2008/07/03

公募枠委員の小論文紹介(2)

小林さんの小論文に続いて、富士見町の公募枠で検討委員会に入ったエンジェル・ジェルミの小論文を掲載します。

3市町村におけるごみの3Rと処理について   エンジェル ジェルミ

 昔から我が家で生ごみはコンポスト、その他の紙は資源物に回しているが、正確な数字を得るために、去年の3月から9月まで、すべての「可燃ごみ」、「プラスチック」、「生ごみ」と「その他の紙」の重さを計った。毎日の人数も記録を取り、データを分析したところ、次の二つの事実が判明した:
(1)我が家で1日1人当たりで排出される可燃ごみ(つまりごみステーションに出すごみ)の量は75グラム。これは茅野、原、富士見合わせての平均の6分の1以下ではないかと思う。
(2)「生ごみ」と「その他の紙」は全体(「可燃ごみ」+「プラスチック」+「生ごみ」+「その他の紙」)のおよそ7割を占める。これは富士見町の地区懇談会で挙げられた割合とだいたい一致している。
この結果が示すのは、生ごみとその他の紙をきちんと分別して、可燃ごみに入れないようにすれば、焼却炉行きは7割減るはずだという事だ。我が家でも、生ごみとリサイクル可能な紙をすべて分別しているからこそ、可燃ごみの排出を1日1人当たりわずか75グラムに抑えられている。
 言いかえれば、3市町村の平均である約500グラムという数字は、住民がごみステーションに出している可燃ごみの中に、生ごみと紙が未だにたくさん入っているためだ。よって、これからのごみの3R対策はまず、「生ごみ」と「その他の紙」の分別促進に焦点を合わせるべきだと思う。
 分別促進策として、「その他の紙」は徹底した啓発しかないと思うが、「生ごみ」は啓発とともに、分別処理のための体制作りも必要になる。
 啓発に関しては、富士見町を例に取れば、まだたくさんのことができると思う。たとえば有線放送は有効な手段だが、生ごみと紙の分別を中心としたごみの出し方についての呼び掛けを、少なくとも「犬の糞の始末」と同じぐらいの頻度で行った場合、かなり効果があるのではないか。同時にごみステーションや公民館、学校などの公共施設でのポースターの掲示、コミプラや役場ロビーなどに実際にどのように分別するのかの常時展示、町の配り物でのチラシなどによって、「しつっこいよ」と言われるぐらい、ごみ減量に対する町の強い姿勢を示すべきである。3市町村の首長も、資源物回収の手伝いや、自らの有線放送での呼び掛けなどで、その顔が見える形でごみ減量活動の先頭に立つことは大事だと思う。
 生ごみは、啓発もとても大事だが、それ以外のサポートも欠かせない。(1)庭先にコンポスターを置ける家庭なら、匂いやハエを抑えるための正しい使い方の啓発や、電気を使わない手動式バイオ型生ごみ処理機の利用促進、(2)庭のない家庭に関しては、たとえば下諏訪のように生ごみ収集や、小淵沢インターのやまとスーパーのように、スーパーなどで生ごみ処理機の設置を行政も積極的に支援すべきである。(やまとスーパーでは生ごみは買い物に使えるポイントにもなる。)
 常時受け入れを含めた生ごみの資源化体制作りは3R運動の中で一番お金のかかる部分だと思うが、可燃ごみの処理コストや環境面を考えると、十分に元が取れるはずです。今よりずっと徹底した啓発とともに、生ごみとその他の紙をきちんと分別し、いつでも受け入れる体制さえ作れば、かなりの改善が見込まれると思う。その過程で住民の3Rに対する意識も高まり、生ごみ分別も当たり前になる日がくるはずである。
 処理に関しては、たとえ可燃ごみを7割減らすことができたとしても、ごみは依然として発生するので、焼却施設とその灰を保管する場所が必要だが、その規模はうんと小さくなるはずだし、灰の量も少なくなる。環境面や原油高騰下の運営費の面から、灰の溶融化はもはや過去の技術と位置付けられつつあるが、金属類の枯渇に伴い、灰からほとんどの重金属を回収する技術も開発されつつあり、灰の一時保管の場所として山形村のサンクスBBのような屋根付き処分場も検討に値する。
 ここで詳しく触れるスペースはないが、ごみ減量のもう一つ非常に大事な面はごみの発生抑制である。またごみ減量推進会議の提言にもあったように、処理費を排出割にすることで、良い意味で3市町村の間にごみ減量競争が生まれ、大きな効果をもたらすはずだ。

公募枠委員の小論文紹介(1)

諏訪南行政事務組合の灰溶融炉建設計画の再検討に伴い、茅野市・富士見町・原村ごみ処理協議会が立ち上げられ、協議会において、ごみ処理基本方針検討委員会が設けられた。一部(6人)の委員は公募によって選ばれたが、その公募に当たって、応募者は「3市町村におけるごみの3Rと処理について」と言う小論文(40字詰めの原稿用紙4枚以内)の提出を求められた。(詳細:富士見町役場HP)協議会は提出された小論文の公開はしないということで、公募枠の複数の委員から、公開を希望してこちらに原稿を送りました。著者本人の希望であれば、公開はもちろん好ましいことであり、その第一弾として、八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークの小林峰一さんの小論文をまず紹介します。

3市町村におけるごみの3Rと処理について               原村 小林峰一

 
地球温暖化が深刻さを増し、二酸化炭素の排出量が問題となっていますが、焼却大国日本では、ごみの焼却によって排出される二酸化炭素が3%を占めています。これまで、ごみは出るものとして、焼却や埋め立てにより処理してきた日本のごみ処理政策ですが、発生するごみ量の増大により、厳しい対応を迫られています。
 一方、ごみの減量化政策は、容器包装リサイクル法が、その費用負担の多くを、製造者ではなく、市民(自治体)に求めたことにより、地方自治体の財政を苦しめています。また、循環型社会形成推進基本法では、廃棄物処理・リサイクルの優先順位をリデュース、リユース、リサイクルと定めているのに、実際には、リサイクルから先に実行され、残念ながらリサイクルで終わっています。リユースやリデュースまで政策が進まない理由は、拡大生産者責任の導入が先送りされ、ごみ処理費用の大半を消費者が負担することになっているからです。その結果、多くの自治体では、焼却ごみが減るどころか、横ばいないしは増加傾向のままで、廃棄物処理費用の高騰が財政を圧迫しています。
 3市町村におけるごみ処理の現状も同じで、06年の状況では、可燃ごみが24957t/年排出され、増加傾向にあります。(対00年比で5.6%増)ごみの減量化については、10年までに、ごみの排出量を対00年比で20%減、焼却ごみに関しては25%減を目標としていますが、07年のごみ減量成果を見ても、3市町村全体で9,7%減(07年4月~10月末まで前年同期比)と、現状のままでは目標の達成が困難な状況にあります。
 このような現状を踏まえ、3市町村において、ごみの減量化(3R)をどのように進め、どのようなごみ処理を行ったら良いかについて考えてみます。
 減量化政策(3R)は、国の政策に振り回されることなく、現実的に、ごみが減る政策へ転換しなければなりません。資源物の分別収集(リサイクル)を徹底して行ない、焼却ごみの減量を図ることは重要ですが、リサイクルによる減量だけでは、財政負担が大きく、やがて行き詰まる可能性があります。よって、リデュースや、リユースを行うための仕組みを、条例や制度として早期に整備する必要があります。条例化の可能性として、①ごみの処理量に応じて負担を求める処理量割の導入。②事業系一般廃棄物の処理費用を現在より高く設定し、減量化を促す。③事業系一般廃棄物の全量を事業者処理とする。④一般廃棄物の処理ないしリサイクル費用について、事業者にも負担を求める。などが考えられます。まずは、処理量割の導入を急ぎ、自治体間に減量化の競争を促すことが必要です。
 ごみ処理政策は、発生抑制(ごみとなるものを製造・販売した業者に対して、廃棄までの責任を求めることで、ごみを発生段階から出さないようにする=リデュース)と排出抑制(ごみの中から、資源となるものを分別し再生する=リサイクルや、ごみにしないように繰り返し使用する=リユース)を真剣に行った後に、それでも残るごみをどう処理するかという考え方が必要です。その場合、現在稼動している焼却施設をできるだけ長く使い続けることが重要です。この焼却施設は、12年に耐用年数を迎えますが、焼却ごみの減量化が進めば、炉の寿命を延ばすことも可能です。建て替えが必要になった際には、同じ方式で、今よりも焼却規模を小さくする努力が必要です。焼却灰の処理については、現在行っている民間委託を継続し、その間に、浸出水が発生しない構造で、灰を保管しておく保管型の施設など、管理型最終処分場以外の方法についても研究を進める必要があります。
 いずれの政策においても、住民参加による政策づくりが大切ではないでしょうか。

2008/06/25

茅野・富士見・原ごみ処理方針再検討 委員会が初会合

6月25日の長野日報の記事です:


(画像をクリックするとウェブ記事に移動します)
委員長に選出されたのは、知識経験者として委員会に選ばれた藤吉秀昭さん。(財)日本環境衛生センターという団体の常務理事で、廃棄物処理技術にずっと携わってきた工学博士だそうです。時事通信のガス化溶融炉全国調査の結果発表に関連して、以前にもこのブログのこことここに名前が登場している方で、東京二十三区清掃一部事務組合の溶融処理技術検討委員会専門委員会委員も務めている。
ごみ処理基本方針検討委員会は灰溶融炉建設と言う以前の基本方針を再検討するために設置されたもので、そうした中で藤吉氏の委員長選出がどういう意味を持っているか、目を光らせていく必要がありそう。

2008/04/21

灰溶融炉の白紙撤回までの道のり - 消費者リポート記事

日本消費者連盟の機関紙の3月27日号発行の1398号に、「灰溶融炉を考える会」呼びかけ人である小林峰一さんによる記事が掲載されました。日本消費者連盟の許可を得て、連盟への感謝をこめてここでも掲載します。白紙撤回までの道のりを簡潔にわかりやすく説明しています。 運動に加わった一人として読み返すと、色々な思い出が浮かんできます。
(画像をクリックすれば拡大される)

消費者リポートのヘッダーです:

2008/03/25

負担割を処理量割8割へ提言 諏訪南ごみ減量推進会議


(画像をクリックすると、オンライン記事へ移動する)

ちなみに3月の富士見町町議会の一般質問でエンジェル千代子議員は矢嶋町長に対して
負担割りのなかに排出割りを盛り込んでいくように提案していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

と質問したが、町長は「改めて見直しの申し出る考えはない」とまったく取り合ってくれなかった。
現状の「均等割2割と人口割8割」を「均等割2割とごみ処理量割(= 排出割)8割」とした諏訪南ごみ減量推進会議の提言を、矢嶋町長はどう受け止めているだろうか。。。
エンジェル議員の調査からも分かるように、処理量に基づいた負担割は今や主流になりつつあるし、ごみ減量の観点から考えても、最も合理的で自然な形である。諏訪南の組合理事者にも、地域の損得よりも、ごみ減量の効果を優先して、推進会議の処理量割8割提案を前向きに検討していただきたい。

生ごみの自家処理推進 富士見町が説明会


(画像をクリックすると、オンライン記事へ移動する)

2008/02/24

検討委員会設置についての提言

諏訪南行政事務組合の柳平組合長は灰溶融炉建設計画を一旦白紙に戻して、検討委員会を設置し、1年間をかけてこれから取るべき施策を再検討することを1月24日に発表した。その検討委員会は単に施設についての再検討で終わらせるのではなく、ごみ問題を根本的なところから見直すための議論を住民と行政がいっしょに行うことが重要だという考えの元で、私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは環境会議・諏訪と環境ネットワーク茅野と一緒に、検討委員会についての提言を、2月21日に柳平組合長に提出した。
翌日の長野日報の一面にも取り上げられた:

組合長は私たちの話を真剣に聞いて、施設建設ありきの再検討ではないことなどを話してくれた。

2008/02/14

灰溶融炉建設白紙撤回 - 運動さらなる進化を

小林峰一
 1月24日に諏訪南行政事務組合議会の全員協議会が開催された。そこで組合長である茅野市長は、計画されていた灰溶融炉建設を再検討すると発表した。その理由として、燃料の灯油が高騰しており、維持管理費が当初の3億円では収まらないこと。建設予定地が県の急傾斜地危険地域に指定されることが確実となり、その対策に多額の費用を必要とすること。地元住民の合意が得られていないため建設のスケジュールが不透明であること。現在使っている焼却施設(茅野市米沢にあるストーカー炉)の更新時期が近づいて来たため、それも併せて総合的に検討する必要が出てきたことなどをあげている。組合長があげた理由から考えて、この発表は、事実上の白紙撤回を意味する。組合は、富士見町休戸への灰溶融炉建設を断念したのだ。
 私たちが、平成17年の12月に始めた住民運動は、多くの方々の協力によって実を結び、一つの結果を出すことが出来た。しかし、これで運動が終わったわけではない。この貴重な体験を自信として、これからは、ごみ問題の根本的な解決に向けての運動を始めなくてはならない。組合は、現在の焼却施設を更新する際に溶融炉を導入し、併せて最終処分場をどこかに確保しようと考えている。
 私たちは、「施設ありき」のごみ処理政策を根本的なところから見直す必要があると考えている。施設の計画を作る前に、まずは、ごみをどこまで減らせるか徹底的に議論すべきである。廃棄物の発生抑制と排出抑制につながる仕組みづくりに知恵を集めること。ごみ処理施設の運用にどれだけのお金(税金)を必要とするか?住民の負担を明確にし、すべて公開すること。これらについてどこまで迫れるか。運動の質も今までとは違うものになるだろう。
 組合は今後、来年度一年間かけ、ごみ減量の見通しや新しい最終処分場、10年後に建て替える必要のある清掃センターなどついて検討をしていくための検討委員会を設置する。そして、その委員を一部公募するとしている。数年前、蓼科ダム建設問題で設置された上川部会がそうであったように、今回、設置される諏訪南行政事務組合の検討委員会も、全国に発信できるような、先進的なごみ政策を提言できるよう期待される。そのために、我々も努力したいと思っている。

2008/02/11

夢のような技術は結局悪夢だったか

灰溶融炉ではなく、鉄鋼スラグの話だ。一般のごみからできたスラグとは性質が全然違う、この事件の背景にある問題は共通点が多くて、いかにも一般のスラグに当てはまりそうな。。。
2月8日の読売新聞から:
 千葉市と製鉄関連会社「JFEミネラル」(本社・東京都港区)は8日、同社製造の路盤材が舗装に使用されたアスファルト道路の一部で路面が隆起し、男性が軽傷を負ったと発表した。
 路盤材が雨水などと反応して膨張したのが、原因と見られるという。
...
 同社に道路の隆起が初めて報告されたのは、2005年末。その後も苦情が相次いだため調べたところ、昨年6月になって路盤材の膨張が原因と判明した。この路盤材はアスファルトやコンクリート廃材、ステンレス製造の際に副産物として出る「製鋼スラグ」などが原材料で02~03年に製造された。スラグの配合率が高かったため、水との化学反応で膨張した可能性が高いという。同社は「材料が数年も遅れて膨張するとは我々の知識にはなかった」としている。
...
市への報告は昨年11月下旬で、市は「早く知らせてもらえれば、それなりの対応ができた可能性がある」と同社の対応を批判した。
一般ごみやその灰から作ったスラグも、水と化学反応を起こす可能性は十分にある。膨張して隆起するぐらいなら、スラグの中からも色々な物質が溶出し、土壌汚染を起こす可能性も十分にある。技術を開発した会社は「材料が数年も遅れて膨張するとは我々の知識にはなかった」と言っているが、溶融化がいかにも未完成な技術であるかを象徴しているコメントだと思う。問題を報告するのに2年間がかかったのも、なんとなく典型的。

2008/02/08

計画の白紙撤回:富士見町の議会の受け止め方

富士見町の全員協議会の様子を伝えたエンジェル千代子町議の記事:
http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000506.html#more
他の議員からは「今まで、富士見町の議会でも議決され、灰溶融炉の建設で決まって進めてきた事を、組合長の一存でひっくり返されるのでは、議会なんかいらないじゃないか」「灰溶融炉の建設予定地の理事者として、翻意を促すべきだ」などなど...否定的な意見しか出てきませんでした。

矢嶋町長は「反対してきた人たちは、土地の買収なども責任を持ってやってもらわなければ困る」などと大きな声を出したようだが、町長も推進派の議員たちも、組合長がどんな思いで計画の見直しを決めたかを少しでも考えたのだろうか?

結局自治体に付けが回る業界の採算管理の甘さ:JFEも

東京23区のごみ問題を考える ブログより:
JFEホールディングスが2008年3月期に、ごみ処理プラント事業で500億円規模の特別損失を計上する見通しとなった。納入先の自治体と結んだ操業・保守請負契約のコストが予想以上に膨らんだため今後17年にわたって生じる損失を損失引当金として一括計上する。プラント業界ではIHIと荏原も巨額損失を計上。官公需低迷などを背景に激しい受注競争を繰り広げる同業界の採算管理の甘さが浮き彫りになった。

今になってやっと報道された去年6月の灰溶融炉事故

溶融炉から高温灰漏れ/那覇・南風原クリーンセンター 
【南風原】南風原町新川の那覇・南風原クリーンセンター(松田馨所長)で昨年六月、ガラス状の「スラグ」や金属質の「メタル」約四トンが灰溶融炉から漏れ出し、構内の操作盤や配管類を燃損させていたことが六日、分かった。

2008/02/01

チラシを富士見町、原村と茅野市に

2008年1月24日の断層調査結果報告前の1月20日に、私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは新聞折り込みでチラシを富士見町(全紙)、原村(長野日報)と茅野市(長野日報)に配布しました。本当は原村でも茅野市でも全紙で配布したかった、かなりお金がかかるので、長野日報だけに絞った。その後、色々な方からカンパをいただき、非常に助かりました。皆様、本当にありがとうございます!。遅くなりましたが、チラシを掲載します。このチラシも多少組合長の計画再検討の英断につながったかな?
(画像をクリックすれば拡大される)