2009/10/21

ごみ処理量実績割の導入

 諏訪南行政事務組合は、ごみ処理経費についての分担金を見直し、ごみ処理量実績割の導入を決めた。(9月議会において構成3市町村(茅野市、富士見町、原村)の承認を得た)
 実績割の導入は、かねてより念願していたことで、これにより、各市町村間でごみ減量化の競争が起こることを期待したい。

 3首長の間で取り交わされた合意内容は以下のようになっている。
(7月22日合意事項)

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 諏訪南清掃センターの経常的経費に対する分担金の負担割合へのごみ処理量実績割りの導入について

 茅野市、富士見町及び原村(以下「3市町村」という。)は、諏訪南ごみ減量推進会議の提言を踏まえ、3市町村地域におけるごみ減量化のよりいっそうの推進を図るため、諏訪南清掃センターの経常的経費に対する分担金の負担割合にごみ処理量実績割を導入することに関し、次のとおり合意した。

1.負担割合について
  経常的経費に対する分担金の負担割合について、現行の「均等割20%・人口割80%」を「均等割20%・実績割80%とする。ただし、建設的経費に対する分担金の負担割合については、現行のとおりとする。
また、均等割りについては、将来に経費のすべてに実績割の導入が図れないか、調査研究を継続する。

2.実績割の基礎となる算定期間について
  当該会計年度の前年の1月1日から12月31日までの処理実績とする。

3.実績割を導入する会計年度について
  平成22年度会計予算からとする。

4.実績割の算定式について
  算定式は、次のとおりとする。
  実績割=各市町村の[家庭ごみ+公共施設ごみ+(事業所ごみ×軽減率)]÷全対の[家庭ごみ+公共施設ごみ+(事業所ごみ×軽減率)]
  注)事業所ごみの処理費用は、その全額を手数料収入により賄うことを基本としますが、現在、手数料の額の決定にあたり、算定した額の30%を軽減する措置を行っているため、この負担軽減分についても実績割の算定に加えます。

5.分賦の対象とする額の算定式について
  算定式は、次のとおりとする。
分賦総額=[経常的経費決算額]-[ごみ処理手数料等の収入決算額]
  注)収入決算額は、使用料及び手数料、並びに諸収入の決算額の合計額とします。
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2009/07/01

地元区が建設の受け入れを撤回(湖周地区のごみ焼却施設)

 岡谷市、諏訪市、下諏訪町(湖周地区)が計画するごみ焼却施設の建設を受け入れていた樋沢地区が6月27日岡谷市に対し、「湖周3市町村による広域ごみ処理施設建設には賛成できない」と計画の白紙撤回を要求した。
 樋沢地区の河西地区長は、広域ごみ処理施設は、もともと6市町村合併を前提にした事業、合併が頓挫して前提がなくなった、「岡谷市が単独でごみ処理施設を建てると言うなら何も文句は言わないが、2市1町でという話はゼロに戻してもらいたい」と語っている。

2009/03/27

富士見町の矢嶋町長に対し、ごみ処理基本方針について要望書を提出

 3月27日、ごみ処理基本方針検討委員会において、富士見町から選任され委員となっていた2名が矢嶋町長に対し、要望書を提出しました。
 要望書の内容は、富士見町議会全員協議会で報告された、「茅野市、富士見町及び原村地域におけるごみ処理の今後の基本的な方針(案)」に対し、異議を訴えるものです。

以下がその要望書の文章です。

 3月17日の富士見町議会全員協議会において、「茅野市、富士見町及び原村地域におけるごみ処理の今後の基本的な方針(案)」が示されました。この中に「ごみ処理施設の一元化」が掲げられていることを知り、私たちは危惧の念を抱いております。 
  検討委員会において検討されたことは「可燃ごみの処理」と喫緊の課題である「埋め立てる場所がない」ことでありました。最終報告書(案)には、事務局に より「資源ごみ・不燃ごみ等の中間処理施設」であるリサイクルセンターの建設について書かれていましたが、検討委員会では一度も検討していなかったため委 員の反対が多く、最終報告書から削除しました。
 このように、「資源ごみ・不燃ごみ等の中間処理及び最終処分場等に関する事務の共同処理」についての協議は行っていないため、これらの一元化を盛り込むことに、異議を唱えたく、以下のように要望いたします。  
      
  1. 17年度の「ごみ処理基本計画」中の灰溶融炉導入は中止され、ごみ減量化の目標値も変化しています。一元化についても同様に白紙とし、ごみ処理基本計画の全体を慎重に見直すことを要望します。
  2. 資源ごみ・不燃ごみ中間処理の共同処理(リサイクルセンター)および最終処分  場(等)の一元化に関しては、現行処理方式との経済性比較をも含めた総合的な評価検討を、別途公募委員を含む委員会を設置し論議することを要望します。

2009/03/17

資源ごみ・不燃ごみの共同処理は、ごみ減量化に逆行する

 茅野市、富士見町、原村は、資 源ごみと不燃ごみの共同処理(広域処理)を始めようとしている。現在、資源ごみについては、各市町村ごと単独で処理(リサイクル)しており、不燃ごみにつ いては、富士見町と原村が共同で処理(リサイクルを含む)し、茅野市は単独で処理している。
 資源ごみと不燃ごみの共同処理は、ごみの減量化に役 立つのだろうか?現在、各市町村ごとに行っている資源ごみの回収は、その地域にあったやり方で、きめ 細かく対応できているからこそ成立しているのではないだろうか。それを広域化し、3市町村全体で行おうとすれば、ごみ減量化は進まなくなるに違いない。よ うやく始まったごみ減量化(資源化)にブレーキをかけてはならない。


 山本節子さんの著書「ごみを燃やす社会」の中から、広域化についての問題点が指摘されている部分を抜粋して以下に紹介します。

広域施設のデメリットとして、

①施設建設用に広い敷地が必要
②新たな道路が必要になる場合がある
③管理運営費の負担は小さな自治体ほど重くなる
④運搬費用が高くなる
⑤運送距離が増えるため排ガスが増える

 ・神奈川県横須賀三浦ブロック(人口49000人)でコストとリスクアセスメントを実施。
 →減量化を進め各市町村が単独で処理した方が安上がりとの結果が出る。
・鎌倉市(人口
17万人)も広域化をあきらめ市単独で今泉クリーンセンターの建て替えを行う。
 →
200311月に工事入札を行ったところ市が当初予定していた落札価格14億円の半額以下だった。

日 本の法制度は、ごみ処理の権限を地方自治体(基礎自治体)に付与している。憲法、地方自治、廃棄物処理法はいずれも、市町村のごみ処理を「自治事務」と規 定している。これは、ごみの排出者である住民にその責任と管理を委ねていることを意味する。現在国と都道府県が強制している「ごみ処理広域化計画」は、根 拠法のない違法な通達事業であり、行政区域を逸脱している点でも違法である。広域化は、住民をごみ処理から遠ざけることとなり、それによって、廃棄物政策 はたちまち破綻する。

市 町村のごみ処理を「地方事務」としているもう一つの理由に、地域ごとにごみの性質が大きく違うことがあげられる。地域ごとのごみが違えば、その処理も地域 単位の違うやり方で行う方が最善である。そのため法律は、住民の生活や消費動向をよく知る市町村が、住民と共に処理にあたるよう定めたのである。