2007/12/25

ガス化溶融炉: かさむ補修費が自治体を圧迫 


ガス化溶融炉の話だが、時事通信がこの間全国調査したところ、導入した自治体の多くは予想外に高い補修費に苦しんでいることが判明した。時事通信の調査結果は12月25日の長野日報(上の写真)など、多くのメディアに取り上げられている。
まず時事通信:
多くの施設が2002年の規制強化を機に運転を開始。メーカーが無償修理する2~5年の保証期限が切れ、負担が表面化し始めた。一部の自治体では財政を圧迫する恐れもあるという。

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神戸新聞もかなり長い記事を掲載している。その中で日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事は
「基本的な課題をクリアしないまま実機に移した技術もあり、影響が出始めている」

としているし、岡山大大学院環境学研究科の田中勝教授(廃棄物工学)は
「小 規模施設に向く特性があるものの、大都市は新技術を厳しく評価したため、あまりガス化溶融炉を選んでいない。外国で失敗した技術が流行しているのは、日本 では新しい技術は「より良い技術だ」と評価する傾向も影響したと思う。メーカーは安く仕事を取って後から回収するので、維持管理費が高くなりがち。市民は もう少し税金がどのように使われているのか関心を持つ必要がある」

と言っている。
「諏訪南行政事務組 合が作ろうとしているのはガス化溶融炉ではなく灰溶融炉だから、そんな話は関係ない」と考える人もいるかもしれませんが、とんでもない。灰溶融炉もまった く同じような未熟な技術だし、エネルギー分がほとんど含まれていない灰を溶融するので、高騰を続けている灯油などの燃料代、むしろランニングコストはガス 化溶融炉よりも高くつく。
組合は維持費が年3億円ぐらいになると説明してきているが、溶融化のための燃料の高騰で3年間の瑕疵担保期間の間でもと てもその程度では済まないと思われる。そしてこの調査結果が示すのは、瑕疵担保の期限が切れた後、補修費が重く伸し掛かり、ランニングコストはさらに跳ね 上がるという事だ。
地元住民の大半がすでに計画の白紙撤回を求めているし、予定地の地質の問題や溶融炉による環境汚染の恐れもある。どう見ても、灰溶融炉の建設はやめるべき。

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