小林峰一
1月24日に諏訪南行政事務組合議会の全員協議会が開催された。そこで組合長である茅野市長は、計画されていた灰溶融炉建設を再検討すると発表した。その理由として、燃料の灯油が高騰しており、維持管理費が当初の3億円では収まらないこと。建設予定地が県の急傾斜地危険地域に指定されることが確実となり、その対策に多額の費用を必要とすること。地元住民の合意が得られていないため建設のスケジュールが不透明であること。現在使っている焼却施設(茅野市米沢にあるストーカー炉)の更新時期が近づいて来たため、それも併せて総合的に検討する必要が出てきたことなどをあげている。組合長があげた理由から考えて、この発表は、事実上の白紙撤回を意味する。組合は、富士見町休戸への灰溶融炉建設を断念したのだ。
私たちが、平成17年の12月に始めた住民運動は、多くの方々の協力によって実を結び、一つの結果を出すことが出来た。しかし、これで運動が終わったわけではない。この貴重な体験を自信として、これからは、ごみ問題の根本的な解決に向けての運動を始めなくてはならない。組合は、現在の焼却施設を更新する際に溶融炉を導入し、併せて最終処分場をどこかに確保しようと考えている。
私たちは、「施設ありき」のごみ処理政策を根本的なところから見直す必要があると考えている。施設の計画を作る前に、まずは、ごみをどこまで減らせるか徹底的に議論すべきである。廃棄物の発生抑制と排出抑制につながる仕組みづくりに知恵を集めること。ごみ処理施設の運用にどれだけのお金(税金)を必要とするか?住民の負担を明確にし、すべて公開すること。これらについてどこまで迫れるか。運動の質も今までとは違うものになるだろう。
組合は今後、来年度一年間かけ、ごみ減量の見通しや新しい最終処分場、10年後に建て替える必要のある清掃センターなどついて検討をしていくための検討委員会を設置する。そして、その委員を一部公募するとしている。数年前、蓼科ダム建設問題で設置された上川部会がそうであったように、今回、設置される諏訪南行政事務組合の検討委員会も、全国に発信できるような、先進的なごみ政策を提言できるよう期待される。そのために、我々も努力したいと思っている。
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