2007/01/27

公害防止協定書の調印 またも頓挫?

2月4日の調印を組合が申し入れたが...

昨年12月24日に公害防止協定の調印に失敗した諏訪南行政事務組合は関係区に対し、2月4日に改めて調印を行いたいと申し入れをした。

この件について現時点での確かな情報として、北杜市の大武川区は調印しない。また、1月21日に富士見町落合地区の区長会があり協定について協議したそうだが、先能と烏帽子は調印に賛成したものの他区は反対。落合地区としては、歩調をあわせる申し合わせがあることから2月4日の調印は行わないようだ。

組合の公害防止協定は事実上の建設同意書だ

考えてみれば、調印しない事は当然の成り行きだ。(つづく)

第一に、組合が提示している協定書は法的に住民の安全を保障するものになっていない。むしろ住民の安全保障をあたかも避けるかのような極めて不十分で曖昧な内容で、ゴミ弁連会長の梶山正三弁護士や前衆院議員の木島日出男弁護士という二人の権威が点検し、「万一の時には全く役に立たない」とそれぞれ同意見に達した。こんな協定を結んでも住民にとって良いことは何もない。

しかし、組合は「調印=地元の理解を得た」と言う解釈の元、締結と同時に一気に建設計画の実行に移りたいから、喉から手が出るほど協定書の締結を望んでいる。組合は「公害防止協定は住民の要望で、それに応えようとしているだけ」と言うだろうが、協定書の中身の無さと欠点の多さを見ると、むしろ住民のその要望を逆手にとって、建設計画の推進に利用しているとしか思えない。つまり協定書は一種の建設同意書だ。調印してしまうと、後は組合は建設を強引に進めてくるだろう。

深まってきた住民の認識

少なくとも機種が決まり、細目が提示されるまで締結する必要は全くないし、協議もせずに一方的に協定書を作成し、「調印しろ」と押し付けているのは許される事ではない。そもそも「協定書」なるものは組合と住民の双方の協議を繰り返しながら内容を決めていくべきだ。こう言う当たり前なプロセスを踏まずに中身のない協定を締結させようとしている組合はやはり信用できない。

梶山先生の講演会など、この問題に関して知識を深めるのに有意義な会合に落合地区からの出席者が少なかった。その背景に、組合からの戒厳令が敷かれたと言う話も聞いている。組合はそれだけ、都合の悪い情報が地域住民の耳に入ることを恐れ、締め付けに躍起になっている。

それでも、時間の経過とともに、地域住民の認識が深まり、組合が提示した公害防止協定だけではなく、建設計画そのものに対する疑問も確実に広がってきた。

同意書を撤回した地元2区の気持ちを尊重

そしてこの間、休戸区と花場区は2004年に調印させられた同意書の撤回を正式に申し入れ、灰溶融炉建設計画の中止を求めた。この事も周囲の関係区の調印への態度に影響を及ばしたはずだ。実際に「地元区が反対しているのに、我々が建設を前提とした協定を結ぶわけには行かない」と言う声を聞く。

組合の反発を考えると、休戸区と花場区の同意書撤回は大変勇気の要る決断だった。常識では、その地元中の地元住民の気持ちを無視し、協定書に調印することは考えられないし、落合地区などの関係区の住民がそんな人の道に反することができるはずがない。地元両区の同意書撤回にも係らず、組合は「同意書と協定書は違う」と言って、関係区にそんな理不尽なことを迫っている。

繰り返しになるが、組合が提示している協定書は事実上の建設同意書だ。地元中の地元が反対しているのに、そんな書類に判を押す方がおかしい。つまり、関係区が調印を渋っているのは人情上の観点からも、筋が通っている。その姿勢をぜひとも最後まで貫いていただきたい。

2007/01/19

漫画チラシ第6弾!

新年初めての漫画チラシ、運動を開始してから6号目をお届けします。
例によって爽快なペースで鋭い指摘満載です。ぜひ一読を!
画像をクリックすると拡大される。
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ビッグニュース!地元区は建設同意書を撤回!

今日1月19日の長野日報の3面に「建設同意書 撤回を」と言う大きな見出しの記事が掲載されました:
(画像をクリックするとオンライン記事が表示される)


記事の中にも説明されているように、花場区と休戸区がこの同意書に判を押したのは、あくまでも「デスクワークとして準備作業まで反対するものではない」と言う意味で、施設建設の『白紙委任』ではなかった。しかし同意書の文面は実際に「旧焼却施設を解体し、同地に灰溶融施設を建設する事を同意する」となっている。この同意書の位置付けについて地元住民と組合の理解にはかねてから隔たりがあった。そう言う意味で、地元住民が同意書の撤回を求める事は当然だ。理解しがたいのは矢嶋副組合長のその要求に対する受け取りの保留だ。住民が自ら判を押した同意書だから、「撤回申し入れ」は事実上「撤回」と同じことだ。その受け取りを保留しても関係ない。しかも、同意書に調印した当時に比べて、灰溶融炉の危険性、環境への影響について理解を深めてきた休戸区と花場区は併せて建設計画の中止をも求めた。これは事実上の「建設反対」表明だ。組合は、地元中の地元の建設反対を真摯に受け止め、灰溶融炉建設以外の解決策を真剣に考えていただきたい。

2007/01/17

灰溶融炉の中止を求める会が協定書の問題点を指摘

去年の12月にもう一つ、休戸での灰溶融施設建設計画に疑問を抱く「灰溶融炉の中止を求める会」と言う新しい住民グループができました。このグループの誕生を、私たちは大変心強く思っており、協力できるところがあれば、これから協力していきたいと思います。

さて、灰溶融炉の中止を求める会は年開け早々の1月5日に若宮区の公民館で、前国会議員で弁護士の木島日出男先生を呼んでの大変有意義な会を開きました。木島先生は岡谷市のご出身、数十年前の休戸でのし尿施設建設の時も地元住民の相談に乗った経験をお持ちで、驚くほど地元の事情に詳しいく、分析も大変に鋭いのもでした。(つづく)

もう一つ鋭かったのは、「灰溶融炉を求める会」が作成し、5日の会で配ってくれた「協定案の問題点」と言う資料です。なるほど、契約書や協定書なるものはこう言う風に読み取らないといけない、とつくづく思いました。例えば、協定書の冒頭は「○○区(以下「甲」という。)と諏訪南行政事務組合(以下「乙」という。)とは、乙が長野県諏訪群富士見町富士見5240番地外に設置する諏訪南灰溶融施設(以下「灰溶融施設」という。)に関して、富士見町長及び原村長を立会人として次のとおり公害防止協定を締結する。」としています。私たちはこれをさりげなく読み流して本文へ進んでしまったのですが、「灰溶融炉を求める会」は「富士見町長と原村長が「立会人」となっているが、第三者(弁護士など)が「立会人」としてふさわしいはずですが、建設する側が「立会人」というのは如何でしょうか?」と言うご尤もな指摘をしています。

また「(住民の安全及び生活環境保全のための措置)
第5条 地元委員会は、灰溶融施設を原因とする地域住民の安全上又は生活環境の保全上の支障が発生するおそれがあると認められるときは、乙に対し、その支障発生の防止のために必要な措置を求めることが出来るものとする。
2 乙は、前項の規定による請求があったときは、直ちに必要な措置を講ずるものとする。」
に対しても、灰溶融炉の中止を求める会は次のように指摘しています。
  • 灰溶融施設を「原因とする」「認められる」とありますが、これまでの裁判の例では、この因果関係を認めさせるのが一番の困難となっています。組合側が「原因と特定できない」といえば、結局住民側が立証する責任を負わされることになります。
  • 必要な措置を講ずる」となっていますが、「必要な措置」の中身があいまいです。

  • 先月、梶山先生の協定書に対する分析を紹介しましたが、「灰溶融炉の中止を求める会」はその分析に肉付けをして、組合が住民に突きつけた協定書がいかに不十分で、住民を不利な立場に立たせるかを明確に示してくれました。「協定案の問題点」をぜひ一読下さい:
    http://fujimi.mond.jp/files/kyoteishomondaiten.pdf

    2007/01/12

    住民説明会はいつ開かれるのか?

    昨年の10月21日に第4回住民説明会が開催されてからもうすぐ3ヶ月になります。
    前回の説明会において矢崎組合長は、再度住民説明会を行うと約束しています。
    本日、説明会の予定について諏訪南清掃センターの西澤所長に電話で聞いたところ「今のところ未定です。」と返答がありました。
    未定とはどういうことですか?遅れている理由を教えてくださいと聞いたところ「未定は未定です。」と答え一方的に電話を切ってしまいました。
    私たちの税金を使い住民のために働く立場にある行政職員がこのような態度で良いのでしょうか?職員に対する教育が不十分であると感じました。
    住民説明会は、住民からの疑問に答え組合が説明責任を果たす場所です。住民はまだ多くの疑問を持っています。延期の理由を明確にし、早期に説明会が開催されるよう要求したいと思います。

    2007/01/09

    花場区も公害防止協定には調印しない

    花場区は、8日に開かれた初区総会において公害防止協定の取り扱いについて協議し、休戸区にならう方針を決めた。休戸区は既に公害防止協定に調印しない意向を明確にしているので花場区も協定書への調印を拒否することになる。

    2007/01/07

    休戸区が公害防止協定を拒否

    1月5日に「灰溶融中止を求める会」主催による灰溶融炉問題懇談会が若宮区公民館で開催されました。
    花場区や大武川区からも多くの参加者がありました。その席上、休戸区長の大橋利彦さんより、「休戸区は公害防止協定に判をつくことはしない」との発言がありました。
    休戸区が多くの参加者の前で協定書の調印を拒否する意向を明確にしたことは、今後の運動にとって大きな励みとなることでしょう。今こそ、灰溶融炉の中止に向けて力をあわせましょう。

    2007/01/06

    灰溶融炉建設は、いったい何のため?(kaisetsu)

    環境会議・諏訪の「月間環境会議通信」(2007年1月初め発行)に小林桂子さんが灰溶融施設の意義に疑問を投げかけています。八ヶ岳周辺のごみ問題を考える会のメンバーでもある小林さんの了承を得て、下記に同文章を掲載します。
    灰を溶融化によってその容積を減らす事が灰溶融施設の一番の目的なので、その効果のほどはもっとも大事なテーマだが、それと別に、小林さんが指摘する笹原の最終処分場の覆土問題にも注目したいです。もしも諏訪南行政事務組合が法律で義務付けられている覆土を行っていなければ、灰溶融施設の運営をさせることは益々不安です。
    これを含めて、組合に聞きたい事、説明してもらいたい事はまだたくさんあります。前回の説明会からそろそろ3ヶ月になりますが、組合から次の説明会の予定は未だに発表されていません。矢崎組合長は「説明責任をきちんと果たす」と繰り返し言ってきましたので、次の説明会をなるべく早く開いてもらいたいです。

    以下は小林さんの文章です。
    =======================================

    灰溶融炉建設は、いったい何のため?      コバヤシケイコ

     諏訪南行政事務組合が計画している灰溶融炉に関する勉強会、活動を始めて、ちょうど1年になる。いろいろと知れば知るほど、危険で、無駄なもので、環境には最悪で、莫大な財政負担を強いられるという救いようのない施設だということがわかる。それなのに、建設中止に持っていくことが難しい。つまり、この問題は、日本社会の悪しき仕組み(国庫補助依存体質、製造者責任の欠落、次世代や他地域、地球規模への配慮の欠落、新技術の過信、談合問題、使い捨て社会、市民不在のゴミ政策)にしっかりと、はまり込んでいるからだ。

     組合が示す灰溶融炉建設の目的は、もうすぐ最終処分場が満杯になるので、それを掘り返して、溶融することにより減容化を図るということだ。当初の計算では、溶融すれば体積が10分の1になるというメーカーの触れ込みだったらしい。だから、溶融して再び埋め戻しても、数十年分は延命できる計算だった。しかし、実際に稼動を始めた施設を見てみると、あまり減っていない。ゴミ弁連の梶山弁護士の講演会の中にも「今の焼却炉は、それなりに性能がいいので、燃え残しがあまり出ないため、溶融しても減容効果はあまりない」ということだった。
     そして今、組合側は、溶融して出来たスラグを最終処分場に戻さずに、公共事業で路盤材などに使うので、最終処分場の延命はできると言っている。だが実際は、製品スラグにならないものがかなりある。溶融不適物と溶融飛灰は、最終処分場に戻すことになっていて、あるメーカーの資料では、埋め戻しの割合は全体の4割以上になる。そして出来損ないスラグなども、結局は埋め戻すことになるだろうから、仮に、製品スラグが全部販売できたとしても、結局は、よくて10年位の延命にしかならないのではないだろうか?つまり、10年後には、また、最終処分場の問題が、どこかで持ち上がるのだ。新しい最終処分場ができるまでには、10年かかると言われているのに・・。
    また、逆に心配なのは、強アルカリ性の不安定なスラグが、路盤材に使われたとき、近年ますます深刻化する酸性雨に耐えられるのだろうか?また、車の往来により、道路は少しずつ削られ、スラグに含まれる猛毒の重金属が空気中にばら撒かれることになる。
    そんなに、危険性が疑わしいのなら、「やっぱり、無理して使わないで、最終処分場に戻そう」ということに、普通はなるはずだ。しかし、そうすると目的の最終処分場の延命は、まるきり果たさないことになる。それどころか、溶融炉安定稼動のために、石灰などの薬剤をかなり投入するので、逆に増えてしまう結果になりかねない。そんなバカな・・・。
    そんなバカな話しが、まだある。溶融炉の建設費がベラボウに高い。日本での相場が1t当たり5000万円だそうだが、海外で同じメーカーが同じ施設を造ったときには、その半値(2500万円)が相場になるという。そして、我組合の見積もりはというと、1t当たり1億~1億5000万円だから、一体どうゆうこと?梶山弁護士が、何人かのメーカーの人にこの値段を聞いたら、信じられないと言っていたそうだ。(もしかしたら、ヨダレがでていたかも・・)
    また、梶山弁護士によると、ここの最終処分場は、とてもお粗末で、今時めずらしいそうだ。茅野市笹原にある最終処分場は、平成16年に満杯一歩手前になり、残余年数を残したまま、平成17年からは、焼却灰は全て富士見町休戸に運んでいる。本来は、満杯になると、最終覆土が義務付けられ、土を1m以上被せなくてはならない。それを逃れるために、満杯にせず、数年間は雨ざらし覚悟という感じだ。さらにひどいのは、即日覆土は一切実施していない。危険な灰は風に飛ばされ、汚水は川に落とされ、諏訪湖へと流れている。それもこれも、灰溶融炉を見込んで、土と混ぜない方が、作業上、スムースに運ぶからなのか?とにかく、住民の安全を無視している違法行為だ。
    そんな組合が、近日中に、建設予定地周辺の地元関係区と公害防止協定を結ぼうとしている。機種も決まっていないし、第一、住民説明会もまだ終わっていないのに・・・。ひどい話しだ。協定内容もお粗末だが、周辺地元の区民で構成する「地元委員会」を設置して、そこで話しを聞くという。つまり、我々のような反対意見を言う一般住民を蚊帳の外に追いやろうとしている。

    2007/01/01

    迎春



    あけましておめでとうございます。
    皆様にとってよき一年となりますよう祈ります。

    危険で高く、しかも灰が減らない無駄な施設。
    そんな住民を苦しめるだけの灰溶融炉をみんなの力で止めましょう。
    本年もよろしくお願いします。