこれから真剣に取り組まなければ、入り口を少なくすれば、出口も減るというようなことを考えるということで、生ゴミのたい肥化、それからプラスチックの分別、それに加えて今やっております・・・16種類の分別に皆様に協力を願う方向で今検討をしているそれを組合長に提言しているわけであります。
矢崎組合長―・・・聞き取れず・・・

2006/07/28

6月28日説明会の議事録 その5 質疑応答 (setsumeikai)


ペットボトルを前に灰溶融炉への理解を訴える諏訪南行政事務組合
の理事者たち。左から矢崎茅野市長(組合長)、矢嶋富士見町長(副組合長)、
清水原村長(副組合長)、伊藤茅野市助役(副組合長)

音声の聞き取りにくさや、大雨の影響、日ごろの忙しさなどで、大変長らくお待たせしました。真ん中の部分はまだ抜けているが、別の助っ人が説明会の最後の一時間の文字起こしをしてくれたので、とりあえずその全文を掲載します。なお、敬称は省略しますので、ご了承ください。また、繰り返しになりますが、音声を起こしており、特に今回は会場がパノラマスキー場のレストランと言う事で響きがひどかったため、正確に聞き取れない箇所もあり、誤字脱字があるかも知れません。どうかその旨をもご了承ください。ミスを発見した場合、yoyuro@gmail.com へのメールや、コメントの形で指摘してください。

さて、今回のポイント:
1.一体何のためのスラグ溶出試験?伊藤業務係長:「あのー、溶出試験は、酸性雨ではやっていない。溶出試験は規格でやっています」
2. 本気にゴミの減量化に取り組むと言いながら、 片面印刷の資料とペットボトル林立
:「私の配慮のなさなのでお詫びいたします」と組合長。その配慮のなさが実に怖い。
3.
「地質が脆弱で山地災害を起こしやすい」と言う非常に都合の悪い記述を矮小化?矢崎組合長:「その地域はどういう地域であるかという概要として書いたのであって、立地としていいかどうかというそういうところで書いてあるところではないという解釈であります」だと。益々怖い。。。
4.
なぜ「地質が脆弱で山地災害を起こしやすい」場所を選んだかと言う質問に「何っ回もお答えしました」と。答えになっていないから、信じられないから、繰り返し聞いている。ふざけて聞いているんじゃない。

茅野市男性──問題はですね、子どもが立ち入ってはいけない土壌汚染された、ダイオキシンで土壌汚染された。400ピコグラムです。これ、1兆分の1の話なんで、1ピコグラムというのは。とても桁がちょっとよくわからないんですね。わからないけれども、どうも人体に影響があると。で、厚生省もそれを認めているわけで、そうするとこれは国の基準は、これはまぁ、バァーッと雑巾の中に出るやつなんだけど、5000ピコグラムを容認しますよということ。それも、まぁここでは100ピコグラム…0.1ナノグラムですから。100ピコグラムに抑えると。ところが、ここでもひとつマジックがありまして。分析する機関によって、1万倍くらいの差が出てくる。値に。だから、どういう所、信頼できる機関に出してどのくらいの、さっき頻度の問題言いました。これも非常に大切なことです。
それともう一点。今、首相になっちゃったからあれなんですが、小泉純一郎が厚生大臣の時にダイオキシン、ようするに燃やした時のダイオキシンの測定の仕方という基準書を出しているんです。それは、必ず800℃に上がって1時間経ってからとか、ともかくダイオキシンが発生しにくいところで計れと。これを出しているわけです。そういうことをやってきている。そういう、ある意味で数字が作られてきてしまうというところがあります。そこら辺を、私たちはかなり、基準が厳しくなったから安心できるという話ではまったく無いです。これはある意味では数値のごまかし。いくらでもこの数値はいじれる。これをどうクリアするのかということをキチンと説明してくれなければ、我々は納得できない。以上です。


矢崎組合長──えーと酸性雨ですか? 酸性雨の問題。えーと、先ほど質問があって、スラグの問題が…スラグは、あれか。そちらの方。えー、スラグはですね、ドイツのことを言われましたけれどもそれもちょっと違いますから。書いてあるように、平成15年の……2005年の6月1日にドイツ連邦政府の法律としてゴミの焼却灰は、溶融化しスラグ化しなければならないってあるのが、私はバイエルン州のことだと思って、もう一回問い合わせしました。そうしたらそれは連邦政府の法律だとこういうことでしたから、ドイツは焼却・溶融化・スラグ化という形で法制化されているという。そういうメールの答えでありましたので、さっきちょっとおっしゃられた内容とは違いますので、訂正しておきます。
質問者──いや、私は焼却してないなんてこと言ってません。ドイツはしてますよ。
矢崎組合長──いや、ようするに、溶融化としてますから。
原村男性──スラグは冷却スラグですか? ここと同じように水で冷却しているスラグをやってます? ドイツでは──
矢崎組合長──冷却スラグだと思います。それはもう一辺確認します。必要があるなら。しかし、おっしゃられるのは、溶融化っていう言葉が無かったので、溶融化は法制化されていることだけ確認しておいて下さい。で、スラグの問題は、例えばですね私どもの職員が大武川の方々と行った、この事故のおきた静岡県のですね、有償トン210円で1,171トンを生産して、これは公共工事に1,700(1,171の間違い?)トンも使われたと。で、ドイツの場合も7割のスラグが公共事業として、基本的には7割のスラグが公共事業として…、あぁ失礼、建設資材として使われているというレポートがあります。そういう意味では、スラグの確実性については多少の疑問があるとおっしゃるのは、色んな部分ではですねやっぱりあります。ですから、JIS規格を、そのためにJIS規格を今、国は法制化しようとしているわけですから。で、JIS規格が遅れていることの理由もいくつかありますが、例え遅れたとしてもJIS規格でどういう形でなるかについては私ども情報入ってますんで。
原村男性──スラグだって色んなスラグがあるんですから、冷却スラグから──
矢崎組合長──いや、JIS規格が基本的にどういう形で出るかは察知してますんで、やるとしたら、ようするにJIS規格が決まったら諏訪南に合ってないということは絶対に無いということで進めていますから。
 で、酸性雨のことはなに、お答えできるの?
**さん、申し訳ないけど、手を上げてキチンとしゃべってくれますか。
原村男性──いや、質問に答えてないから。酸性雨に対して質問しているんですから、質問に対して的確に答えてください。
伊藤業務係長──あのー、溶出試験は、酸性雨ではやっていない。溶出試験は規格でやっています。
会場から──それで大丈夫なんですか? 安全なんですか?(他、多数の声)
事務──それはもう、国の規格ということになれば、それを信用せざるをえない。
会場から──最近国のいうこと信用できませんから。
別の男性──ここの三市町は国の言うことは聞かない(言い成りにはならない?)といっているんですよ。
    ──ここの規格をを作ってくださいよ。ここの。(他、多数)

事務──手を上げて発言してください。ここは討論会じゃないんですから……。
原村男性──あの、酸性雨は国の規格でこうなっているからやらないと言っていますが、Q&Aでも国の基準がいい加減で頼りにならないから、基準を自分たちで決めたんですよね。
伊藤業務係長──いい加減だということではありません。
質問者──いい加減という表現が不適切なら言い換えますが、ともかく自主基準を設けたと。であるならば、溶出試験も自分たちの基準でやればいいんじゃないでしょうか。この、酸性雨のphで。(会場から拍手、そのとおりの声)
矢崎組合長──(事務方に)答えられますか? 今の質問に。これからの宿題にもらったほうがいいんじゃないですか。この場で答えられないことは答えなくていいから。検討して答える。
会場から──また宿題つくるんですか? 宿題いつ答えてくれるんですか。
清水副組合長──そういう風に追い詰めるようなこと言わないで。
    ──いや、だってそれは明確にしてもらわないと。みんなの前で答えてくださいよ。宿題持ち帰ったら。
矢崎組合長──酸性雨についての対策は、正直申し上げて職員を見ているとわかりますから、だいたい答えられません。で、そこでいい加減な答えをしてもいけませんから、これはお預かりをします。
    ──いつ答えるんですか、預かっていつ答えるんですか?(返答なし)
    ──公害防止協定みたいなのがあると思うんですが、これをどうかたちでクリアされているのかを聞きたいと思います。

矢崎組合長──ハイハイ。(事務方から「承知してません」)。承知しておりません。(会場どよめく)。それも、クリアしているかどうかも大きな問題ですよね。公害防止協定の基準値をクリアしていれば問題ないってことでいいですよね。
    ──だから、いつまでに調べて、いつ答えるかまでセットで答えてください。
矢崎組合長──最後までどうするかは考えますから。一応。いい加減に答えてもしょうがないから。答えられないことは頂いていく。何らかの形で答えますから。約束します。
原村男性──質問に入る前に、2つほどちょっとありまして。先ほどから、ゴミの総量が増えているとか減っているとかいうことがありましたけれども、僕は前回の説明会の後に生活環境影響調査の報告書を読みました。その中でゴミの総量の増え方と、人口の推移のデータがありまして、人口は20年前から年1%の割合で増えていまして、で、ゴミの方はその割合(人口の増加率)に等しくは増えていないと。ですから、これはある意味では一人当たりのゴミの量は減っていることだと思います。ですから、富士見町の町長さんがゴミの分別とかをやっているけれども残念ながら(ゴミの量が)増えているとおっしゃっていますけども、そうではなくて、ゴミの減量化は実は多少ではあるけれども進んでいるんだと思います。ですから、そのことに関しては自信を持っていいと思います。
 それとですね、この説明会が始まる冒頭で、今回は灰溶融炉の施設のことだけではなくて、ゴミ減量化も含めた総合の話し合いの場であるという趣旨と僕は理解しているんですが、そうであるならばこの資料(配布された資料)も両面に印刷するとかすればゴミの量は半分になるし、生活環境影響調査の資料を用意していなかったりしていますけども、プロジェクターを持ってきて、背後にスクリーンを設置してそこに映すとかすればいいし。何よりも僕が気に入らないのは、そこに並んでいるペットボトルです。ここはレストランなんですから、あらかじめ準備して、お茶なりジュースなりを用意してコップ並べて飲めばいいじゃないですか。そのペットボトル自体がゴミになるのに、こういった席でそういうのは、パフォーマンスとしてもちょっとお粗末かなと思います
。(会場から拍手)
矢崎組合長──これは、私がのどが渇いたので富士見の係長に何か飲みたいと、私だけ飲んじゃいけないからここにいる4人の分もと言ったんで、これは私の責任ですんで。会場の設営とか他の市町村長は関係ありませんで、私の配慮の無さなのでお詫びいたします。で紙の使い方についてもおっしゃるとおりですので配慮いたします。申し訳ありませんでした。
質問者──それで質問に入りますけども、前回の説明会で市長さんは生活環境影響調査の報告書を読むとお約束を頂いたんですけど、お読みになられましたでしょうか。
矢崎組合長──あのー、一人でゆっくり読むというのが比較的耐えられないタイプで、時間が取りにくいので、作ったコンサルを呼んで、そしてコンサルの説明を受けながらキャッチボールさせていただいたので、これは改めて読まさせて頂いたとこういうわけです。
質問者──えー、それでしたら、建設予定地の地質のことで、第2章の第1節1番の地象というところにですね、えー、また建設予定地のある富士見町の西山方面は、地質が脆弱なうえ急傾斜地のため、ここを流れる河川は激しい洗掘により崖状の侵食谷を形成しており、山地災害を起こしやすい地形となっている、ということも読まれたと思います。それで先ほど誰かの質問で、なんでこの一箇所だけが予定地として候補地なのかという質問で、アセスの結果を受けて、問題があるならば他を探すとおっしゃってましたが、で前回は(報告書を)読んでなかったから知らなかったかもしれませんけども、今回お読みになったのですから、ここが適していないっていうこともお分かりになったと思うんです。であるならば、ここに建設するのはやめたほうがいいんじゃないでしょうか。
矢崎組合長──あのー、先ほどお答えしたとおりでありますので、繰り返しは省きたいと思います。
質問者──耐震強度のことおっしゃられましたけども、震度7でも大丈夫だと言ってますけども、地質が脆弱で山地災害を起こしやすい場所にそんなものを作って、万が一、建ててある地面ごと崩れちゃったりしたら、いくら建物の強度があっても意味がないと思います。で、矢崎さんはここに前に焼却場があったから、ここを候補に選んだのは当然の流れだとおっしゃいましたが、その焼却場を作るときに、こういった環境アセスという概念はありましたか? 無かったと思うんです。無かったからそこにつくって、でも今はこういった調査をするということが決まっていて、調査の結果が出ているのですからここは予定地から外さなければおかしいと思います。
矢崎組合長──あのー、そこに書いてあるものはですね、コンサル担当になんでこう書いてあるのと聞いたら、それはなにか、富士見町さんのなんかのその文書の中にその地域のことをそういう地域であるということがあって、それをそのまんま書いたということだったんですね。
会場から──そんないい加減なものだったんですか?!
矢崎組合長──その概要、その地域はどういう地域であるかという概要として書いたのであって、立地としていいかどうかというそういうところで書いてあるところではないという解釈であります。
──安全を保証する審査でそれかよ。
──コンサルって自分で調べたんじゃないんですか。どこのコンサルですか?
    ──コンサルだせ、コンサル。
    ──それがコンサルの仕事ですか?(他、多数の声)
矢崎組合長──どこのコンサルですか?
伊藤業務係長──あのー、生活環境影響調査というのは地質学上のことをいうのではなくて、これは国が定めた、旧厚生省が定められた廃棄物処理施設の生活環境影響調査指針、指針に基づいて調査するもので。この中で何を調査しなければならないという項目があります。この中では、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動の項目で、地質というのは生活環境影響調査で述べるべきものではない。あくまでもこれは地域の地勢を述べただけのもので、それは富士見町の文書の中にありまして、やはり富士見町のホームページにある富士見町のあゆみというもの、町を紹介した文書の中で富士見町の素顔というところで、自然環境、当町には東北日本と西南日本を二分する「フォッサマグナ」の糸魚川静岡構造線が通っていて、東北部の多くは八ヶ岳火山列と広大な裾野が広がり、西側は入笠・釜無山地とわずかな扇状地から成り立っている。地質は国道20号線に沿い宮川~休戸を経て釜無川を結ぶ線を境にして、八ヶ岳側と西山側とでは、地質の区割りが大きく異なっていて、八ヶ岳側は単色系の地質分布を呈するのに対し、西山側は多種多様な地層から形成されており、かなり整然と区分された地形を呈している。というように、その地区の地勢を言っているわけであって、そこのあの、全体に言えるわけですね。西側の地形、地域に対して。
会場から──建設予定地だってなってますよ。
    ──建設予定地だって含まれてるじゃないですか。

伊藤業務係長──含まれています。含まれてます。ですから、一帯のことを言っているんです。
    ──一帯だったらやっぱ、危険なんじゃないですか。
質問者──この書き方はおかしいと思いますよ、このコンサルト会社。それに、4000万円でしたっけ、そんなお金かけてこんな報告書しかできないところなんて使うべきじゃないと思いますけど。…これだけじゃないんですよ。
西澤所長──そういう発言はちょっと……(会場から「どうして?」の声)
質問者──猛禽類の調査でもですね、(建設予定地を中心に)半径500mを歩いて調査して、定点観測を行ったとあるんですが、個別の種の観測結果というところで、営巣していたとしても営巣地は建設予定地から1.5kmは離れているから大丈夫だとか、1kmは離れているから大丈夫だとか書いてあるんですけれども、実際に調査したのは500mしかやっていないのにこういうことを平気で書くというのはおかしいと思います。
 後ですね、個別の種でハチクマという猛禽類があるんですけれども、これのつがいが平成17年5月定点観測の最後の日に林内(林内調査で確認された古巣の近く)につがいで飛び込むのが確認されているんですけども、この定点観測のスケジュールが平成17年の5月で終わりになっているんですよ。なので、それ以後のことはわかっていないんですけども、ハチクマの繁殖期は6月から8月なので、(つがいが)確認された直後から巣作りとかをはじめている可能性が高いんですよ。であるならば、このコンサルト会社は追跡調査を引続きやって当然だと思うんですけども、そういったことをまったくやらないでスケジュールどおりに終わらせてしまうというのは、ちょっと納得が出来ないんです。
会場から──その通りだね。
──聞き取り調査もやったほうがいいですよ。周辺住民から。
    ──コンサルの信憑性ですよ。

西澤所長──えー、委託期間を越えてでも追跡調査をすべきであろうということでありますけども、当然**があれば、追跡調査をしていただくかと思っております。
    ──ちょっといいですか?
矢崎組合長──ちょっと待ってくださいね。ちょっともう、他の方にします。どうぞ──

富士見男性──先ほどの質問と関連しますけども、一番基本的なことなんですけども、どうも現候補地を想定した方向で進んでいるような気がするんですけれどもね、根本的にやっぱり活断層とかですね地盤が脆弱な地域になぜ作るのかという。それが基本的に疑問ですね。例えば自分の家であればそういうところに作るということは絶対にしませんよね。ところが公共設備で、公のものをそういうところに作るという感覚が私にはわからない。責任ある首長さんであれば、やっぱり住民の安全と命を守るわけですから、まずそこ(建設予定地)は外しますよね。先ほど、耐震設計や安全設計をするから大丈夫だとおっしゃいましたけども、本当にそうなのか。実際使われている、灰溶融炉を導入している地方自治体というのは、すでに焼却炉があるところに設置していると思うんですよね。で、焼却炉から出た灰を、そこで灰溶融炉で処理している。そういうところが殆どなんですね。ところが今回のようにまったく別のところに、尚且つ活断層が近くにあるようなところに選定したというのは最初の根本的な考え方がちょっとおかしいんじゃないでしょうか。実用化している、灰溶融炉を使っている自治体で、活断層の近くで安全設計をして稼動している、そういうものがございますか? お聞きしたいです。
矢崎組合長──あのー、糸魚川静岡構造線であるとかフォッサマグナとかって、私どものとこはそういうことではある意味では日本に色んなところにそういう危険があるわけですが、あの、例えば変な言い方ですが茅野市民館できましたけども、そこも糸魚川静岡構造線というようになります。茅野の市役所もそうです。
会場から──溶融施設じゃないでしょ。
矢崎組合長──おなじことです。8階建て、大きな階層の建物を作ってますので私どもは安全設計という形の中で皆さんにご心配しないようにやる。そういうように申し上げております。
会場から──炉があるんですよ。溶融施設は。
矢崎組合長──(無視して)もうひとつなんでしたっけ、ご質問は。
質問者──えぇ、一番根本的な問題なんですけども。
矢崎組合長──あぁ、わかりましたごめんなさい。それはですね、最終処分場がそこにあります。そこにある灰もまた再処理するということでありますから、そこでやるってことであります。最終処分場が、一体型であればどこに作ってもいいんですね。でも今の建物は、そこに繋げる、溶融炉を繋げるって設計になってないんですよ茅野市にあるやつは。ですからどうしても別なところに溶融炉を作らざるを得ないということ。で、その中で富士見町南諏衛生センターのところに、最終処分場がそこにある。ということですから、デリバリー率のコストからいうと次善の策としてはいい場所である。とこういうことになります。デリバリーコストがいいんでね。
質問者──えー、それはわかりますけども、もっと安全な、地形的に安全なところがあるんではないかと。
矢崎組合長──だからね、何度も申し上げましたけども、そこに焼却炉があって、そこに最終処分場があって、南衛施設さんがそこに集約されているところであり、その焼却炉をいったいのこのプロジェクトの中で壊してそこへ建てるという選択をさせてもらったというわけであります。このことについては、何っ回もお答えしました。
会場から──納得できる理由じゃないから。
    ──その答えが説得力が無いの!
富士見男性──お話を聞いていると、安全安全と非常に強調されているんですけど、また先日の若宮でも説明会していただいて、安全であるということをお話いただいたんですけど。あの、危険であるから例えば安全基準みたいなのがあるということですよね。だから、最高に運転がうまくいったとして、毎年毎年、この先15年間、最高にうまくいったとして安全基準値以下の危険なものができてしまうということだと思うんです。で、例えば15年というと、今小学生の子どもが二十歳越えますよね。その子が女の子だとして、子どもを産んだとする。その時何か影響は無いんでしょうか。影響が無いと言い切れるんでしょうか?
組合側──返答なし
質問者──あのー、影響が無いと言い切ることはできないと思うんですよね。でしたら、そういうリスクを減らすためにも今まで、二十何年間焼却炉があって、稼動してきたその場所に作るというのはおかしいんじゃないでしょうか。
矢崎組合長──あのー、茅野の清掃センターも今まであったところで建て替えをさせていただきました。それは茅野の清掃センターは前のときにも老朽化したときにアセスをさんざんしながらですね、アセス的には問題が無いということで、地元の方々にもご理解いただいてやりました。で、そういう施設をグルグル回していかなければいけないという発想は私どもにはありません。そういう意味では茅野も同じ場所で選択させていただいたわけでありますから。
 今のご質問ちょっとわかりませんが、今まで清掃センターがあったところに何らかの身体的に影響があたえる累積がある可能性があるところで、また15年間やることはいかがなものかというご質問ですよね?
質問者──そうです。
矢崎組合長──それは、先ほどおっしゃられた方が、空からウンコが降ってくるという清掃センターのことについて私が色々と申し上げる立場にはありませんが、清掃センターの溶融化については、そういう害はキチンとクリアすることによって、今あなたが申し上げられたような問題は無いという判断で私どもは進めてますんで、色んな施策については出来るだけのことをやった上で安心した形で作りたいということでありますから、そんなことでご理解いただくほかありません。
会場から──焼却場周辺であちこちで裁判起こってますよ。全国で。
矢崎組合長──それ、質問ですか? 手をあげて言ってください。
    ──絶対安全って言い切れないですよ。
矢崎組合長──そりゃ神さまじゃありませんから。
 えーとごめんなさいね。どうぞ。ちょっと、なるべく多くの人に喋らせないと…、エンジェルさんに指されなかったってまた怒られちゃいますから。あの、一回は、手を上げた方は一回は喋っていただけませんとお叱りうけますので。
原村女性──全体に関連してってことなんですけども、ひとつハッキリとお聞きしたいことは、コンサルタントの方がいらっしゃってるってことなんで、どちらのコンサルタントの方なんでしょうか。私も名乗ったので、住民側には名乗らせているわけですから、伝えていただきたいなと思います。それは最初にしていただくべきことです。
伊藤業務係長──まずあのー、技術設計の方をお願いしてます、日本技術開発の、えー、森……
質問者──聞こえませんでした。
伊藤業務係長──森、さん。
質問者──いえ、会社名の方。
伊藤業務係長──日本技術開発。
会場から──本人が自己紹介したほうがいいですよ。
──日本技術開発の森と中山です。計画担当をやっております。
藤田(?)──環境影響調査をやらせていただいた、環境技術センターの藤田(?)と申します。
質問者──えーとですね、残り少ない時間なので、先ほどから見てますと職員の方が答えられない質問を受けますと後ろの方が、的確な答えをなされているのかどうかわかりませんが、それを伝書鳩のようにただ伝達するだけであるならば、専門的なことで答えてもらえることがあるならば直接お聞きしたいと思います。そのほうが的確ですし、後で本当に説明の場を設けていただけるのかどうかも今ハッキリ言っていただけませんから、時間の無駄になります。それが出来ないのであれば、次回いつまたこういう場を設けてくれるのかをハッキリと謳ってください。
 で、先ほど、酸性雨についての安全性の基準を設けていないというようなことで、アドバイスされていたので、それでご本人がマイクを持ったので直接お聞かせいただけるのかと思ったのですが。

伊藤業務係長──あのー、その件につきまして、参考意見としてご説明していただきたいと思います。
──酸性雨についてちょっとお答えしたいと思いますが、えー、おっしゃるとおりでしてですね、日本の基準ではphが5.8から6.3ですか、それで溶出試験をやっております。で、酸性雨っていうのは4.3から5.0という数字になってまして、これはあのー、テクニカルレポートですか、いまJIS化に向けてですね経済産業省の方で検討しております。これはもう10年間、10年前からスラグに対する溶出、その安全性についてかなり揉めております。で、今、この辺の鉛。特に鉛ですね。これが指摘されていますが、ただしですね。酸性雨の時で、スラグの状態で出る時もあるし出ない時もある。ただその辺について、学者等研究されていまして、クリアされればJIS化になると言われています。
質問者──クリアされない場合もあるんですか?
──クリアされないっていうかですね、安全性をどこで引くか。鉛がですね、普通のphでも溶出されない数字がゼロってことはないんです。多少出るんです。例えばこの鉛ガラスが使われているところなんかでも溶出するんです。鉛が。これはどうしようもないことなんで、スラグとはそういう性質があります。それが人体に…土壌基準0.01これをクリアできるかどうか。まぁ、その辺だけです。今、お答えできるのはその範囲です。
会場から──それを含めて、安全っていえる検討委員会というのがあるんですよね。
──えぇ。その国が、いま安全としているものの基準があります。
質問者──それが本当に安全なんですか? 例えばアスベストの時もそうでしたよね。国が一旦は安全と言ったのに(結果的に)そうではなかった。
──土壌に、普通一般にある土壌でもですね鉛が入っております。その安全性が0.01といわれています。ですからそれ以下にしようというのであります。で、酸性雨が相当降ってきた場合は溶出する可能性が高くなると。そういう懸念はあります。
質問者──それを、現時点で基準があるにも関わらずJIS化を通るといえるんですか、本当に?
──ですから、その辺は色んな学者の方たちがもめて研究してますんで。
質問者──じゃ、その段階で安全だから灰溶融炉を建設するとは言えないんじゃないんですか、本当は。本来であれば(会場から拍手)
──だから、例えば先ほどの金目鯛の話もありましたが、水銀が相当入ってるわけでありますね。それで妊婦さんたちや、子どもたちに影響があるっていうことですから、食べられないってイギリスの方ではそういうことになっている。ですからダイオキシンの話もちょっとありましたけども、鉛もこれが0.01っていう基準を作ったわけです。で、それにつき当てはまるかどうかをいま検討しているわけでありますから、それが安全かどうか、これをいま検討しているわけであります。
質問者──でも検討段階では、税金を使ってそれだけのもの(灰溶融炉)を建てるって言うのは本来は保留事項にするべきじゃないんですかね。
──まぁその辺はそうですね。例えばリスクを*******
質問者──リスクは誰が負うんですか?
──リスク、だから********
伊藤業務係長──参考意見として言ってもらいましたので、これがそのまま組合等の方針というわけではございません。
質問者──後ですね、色々と説明会等、議会も含めましてですね。前回の質問、住民側からの質問等もお聞きになっていることと思いますが、それらの問題も踏まえて、あなた方はそれについて、見直すべき点がいくつかあると現時点で思われますか? コンサルトの意見を聞いて結論を出されている、そちら側の総意としてお聞きしたいんですけども。で、色々それらの絵(基本設計等)を描いた時点ではあがってこなかった問題点が、住民の方から説明会等を通じてあがってきているわけですよね。それらをコンサルタントさんもお聞きになっていると思うんですが、それらを踏まえて新しい問題に直面したということで、もう一回、安全だと謳ってしまったこの建設自体を見直し、もうちょっと時間をかけた方が良いというようには思われないんですか?
伊藤業務係長──問題提出されたということで、検討しなければならないとはわかっております。
質問者──発注はいつですか?
伊藤業務係長──えっ?
質問者──検討をするするとは、前回からも聞いておりますけれども、発注は8月ごろから決められるんですか?
伊藤業務係長──そうではなくてですね、それで事業をやるかやらないかっていう最終的な決定っていうのはそのですね……安全かどうかっていうのは……
質問者──やるのは決定しているけどもっていうことですよね。安全かどうか見直しを検討するけれども、やるのは決定ってこといいんですよね。
伊藤業務係長──ですからその、いま決まっていることは、安全って言えるものしか作らないっていうことです。
質問者──その安全かどうかは、さっきのJISのもそうですが、本当に安全なんですかってことをお聞きしたいんです。国がそういっているから安全っていうのは通用しませんよ。いままで国がそういってきた中で安全じゃなくなったものは沢山ありますので。それに対して住民の方が危機感を持っているわけですから。その危機感に対して、どう対応なさるんですかってことをお聞きしたいんです。
伊藤業務係長──ハッキリ言って私もその辺はよくわからないんですけれども……
会場から──(失笑と共に)そんないい加減に答えていいの?
    ──いい加減なこというなよ!(他)
伊藤業務係長──私どもいま、諏訪南清掃センターでゴミの焼却やっておりますが、それはやはり国の基準をひとつの指針として運転をせざるを得ない。ですからその、今じゃあ諏訪南清掃センター運転しておる状況が国の基準に従っているからそれが本当に安全ですかっていわれて、私どもはそうだと解釈してこれは適正に処理しているという判断で、毎日これ24時間ゴミを燃やしているわけです。それは私たちの仕事ですから、適正に処理をするというのは国の基準をキチッと守ってそれを指針としてやっていると。それをいまのように言われますと、私ども何を根拠にして施設を運転していけばいいのかということになってしまいますので、やはり国の基準をひとつのいわゆる指針として、私どもはその範囲内でキチッと適正に処理をすると。そいうことを心がけてやっておりますので、それで本当に安全ですかどうかという議論になりますと、やはり私どもは国の基準をやはりあの、ひとつ指針にせざるを得ない。そういうわけであります。
矢崎組合長──すみません、ちょっとそこまでにしてください。ちょっと、今日まだ一度も発言なされていない方。
会場から──矢崎さんさぁ、矢崎さん、先ほどね、いま発言された方がね、今日の説明会をどうするのかということを聞いているわけですよ。答えが出てないんですよ。
矢崎組合長──もっかいやるかどうかですか? もっかいやります。今日ここでやめるつもりは最初からありませんから。もっかいやります。それでいいですね?
    ──建設的な議論にしていきましょうよ。ホントに、うちらはテープ起こしして全部発言を拾ってまとめてきたんですよ。市長さんたちもそれぐらいやりましょうよ。
矢崎組合長──私どもも全部やってあります。やった上で、
    ──それでなんで、この説明なのかわからない。
矢崎組合長──あまりディテール細かい部分までお答えいたしますと、時間がかかりますから、こういった程度でお答えして、できたら2時間は議論する時間として取っておいたから1時間で終えたわけでありまして、前回の質問をきちんきちんとお答えしていけば議論してただく時間がないからやったわけで、テープ起こしは当然してあります。意見はまとめあります。その中でお答えするべき問題をお答えしたわけであります。
 で、(次回説明会を)いつやるかということですが、できたらお盆前までには。まぁ、そこら辺は選挙とか色々ありますんで、でも少なくとも8月中にはもう一回やりたいと、そういうように思っております。当然、今日の結論でもう一回やれってご意見だろうと思ったから、私どもはそういう意見が出るのであればやろうと思ったわけですから。
原村男性──前回の資料で、ガス化溶融炉と灰溶融炉が108ありますといっていますが、灰溶融炉はいくつありますか?
事務方──(さかんに資料をひっくり返すが答えられず)
矢崎組合長──いまのご質問は、一体型ではないということですか?
質問者──えーっと、前回もそうでしたけども、今回つくる施設は灰溶融炉ですよね?
矢崎組合長──ちょっと待ってくださいね。
質問者──灰溶融炉を作ろうとしているんですから、そこら辺の(資料は)はすぐ出るんじゃないんですか?
矢崎組合長──えっ、その、ガス化溶融炉ってのも溶融化ですか?
質問者──ですから、灰溶融炉とガス化溶融炉は違いますと、私たちは灰溶融炉をやりますということをさかんにおっしゃってましたよね。
矢崎組合長──(事務方に)ガス化溶融炉以外の数ってことじゃないの?
会場から──灰溶融炉。稼動しているもの。
西澤所長──建設ではなく、稼動しているものってこと?
    ──いや、俺に聞かれても、そんなの。
    ──灰溶融施設で、稼動しているもの。
    ──分母をごまかさないでよ、108って。
矢崎組合長──いや、ごまかすような内容じゃないでしょ。
    ──だってごまかして分母かいてないじゃないですか。
清水副組合長──ちょっと穏当にいきましょうよ。穏当に。ごまかすとかね、そんな相手の感情を逆なでするようなことはなるべくやめましょう。ねっ。
    ──だってそういう書き方してくるからでしょ。
清水副組合長──ねっ。あなたも立派な方なんだから。ねっ。
    ──灰溶融施設で稼動しているところですよ。なんでそんなのがわからないんですか? 灰溶融施設を作ろうとしているのに。
    ──誰も調べてねえだでや。じゃぁ我々が答えてやるか……
    ──優秀な皆さんわかんないんですか?
矢崎組合長──いや、難しく考えてるから答えられないんですよ。厳密に灰溶融炉っていわれるとわかんなくなるんですよ。(結局、事務方から回答できる気配もみられず)
    ──すみません、時間がもったいないんで質問させてください。
矢崎組合長──(事務方に)じゃぁ、ちょっと、いまの質問に答えが出たら手を挙げてください。
 えっと、はじめてですよね。どうぞ。
富士見男性──えー、早速ですね沼上清掃工場の方にいかれたようで大変いいことだと思います。で、この視察された際に、消火活動。事故の際の消火活動、また周辺に対してなにか影響があったかどうか。そういったことについてヒアリングされたと思うんで、それについてお聞かせください。
矢崎組合長──ちょっといまの質問に先に答えてくれるかな。
平出技長──えー、消火活動はしておりません。それから、ご近所さんというか周りの方々にはその次の週にご説明に伺ったそうです。で、影響は別にないということです。
矢崎組合長──消火活動がなかったというのは、消火活動の必要が無かったということですか?
平出技長──えーっとですね、水をかけるってことはやっておりませんので。
質問者──じゃぁ、水をかけるかわりに何をしたんでしょうか。
平出技長──えー、温度が下がるまで、そのままにしておいたそうです。水をかけて消すようなことはしていないそうです。
質問者──温度が下がるまでどれくらいの時間がかかったんでしょうか。
平出技長──えー、普通に消防の方が立ち入っていいってなったのは次の日ですんで、夜中の……次の日1時ごろですんで……13時間ぐらいですかね。
質問者──消防が出動されたということでいいんですか。
平出技長──消防が出動したそうです。
質問者──その消防の装備というのは、何か特別なものが必要なんでしょうか。
平出技長──いや、べつに、何も。そういうことは聞いておりませんのでわかりません。
質問者──では、現在の富士見町の消防の装備で(事故等の)事態を対処できるということでよろしいんでしょうか。
平出技長──それは大丈夫だと思います。
会場から──どういうガスが出るか把握してます? 事故のときに、富士見町の消防署は。
質問者──富士見町の消防署は、1500℃とか1300℃というような(流出物が出た)事態に対応するような情報とか****ですか?
平出技長──えー、基本的にですね。消防との打合わせというのはまだ直接してませんが、火災っていうものが発生した場合にそこに水をかけるというのは非常に危険ですので、水をかけて消火活動するということはございません。
質問者──有毒ガスの発生はあるんですか?
平出技長──ありません。
矢崎組合長──ごめんなさい、後一人くらいしか余裕がございません。
伊藤業務係長──すみません、先ほどの……
矢崎組合長──ちょっと先に返事してください。
伊藤業務係長──ガス化溶融炉が90です。後、反復溶融炉、要はですねストーカー+溶融炉っていうタイプが120。合わせて210でございます。
先の質問者──そうすると、前回の108というのは違うということですか?
伊藤業務係長──いま説明したのは、今年の最新データですので、あのー、この(第一回説明会の)資料の方で説明しているのは去年の3月までのデータということです。
質問者──えー、最新の、事故を起こした施設の数を足すと現在いくつくらいあるんでしょうか。
伊藤業務係長──えー、最新のデータについてはこれから調べなければなりませんので、宿題にさせてください。
矢崎組合長──(事務方に)ちょっと待ってよ。最新って、あんたがわかってる所が最新ってお答えしないと何にもわかってないって言われるよ。いまわかってる範囲でどうなのかっていうことでしょ。昨日までって言われたらわからないっていうんでしょ。でも、あんたのところにあるデータでお答えしないと、何にもわかんないって思われるんだよ。
伊藤業務係長──実はその、最新かどうかはあれなんですけれども、私が新しいと考えているのは今年の、岐阜県の中津川渓谷環境施設組合これ**式ガス化溶融炉なんですけども、これは……。これは事故ではなくてトラブルですね。集塵器のつまり、ということです。
矢崎組合長──質問の答えになってますか? 違いますよね。
伊藤業務係長──えー、今年の3月なんですけども、高知県の高知市これあのストーカータイプの灰溶融炉のもので、今年の3月に事故を起こしております。
会場から──事務方はコンサル任せじゃなくてちゃんと頭に入れてきてくださいよ。ちゃんと勉強してきてくださいよ。事務方は、対応できるように。コンサルに任せっきりじゃなくて、自分で答えられるように用意してきてください。
質問者──じゃぁ、108。この(第一回説明会資料の)時点で灰溶融炉の施設がいくつあるのか教えてください。
伊藤業務係長──えーっと、資料はあるんですが……数えなければ、その……
質問者──じゃぁ、いいです。もう、今日は。(ガス化溶融炉と灰溶融炉を)区別されているようですけども、灰溶融施設とガス化溶融施設で108あって、そのうちトラブル、事故件数が15件。ということは、7施設に1つの施設が事故を起こしてる。これをどういう風な認識をされてますか? これで安全だという認識をされているんですか?
会場から──灰溶融炉はもっと危ないですよ。
    ──掘り起しはもっと危険ですよ。
矢崎組合長──(事務方に)答えられますか?
 ようするに、事故とトラブルをきちんと分けていかなければいけませんよね。全部私ども報告見ましたけども、車の運転してても、車の事故なのかトラブルなのかっていう所で、15っていう数字は基本的になんらかのかたちで支障があった数だと思うんですよ。ですからそれを確率でこんなに危険だって言うのはちょっと危険がある。って私は認識しています。私はね。
質問者──7施設に1つですよ。
矢崎組合長──でも、その内容。そのことで怪我をしたり亡くなったりしたっていうのは非常にレアです。
質問者──日本にある車の数と事故の件数と比べたら、事故を起こる確立は凄く高いんですよ。
矢崎組合長──だから、話が元に戻っちゃいますから申し上げませんが、今出てくるゴミを出来るだけ減らしていく努力を一生懸命これから3市町村揃ってやりましょう。出てきたものをどういうようにしましょうかっていうときに、もう一回最終処分場をどこかに作る方向と溶融化の方向と、どちらを選ぶかって言ったら私たちは、それはドイツの例を出すまでも無く流れとして、溶融化という施設をどれだけ安全に作って、そういう形でリサイクルしていく道を現実的な選択としてせざるを得ないということを申し上げてるわけです。
会場から──ゴミ減量化すれば(溶融施設は)必要ないですよ。
矢崎組合長──だって、ゴミが全然出ないなんてことはありえないんですから。だから、思いっきり減らす努力は一緒にしながら、
    ──やりましょう。
矢崎組合長──そう。
    ──だから、安全基準をもっと詰めましょうよ。
矢崎組合長──そうですね。それは絶対やりましょう。
 いや、だってさ。変な話、ここに座ってる4人ってのもなんの目的でやるかなんことはただひとつしかないわけですから。最終的に地域住民の方のために、いま私たちどういう判断が正しいかどうかってこと言ってるわけで、利害も損得も何もあってこの仕事やってるわけじゃありませんから。
    ──行政側から示される提案が、ひとつしかない。たったひとつしか。色んなバリエーションをつけて、
矢崎組合長──いや、そんなことないですよ。
    ──ひとつしかないじゃないですか。
矢崎組合長──いや、そりゃ提案はひとつだけど。もうひとつ最終処分場をつくるという考え方は、私たちは私たちの判断で、それはとるべき道では無いと判断したわけです。
    ──色んな方法がありますよ。
矢崎組合長──(無視して)どうぞ、最後にしてください。
先の質問者──まだ質問全然終わってないですよ。
矢崎組合長──いや、ちょっとこの次にしてください。何も喋ってない人がまた恨みが残って帰らなきゃなりませんから。(会場から次々と手があがる)あ、こんなにも無理。この次やります。この次やりますから、この次ん時にまとめてください。あの、手をあげた方、また他の方が手をあげますから必ず。
 10時になりました。えー、これ(会場の使用時間)9時までっていうのを無理言って10時までお願いしたんで、もう一回(説明会を)やるって約束しましたんで(今回はこの辺で終わらせて下さい……)
    ──次はもっと長い時間とれるところにしてくださいよ。
    ──次はね、検討委員会の委員長の小野寺さんを同席させてください。

矢崎組合長──それは私たちの判断でやります。
    ──同席させるべきですよ。
北社市男性──先ほど公害防止協定の件でちょっと確認させてください。承知をしていないというお返事があったように思いますが、何を承知していないんでしょうか。つまり、公害防止協定の存在そのものを承知していないのであるのか、それとも協定を交わすような話があってそれを承知していないのか。で、もしですね、今後、防止協定のような話がなってですね、この先こういう協定を交わそうという話が持ち上がったときに、その意思が、そちらの組合として有るのか無いのか、一言で結構ですのでお願いします。
矢崎組合長──えー、私どもの助役がご説明に北社市の市長さんのところお伺いしております。その時にその話は出ておりませんでした。
 で、最後の質問についてはこれから検討させていただきます。内容見させていただきませんとなにも申し上げられませんので。次回にお答えさせていただきます。
質問者──わかりました。ありがとうございます。えーとじゃぁ、次回ということであれば、それを出せば検討していただけるということですか。
矢崎組合長──あのー、北社市に確認させていただいて、どういう内容のものかを確認させていただいて、それを私どもがやる必要があるかどうかということのお返事は次回にさせていただきます。
質問者──ありがとうございました。是非地域の仲間入りをさせていただいて、一緒に考えさせてもらいたいと思います。
宮坂事務局長──えー、それではお時間まいりましたので大変長時間、貴重なご意見ありがとうございました。お疲れ様でした。

矢崎組合長──どーも、お疲れ様でした。