2006/12/14

原村の清水村長の認識

諏訪南行政事務組合の矢崎組合長(茅野市長)や矢嶋副組合長(富士見町長)はどんな疑問をぶつけても、(1)施設が100%安全で、(2)計画に全く問題がなく、(3)反対する理由は全然分からないと言う認識のようだが、少なくとも清水副組合長(原村長)はしっかりした予備知識とあらゆる意見に耳を傾ける姿勢に基づいて、この計画を客観的に見て、問題点も十分に把握しているようだ。原村の2006年12月に載った村長自筆のコラムの内容を紹介します。

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清水村長のほっとコラム Vol.11 (広報はら Vol.331 2006年12月)

 諏訪南行政事務組合の焼却灰の熔融施設を建設するにつき、住民の方々のご理解をいただくための説明会が大変難行しています。このままでは建設も危ぶまれる勢いです。
 そもそも灰熔融とはどういうものかですが、灰を高温で焼成することによって、これが溶けてガラス質の固体となり、体積が1/3以下となります。この物質を溶融スラグと呼びますが、JIS規格によって品質が管理され、コンクリート骨材や路盤材として利用が可能となります。溶融には2つの方法があり、焼却後に出た灰を1300℃住に熱して行う方法と、焼却ゴミを高温化してガスを発生させ、残りを更に熱し続けることによって溶かす、ガス化溶融という方法があります。ガス化溶融は焼却物の熱を利用できますが、灰を熱する方法は外部熱源に頼ります。いずれも大変な高温を作り出さなければならず、限界点の技術を使うことになります。現在ガス化溶融でなく、灰から溶融固化する方法は把握しているところで、全国に135施設あります。諏訪南は灰溶融固化方式です。
 ところで一旦灰にしたものを更に大変な費用をかけて、何故溶融しなければならないかということですが、①灰を捨てる処分地が満杯となり新たな処分地が望めないこと、②灰を埋めても浸出水などの無害化を行なわなければならず環境への負荷が続くこと、③スラグ化することにより有害物質を殆ど封じ込めると共に再利用により循環型社会に寄与できること、などです。
 では何故反対が起きるのでしょうか。①高温焼成により重金属等がガス化拡散する。②スラグが利用されない。③JIS規格は信用できない。④建設にも運転にも莫大な費用を要す。⑤全国の施設にトラブルが多い。⑥ゴミ減量が先だ。⑦建設場所(富士見町休戸)は断層地帯。⑧同じく水源地帯。他にも多数の反対理由があります。
 環境意識の高いことは望ましく、喜ばしいことです。しかしゴミ処理は止めることの出来ない行政事務です。諏訪南行政事務組合は、問題解決のため最大限の努力が求められます。

原村長 清水 澄

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