2007/08/04

最初にやるべき断層調査をやっと実行

8月2日に私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークと環境ネットワーク茅野は諏訪南行政事務組合とその議会の特別委員会に対して、灰溶 融炉建設予定地の断層調査を行うように要望書を提出しました。8月3日に開かれた特別委員会の席で、組合長の柳平千代一茅野市長は断層調査を早急に実行 すると発表しました。 そのニュースは今日、8月4日の長野日報の1面に載りました:

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私たちの組合長に対する要望書はここ。特別委員会に対する要望書はここ
環境ネットワークの組合長と特別委員会に対する要望書はここ

私 たちは去年から、信州大学の小坂教授(副学長、地質学)のご協力を得て、予定地周辺の地質調査を行い、いくつもの断層を現場近くで発見しています。その中に活断層である可能性が高い断層が含まれています。この結果を踏まえて、私たちは組合に対して繰り返し、徹底した地質調査を行う必要性を訴えてきま した。しかし、残念ながらちっとも耳を傾けてもらえませんでした。
...(つづきは下の「全文を読む」を押してください)
そのために私たちは指導の立場にある長野県に対しても、事情を説明し、組合に地質調査を行うように要望しました。この件について、7月11日の特別委員会での議員の追及に対して、組合は、業者が決まったら、その業者に調査をさせること、この旨を近いうちに県に説明すると答えました。
上記の要望書にも書いてあるように、業者が調査を行うことには何の意味もありません。予定地選定にはきちんとした地質調査は不可欠で、その調査を行うのは当 然ながら組合の責任です。本来とっくに行っているはずなのに、それを頑として拒んできたのは、「ああ、なるほど、調査をしないのは、活断層が発見される可 能性が大きいからだ」と不審に思われても仕方がありません。
組合長は断層調査に踏み切った理由として柏崎刈羽原子力発電所の地震の被害をあげました。私 たちや環境ネットワーク茅野も要望書の中で同被害に触れて要望しましたが、それらの要望書が組合の重い腰を上げさせるのにどれだけの効果があったかは不明で す。要望書は昨日の特別委員会の前日に提出され、特別委員会当日の地元の新聞にも取り上げられましたが、もしも要望書を提出していなかったら、組合は果た して調査をすることにしたでしょうか。
いずれにせよ、組合はやっと、行って当然のことを行うことになりました。問題はどれだけきちんとした調査を行う かです。こうした地質調査にはすでに行われている予定地内の簡単なボーリング調査や、岡谷市が新病院予定地選定にあたって行った活断層 トレンチ調査から、周辺部の斜面や河川を歩き河床や護岸に露出されている地層を調べ、詳しい断層マップを作成する調査まで、色々あります。しかし、柏崎刈羽原発にあれだけのダメージを与えた活断層がボーリングやトレンチ調査だけで発見できたかは非常に疑わしいです。今回の地震で得た教訓の一つは、なるべく広範囲で詳 しい地質調査の必要性です。組合がやると言った以上、今回こそ、地元住民の立場に立った徹底的なものにしていただきたいものです。

4 件のコメント:

abolition.of.nuclear さんのコメント...

建設予定地の近くに活断層が存在することは初めから組合も承知していたことです。
本来ならば候補地を選定する再に行うべき調査が、今頃になったことからも、安全性を重視していない組合の姿勢がわかります。

匿名 さんのコメント...

今までの組合の「鈍感力」を見た限り、たとえ柏崎刈羽の被害があったとしても、ネットワークなどの要望書が無かったら調査に踏み切ることはちょっと考えにくい。要望書に対して、「やる」以外、地元住民が納得できる回答がなかったからこそ、渋々行うことを決めたと思うね。
しかし活断層の可能性をはらんでいる予定地である以上、組合は多分いい加減な調査でこの問題を乗り切ろうとするだろうから、目を光らせる必要があるね。

匿名 さんのコメント...

「安全性を重視していない組合の姿勢」はスラグ生産についても一目瞭然。酸性雨の条件での鉛などの重金属溶出のリスクは全く認めようとしない。「JIS規格だから安全性が国レベルで保障されている」との一点張り。実際に酸性雨が日本中に降り注いでいるのに、それを見て見ぬふりをしているJIS規格も、例によって業界擁護のために最低限の甘いもので、事実上自然環境、消費者の生活と財産を脅かすものだ。それを盾に「安全だ」という組合は一欠けらも住民の安全を考えていないと思う。新組合長にぜひ読んでいただきたい:
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/hec/press/pdf/gyouseki13/gyoseki13_3.pdf
溶融スラグの環境安全性評価について
広島県保健環境センター 環境技術部 渡部 緑
...pH 依存性試験では,Cd とAs とPb の溶出が見られた。その結果を図2に示す。Cd とAs は一つの試料から酸性域でわずかに溶出した。Pb は全ての試料から酸性域又は強アルカリ性域(pH10.5以上)で溶出し,酸性域における溶出濃度はCdやAs と比べて高かった。これらの結果は直ちに溶融スラグの安全性を否定するものではない。ただし,利用環境のpH によっては有害重金属類が溶出するリスクが大きくなるおそれがあり,留意
する必要がある。
http://www.jri.co.jp/consul/column/data/index-32_nanjyo.html
焼却灰リサイクルの落とし穴
~問われる再生スラグの安全性~
...十分とはいえない基準値を維持する、さらには規制を安直に緩和することでスラグの用途を広げることは、本質的な問題解決とは程遠く、近い将来には深刻な環境汚染を招くことにもなりかねない。有害物質を完全に除去したスラグがスムーズに再利用されるような条件を整備することこそが、本質的な環境対策であるといえる。

匿名 さんのコメント...

最近の柏崎の原発事故は、紙一重の差で私達の命が危なかった。地方は交付金目当てに危険な原発を誘致している。国もいい加減な調査で建設をしているようだ。
大体が、日本全土は何処もかしこも地震から逃げ場が無いのだ。其れなのに危険な物を安全だといって造ってきた。

この灰溶融炉の調査も、組合側が行うようだが誤魔化されないように、注意をしていないといけない。造ってから大地震により破壊されたら、泣くのは住民だ。

一番先に行うべき事を、住民側から突かれて
から行おうとしている行政側の姿勢には呆れてしまう。国の基準以下だから安全としている組合の姿勢には賛成できない。どうして全国で事故が起きていることに目を向けられないのか?

人口も此れから先減少するのはわかっているのに、これ以上の負担に耐えられるのかも心配だ。