2007/08/31

活断層調査要望書に対する組合の回答

私たちのネットワークが諏訪南行政事務組合に提出した活断層調査に関する要望書に対して、組合は次のように答えました:
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組合は8月3日の特別委員会で調査を行うことを発表しました。
この件に関して改めて強調したいのは:
  1. こういう調査は柏崎刈羽原発の地震被害を受けてではなく、最初から行うべきだった。行っていないのはきわめて無責任と言わざるを得ません。
  2. 組合自らの生活環境影響調査の報告書(平成17 年7 月)では、建設予定地周辺の地質について次のように記述されています。「富士見町の南西側は赤石山脈の北端で、この山脈の東側を糸魚川・静岡構造線といわれる大きな断層が走り断層崖を作っているため、山腹の傾斜は大変急で平坦地が少なくなっている。また建設予定地のある富士見町の西山方面は、地質が脆弱なうえ急傾斜地のため、ここを流れる河川は激しい洗掘により崖状の侵食谷を形成しており、山地災害を起こしやすい地形となっている。」 そもそもこう言う場所をあえて唯一の候補地として選んだことは理解し難い。
  3. 地質はこの計画が抱えている多くの問題の中の一つに過ぎない。たとえ予定地を地質がしっかりしている場所に変えたとしても、作るべき施設ではありません。

2007/08/18

特別委員会の最近の動向

8月3日の特別委員会について、すでに同意書に対する矢嶋副組合長の驚くべき見解と、活断層調査の実行について触れているが、ほかにも清水副組合長(原村村長)の発言に対する推進派議員の攻撃などもあった。エンジェル千代子議員のブログに当日の様子が詳しく書いてあるので、よかったら読んでください。
あまりにも遅い段階での活断層調査決定や、約束された住民説明会の不実行など、組合側の度重なる怠慢をまったく問題にしない一方、清水村長の発言だけを取り上げてあれだけぐるになって攻めた推進派議員たちを見て、正直言って目を覆いたくなった。これじゃ議会のチェック機能はどこへやら。上記のエンジェル議員のブログ記事を読んでコメントを投稿した読者は「何故そんなに建設をしたがるのか?」と不思議がっているが、無理もない話だ。

2007/08/16

地元住民の意見を聞く場を8月22日に

組合議会の特別委員会は8月10日の会議で、8月22日に建設予定地の地元3区(休戸、花場、大武川)の区長の意見を聞き取ることを発表しました。11日の長野日報の記事です:

(画像をクリックすると、長野日報のオンライン記事へ飛ぶ)

2007/08/13

富士見町全戸配布のチラシ

8月14日に、富士見町で全戸配布したチラシです。内容は灰溶融炉全般の問題と、柏崎刈羽原発の地震による被害を踏まえ、建設予定地周辺のきちんとした地質調査の必要性を改めて訴えてものです。一応、組合は8月3日の特別委員会で、査を行うことを発表し、10日の特別委員会でその中身について発表したが、「注文通り」の調査結果しか出さないコンサル会社や、いわゆる「御用学者」を使って済まそうとしないように目を光らせ続ける必要がある。

(画像をクリックすると拡大される)
表面

裏面

2007/08/10

同意書撤回ふたたび

8月3日の組合特別委員会の審議の中で、灰溶融炉の建設に対して休戸区と花場区から出された平成16年2月28日付の同意書と、今年に入って提出された同同意書の撤回について次のような議論が起こりました。(詳しい背景は下で説明しています):
...(つづきは下の「全文を読む」を押してください)

議員A: 休戸区と花場区は同意書を撤回しているわけだから、なぜその同意書を公開できないかを問題としている。
矢嶋副組合長: 撤回撤回と言うけれど、私どもはその撤回文書を受け取れませんという事で、それで治まっている。
議員A: 治まっていると言うのはどう言うこと?
矢嶋副組合長: 受け取れないと言って、それから反論が来ていないという事。
(中略)
議員B: その後、休戸区長は内容証明で、同意書を撤回しますという文書を送っているよね。
矢嶋副組合長: それも受け取れませんと言っている。
議員B: 内容証明を受け取れないというのは、内容証明を受取るときにお返しになった、という事?
矢嶋副組合長: 受け取ったものについて、承諾できません、という内容証明を送った。

矢嶋副組合長(南諏訪衛生施設組合長)は上記のような論理で、現在生きているのは同意書の撤回ではなく同意書であると言って
いる。地元住民の明確な意思表示をこれだけ露骨に拒否するのはその町長としてあるまじき行為だと言わざるを得ない。
幸い内容証明郵便の受け取りを拒絶したりすることでその内容が効果を持たないほど、世の中は甘くない。こういう風に書くと矢嶋町長はきっと例によって「理屈ばっかりやらんでや」と言うだろうが、ネットで検索したところ次のように言っている。

内容証明郵便は、いくら相手方が受取拒絶をしたとしても、内容を見ることができる状態にあったということになり、郵便物が到達したという効果は発生します。
こちらも: 意思表示が相手方の勢力範囲に到達すれば、意思表示としては有効ですので(民法97条)、仮に受取人が受取を拒絶しても効力に影響はありません。
民法97条は:隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
そしてしつこいようだが、念のためにこれも:
●相手方が内容証明を受け取らない場合があります(これは結構あります)。このような場合は、内容証明はそのまま、「受取りを拒否されました」(受取拒絶の紙)という付箋が付けられ、差出人に戻されます。
●受取りを拒否されても、相手方に届いたものとして扱われます。
●内容証明郵便の受領を相手方が拒絶した場合、内容証明郵便に記載された意思表示・意思の通知は到達したものとみなされる、との判断がなされています(大審院判決昭和11年2月14日)。
●受取拒絶となっても、「受取拒絶の紙が付いた内容証明郵便自体」が相手に届いた証拠(到達した証拠)となります。


考えてみれば、内容証明郵便の受け取りを拒絶したりしたことでその意思表示が効果を持たないなら、内容証明郵便という制度そのものの意義はなくなる。そもそもその郵便の内容を見たくない相手が、「そんな郵便はこちらに届いていないよ」と言い逃れないように、主に悪徳商法から消費者を守るための制度だ。この灰溶融炉の建設を推進している行政側は数多くの「不都合な真実」に目をつぶってきているが、休戸区と花場区の同意書撤回は動かぬ真実であり、内容証明郵便制度の意義を理解せずに受け取らないことでそれを無効にできると思っているなら、矢嶋町長は勉強不足だ。

<背景>
諏訪南行政事務組合の副組合長である富士見町の矢嶋民雄町長は富士見町と原村で構成されている南諏訪衛生施設組合の組合長でもある。休戸区と花場区は今年1月18日にその矢嶋南諏訪衛生施設組合長に対して、平成16年2月28日付の、灰溶融炉の建設に対する同意書を撤回する申し入れを行った。矢嶋組合長はその申し入れの受け取りを保留し、その後受け取れない旨を伝えたので、後日、両区長は同撤回の申し入れを内容証明で送った。これに対し矢嶋組合長は同意書の撤回を認めることはできない、と言う内容証明郵便を両区長に送ったと言っている。
実は休戸区と花場区は諏訪南行政組合に対しても同平成16年2月28日付で同じ内容の同意書を提出している。その同意書について、休戸区の区長は、南諏訪衛生施設組合に対して申し入れた撤回は諏訪南行政組合に提出した同意書に対しても当てはまるし、その意思が今年1月18日の当日からであることを6月15日付の文書で諏訪南行政事務組合に伝えた。
その諏訪南行政事務組合の同意書に対して、組合議員の一人であるエンジェル千代子富士見町町議は組合に対して開示請求をしているが、組合は不開示としたため、エンジェル議員はその不開示決定について不服申し立てをし、その不服申し立ては只今審査会において審査されている最中だ。

2007/08/04

最初にやるべき断層調査をやっと実行

8月2日に私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークと環境ネットワーク茅野は諏訪南行政事務組合とその議会の特別委員会に対して、灰溶 融炉建設予定地の断層調査を行うように要望書を提出しました。8月3日に開かれた特別委員会の席で、組合長の柳平千代一茅野市長は断層調査を早急に実行 すると発表しました。 そのニュースは今日、8月4日の長野日報の1面に載りました:

画像をクリックすれば、ウェブ記事へ行く


私たちの組合長に対する要望書はここ。特別委員会に対する要望書はここ
環境ネットワークの組合長と特別委員会に対する要望書はここ

私 たちは去年から、信州大学の小坂教授(副学長、地質学)のご協力を得て、予定地周辺の地質調査を行い、いくつもの断層を現場近くで発見しています。その中に活断層である可能性が高い断層が含まれています。この結果を踏まえて、私たちは組合に対して繰り返し、徹底した地質調査を行う必要性を訴えてきま した。しかし、残念ながらちっとも耳を傾けてもらえませんでした。
...(つづきは下の「全文を読む」を押してください)
そのために私たちは指導の立場にある長野県に対しても、事情を説明し、組合に地質調査を行うように要望しました。この件について、7月11日の特別委員会での議員の追及に対して、組合は、業者が決まったら、その業者に調査をさせること、この旨を近いうちに県に説明すると答えました。
上記の要望書にも書いてあるように、業者が調査を行うことには何の意味もありません。予定地選定にはきちんとした地質調査は不可欠で、その調査を行うのは当 然ながら組合の責任です。本来とっくに行っているはずなのに、それを頑として拒んできたのは、「ああ、なるほど、調査をしないのは、活断層が発見される可 能性が大きいからだ」と不審に思われても仕方がありません。
組合長は断層調査に踏み切った理由として柏崎刈羽原子力発電所の地震の被害をあげました。私 たちや環境ネットワーク茅野も要望書の中で同被害に触れて要望しましたが、それらの要望書が組合の重い腰を上げさせるのにどれだけの効果があったかは不明で す。要望書は昨日の特別委員会の前日に提出され、特別委員会当日の地元の新聞にも取り上げられましたが、もしも要望書を提出していなかったら、組合は果た して調査をすることにしたでしょうか。
いずれにせよ、組合はやっと、行って当然のことを行うことになりました。問題はどれだけきちんとした調査を行う かです。こうした地質調査にはすでに行われている予定地内の簡単なボーリング調査や、岡谷市が新病院予定地選定にあたって行った活断層 トレンチ調査から、周辺部の斜面や河川を歩き河床や護岸に露出されている地層を調べ、詳しい断層マップを作成する調査まで、色々あります。しかし、柏崎刈羽原発にあれだけのダメージを与えた活断層がボーリングやトレンチ調査だけで発見できたかは非常に疑わしいです。今回の地震で得た教訓の一つは、なるべく広範囲で詳 しい地質調査の必要性です。組合がやると言った以上、今回こそ、地元住民の立場に立った徹底的なものにしていただきたいものです。