2008/02/24

検討委員会設置についての提言

諏訪南行政事務組合の柳平組合長は灰溶融炉建設計画を一旦白紙に戻して、検討委員会を設置し、1年間をかけてこれから取るべき施策を再検討することを1月24日に発表した。その検討委員会は単に施設についての再検討で終わらせるのではなく、ごみ問題を根本的なところから見直すための議論を住民と行政がいっしょに行うことが重要だという考えの元で、私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは環境会議・諏訪と環境ネットワーク茅野と一緒に、検討委員会についての提言を、2月21日に柳平組合長に提出した。
翌日の長野日報の一面にも取り上げられた:

組合長は私たちの話を真剣に聞いて、施設建設ありきの再検討ではないことなどを話してくれた。

2008/02/14

灰溶融炉建設白紙撤回 - 運動さらなる進化を

小林峰一
 1月24日に諏訪南行政事務組合議会の全員協議会が開催された。そこで組合長である茅野市長は、計画されていた灰溶融炉建設を再検討すると発表した。その理由として、燃料の灯油が高騰しており、維持管理費が当初の3億円では収まらないこと。建設予定地が県の急傾斜地危険地域に指定されることが確実となり、その対策に多額の費用を必要とすること。地元住民の合意が得られていないため建設のスケジュールが不透明であること。現在使っている焼却施設(茅野市米沢にあるストーカー炉)の更新時期が近づいて来たため、それも併せて総合的に検討する必要が出てきたことなどをあげている。組合長があげた理由から考えて、この発表は、事実上の白紙撤回を意味する。組合は、富士見町休戸への灰溶融炉建設を断念したのだ。
 私たちが、平成17年の12月に始めた住民運動は、多くの方々の協力によって実を結び、一つの結果を出すことが出来た。しかし、これで運動が終わったわけではない。この貴重な体験を自信として、これからは、ごみ問題の根本的な解決に向けての運動を始めなくてはならない。組合は、現在の焼却施設を更新する際に溶融炉を導入し、併せて最終処分場をどこかに確保しようと考えている。
 私たちは、「施設ありき」のごみ処理政策を根本的なところから見直す必要があると考えている。施設の計画を作る前に、まずは、ごみをどこまで減らせるか徹底的に議論すべきである。廃棄物の発生抑制と排出抑制につながる仕組みづくりに知恵を集めること。ごみ処理施設の運用にどれだけのお金(税金)を必要とするか?住民の負担を明確にし、すべて公開すること。これらについてどこまで迫れるか。運動の質も今までとは違うものになるだろう。
 組合は今後、来年度一年間かけ、ごみ減量の見通しや新しい最終処分場、10年後に建て替える必要のある清掃センターなどついて検討をしていくための検討委員会を設置する。そして、その委員を一部公募するとしている。数年前、蓼科ダム建設問題で設置された上川部会がそうであったように、今回、設置される諏訪南行政事務組合の検討委員会も、全国に発信できるような、先進的なごみ政策を提言できるよう期待される。そのために、我々も努力したいと思っている。

2008/02/11

夢のような技術は結局悪夢だったか

灰溶融炉ではなく、鉄鋼スラグの話だ。一般のごみからできたスラグとは性質が全然違う、この事件の背景にある問題は共通点が多くて、いかにも一般のスラグに当てはまりそうな。。。
2月8日の読売新聞から:
 千葉市と製鉄関連会社「JFEミネラル」(本社・東京都港区)は8日、同社製造の路盤材が舗装に使用されたアスファルト道路の一部で路面が隆起し、男性が軽傷を負ったと発表した。
 路盤材が雨水などと反応して膨張したのが、原因と見られるという。
...
 同社に道路の隆起が初めて報告されたのは、2005年末。その後も苦情が相次いだため調べたところ、昨年6月になって路盤材の膨張が原因と判明した。この路盤材はアスファルトやコンクリート廃材、ステンレス製造の際に副産物として出る「製鋼スラグ」などが原材料で02~03年に製造された。スラグの配合率が高かったため、水との化学反応で膨張した可能性が高いという。同社は「材料が数年も遅れて膨張するとは我々の知識にはなかった」としている。
...
市への報告は昨年11月下旬で、市は「早く知らせてもらえれば、それなりの対応ができた可能性がある」と同社の対応を批判した。
一般ごみやその灰から作ったスラグも、水と化学反応を起こす可能性は十分にある。膨張して隆起するぐらいなら、スラグの中からも色々な物質が溶出し、土壌汚染を起こす可能性も十分にある。技術を開発した会社は「材料が数年も遅れて膨張するとは我々の知識にはなかった」と言っているが、溶融化がいかにも未完成な技術であるかを象徴しているコメントだと思う。問題を報告するのに2年間がかかったのも、なんとなく典型的。

2008/02/08

計画の白紙撤回:富士見町の議会の受け止め方

富士見町の全員協議会の様子を伝えたエンジェル千代子町議の記事:
http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000506.html#more
他の議員からは「今まで、富士見町の議会でも議決され、灰溶融炉の建設で決まって進めてきた事を、組合長の一存でひっくり返されるのでは、議会なんかいらないじゃないか」「灰溶融炉の建設予定地の理事者として、翻意を促すべきだ」などなど...否定的な意見しか出てきませんでした。

矢嶋町長は「反対してきた人たちは、土地の買収なども責任を持ってやってもらわなければ困る」などと大きな声を出したようだが、町長も推進派の議員たちも、組合長がどんな思いで計画の見直しを決めたかを少しでも考えたのだろうか?

結局自治体に付けが回る業界の採算管理の甘さ:JFEも

東京23区のごみ問題を考える ブログより:
JFEホールディングスが2008年3月期に、ごみ処理プラント事業で500億円規模の特別損失を計上する見通しとなった。納入先の自治体と結んだ操業・保守請負契約のコストが予想以上に膨らんだため今後17年にわたって生じる損失を損失引当金として一括計上する。プラント業界ではIHIと荏原も巨額損失を計上。官公需低迷などを背景に激しい受注競争を繰り広げる同業界の採算管理の甘さが浮き彫りになった。

今になってやっと報道された去年6月の灰溶融炉事故

溶融炉から高温灰漏れ/那覇・南風原クリーンセンター 
【南風原】南風原町新川の那覇・南風原クリーンセンター(松田馨所長)で昨年六月、ガラス状の「スラグ」や金属質の「メタル」約四トンが灰溶融炉から漏れ出し、構内の操作盤や配管類を燃損させていたことが六日、分かった。

2008/02/01

チラシを富士見町、原村と茅野市に

2008年1月24日の断層調査結果報告前の1月20日に、私たち八ヶ岳周辺のごみ問題を考えるネットワークは新聞折り込みでチラシを富士見町(全紙)、原村(長野日報)と茅野市(長野日報)に配布しました。本当は原村でも茅野市でも全紙で配布したかった、かなりお金がかかるので、長野日報だけに絞った。その後、色々な方からカンパをいただき、非常に助かりました。皆様、本当にありがとうございます!。遅くなりましたが、チラシを掲載します。このチラシも多少組合長の計画再検討の英断につながったかな?
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