2009/03/17

資源ごみ・不燃ごみの共同処理は、ごみ減量化に逆行する

 茅野市、富士見町、原村は、資 源ごみと不燃ごみの共同処理(広域処理)を始めようとしている。現在、資源ごみについては、各市町村ごと単独で処理(リサイクル)しており、不燃ごみにつ いては、富士見町と原村が共同で処理(リサイクルを含む)し、茅野市は単独で処理している。
 資源ごみと不燃ごみの共同処理は、ごみの減量化に役 立つのだろうか?現在、各市町村ごとに行っている資源ごみの回収は、その地域にあったやり方で、きめ 細かく対応できているからこそ成立しているのではないだろうか。それを広域化し、3市町村全体で行おうとすれば、ごみ減量化は進まなくなるに違いない。よ うやく始まったごみ減量化(資源化)にブレーキをかけてはならない。


 山本節子さんの著書「ごみを燃やす社会」の中から、広域化についての問題点が指摘されている部分を抜粋して以下に紹介します。

広域施設のデメリットとして、

①施設建設用に広い敷地が必要
②新たな道路が必要になる場合がある
③管理運営費の負担は小さな自治体ほど重くなる
④運搬費用が高くなる
⑤運送距離が増えるため排ガスが増える

 ・神奈川県横須賀三浦ブロック(人口49000人)でコストとリスクアセスメントを実施。
 →減量化を進め各市町村が単独で処理した方が安上がりとの結果が出る。
・鎌倉市(人口
17万人)も広域化をあきらめ市単独で今泉クリーンセンターの建て替えを行う。
 →
200311月に工事入札を行ったところ市が当初予定していた落札価格14億円の半額以下だった。

日 本の法制度は、ごみ処理の権限を地方自治体(基礎自治体)に付与している。憲法、地方自治、廃棄物処理法はいずれも、市町村のごみ処理を「自治事務」と規 定している。これは、ごみの排出者である住民にその責任と管理を委ねていることを意味する。現在国と都道府県が強制している「ごみ処理広域化計画」は、根 拠法のない違法な通達事業であり、行政区域を逸脱している点でも違法である。広域化は、住民をごみ処理から遠ざけることとなり、それによって、廃棄物政策 はたちまち破綻する。

市 町村のごみ処理を「地方事務」としているもう一つの理由に、地域ごとにごみの性質が大きく違うことがあげられる。地域ごとのごみが違えば、その処理も地域 単位の違うやり方で行う方が最善である。そのため法律は、住民の生活や消費動向をよく知る市町村が、住民と共に処理にあたるよう定めたのである。

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